2015年9月18日金曜日

武蔵野市議会 辺野古新基地の建設を強行しないことを求める意見書可決

<武蔵野市議のブログより>

武蔵野市議会は、9月16日の本会議で「地方自治の尊重を政府に求める意見書」の提出することについての議案が審議され、18対7の賛成多数で可決した。

 反対した会派は、自民・市民クラブの7名のみ。民主生活者ネット、空、公明党、共産党、無所属の議員が賛成した。

 意見書は陳情が議会に提出された、
先の総務委員会で可決されたことにより、議会として政府に提出するもの。

 賛成にあたっての民主党生活者ネットによる賛成討論と意見書文は下記(正式には議事録を参照)。

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 <民主生活者ネット賛成討論>

本意見書の趣旨は、地方自治の尊重し基地建設を強行しないよう政府へ求めるものであり、自治体議会として賛成をすべきと考え、賛成をするものです。

その理由のひとつは、ご存知のように地方分権一括法により、国と地方とは対等の関係となったことを考えれば、地方は国に対して積極的に意見を言うべきであり、国が決めたことへ地方が意見を言ってはならないと自粛する必要はない。また国は、地方の意見を無視してはならないと考えるからです。

地方の意見を言えないというのであれば、もし、この武蔵野市に基地をつくると国が言い出した場合、国へ意見を言ってはならないのかとなります。

陳情審議のさい、武蔵野市に米軍機が墜落した場合、どのようになるかの質問がありました。明快な答弁はありませんでしたが、日米地位協定により、米軍は日本のどこでも自由に封鎖できるとあり、武蔵野市だけではなく日本国政府も手が出せないのが実情です。

2004年8月の沖縄国際大学での事故以降、日本政府と米軍は、日米地位協定の運用を見直し、日本側の原因究明に配慮するケースも出てきました。

とは言え、2013年12月米国、国務省ハーフ副報道官は地位協定の改定には応じないと明言し、日本政府と米軍の当局者は、「共同」で無許可者の立ち入り規制を行うと改定されただけで、墜落した機体の残骸や破片を「米軍の財産」と見なし、日本政府や自治体の警察・消防が手を出せないことに変わりはなく、本質は今でも変わっていません。相模原市にある米軍施設で今月に起きた爆発火災、先月にあったうるま市で訓練中の米軍ヘリコプターが墜落した事故のいずれも、原因究明は日本側では行えない状況です。

武蔵野市の上空は、横田空域とされ日本の民間機が自由に飛べないのに米軍機は自由に飛べることもあり、沖縄ほどとはいえないものの、基地や米軍機への不安は同じようにあります。輸送機の部品落下事故が頻発していることを受け、東京都知事と周辺6自治体は要請活動を続けています。

米軍基地問題は、武蔵野市民にとって、決して他人事と考えるべきではありません。国は住民や地元自治体、議会の意見を尊重すべきです。

理由の二つ目として、意見書の提出を求める陳情には、辺野古に新基地を建設しなければならないのでしょうか、との問いかけがあったように、新基地が必要なのかと疑問を持つからです。

外交・安全保障は国の専権事項であり、国民と地方議会は静かに見守れとされてきました。しかし、国全体で考えるべき重要なことであるならばなおさら、基地のない武蔵野市民も沖縄に基地を押し付けてきた側の人間として真剣に考えなくてはなりません。


普天間基地のある宜野湾市では、市が独自に米軍の計画を調査し、沖縄海兵隊のほとんどをグアム島に移転する計画があり普天間基地も辺野古もほとんど必要ないと指摘しています。
米太平洋海兵隊司令官のインタビューから沖縄から戦地へ運ぶ輸送手段がないことが分かり沖縄に海兵隊を配備する必然性はないとの指摘も考えれば、そもそもは普天間基地自体が不要となります。

さらに、辺野古への新基地建設は、普天間基地の危険除去のためだとされていますが、沖縄県公文書館に保管されている「海軍施設マスタープラン」を沖縄の研究者が調べたところ、1966年時点ですでに辺野古に軍港をつくり、弾薬庫を設け、2本の滑走路を持つ基地構想があったことが分かっています。

つまり、1996年のSACO(沖縄に関する特別行動委員会)合意に基づいて「普天間返還」が決定し代替施設として辺野古に新基地を建設することになった。普天間基地による危険除去するために辺野古移設が出てきたように聞いてきましたが、辺野古新基地はベトナム戦争当時からあったプランであり、普天間基地の縮小どころか拡充になってしまうことになります。

辺野古のある名護市の稲嶺市長は、2014年11月にオバマ米国大統領に新基地建設の断念を求める書簡を送付していますが、その書簡には、県民を対象にした世論調査では、70%以上が新たな軍事基地の建設に反対していて、キャンプ・シュワブのゲート前や周辺の海上では、連日多くの人々が海上保安庁や防衛局の強権的で違法とも思える取り締まりの中で抗議の声をあげていること等を日本政府からきちんと伝達されているでしょうか、と問いかけていました。

そして、民主主義国家の先導者として、この問題と真摯に向き合い、私たちの子や孫たちが当然享受すべき輝かしい未来を取り上げないでくださいと記しています。

民主主義とは、民意を尊重することです。日本が民主主義国家であれば、まずは沖縄県民の民意を尊重して、沖縄の基地をどうすれば減らせるのか、県民の負担が少なくなるのかを政府は第一に考えるべきです。そのためにまずは辺野古新基地の建設をすべきではありません。まして、強行することはあってはならないことです。

このように考え、賛成討論とします。


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<地方自治の尊重を政府に求める意見書>
地方自治の日本全土の0.6%の面積しかない沖縄に、在日米軍の専用施設の74%が集中しています。先日も起きた米軍機の墜落や繰り返し発生する米兵の女性に対する暴行事件など、沖縄県民はこの米軍基地に苦しめられ続けています。

沖縄が、第二次世界大戦において本土防衛の捨て石とされ、総人口の5分のlにあたる12万・人の民間人が地上戦で犠牲となり、戦争終結後も1972年の本土復帰まで27年間、米軍の軍政下に置かれてきたことを考え合わせれば、これ以上の犠牲を沖縄県民に押しつけることは許されません。

ところが、日本政府は、「世界一危険な基地」である普天間基地の返還のかわりであるとして、辺野古に新基地建設を決め、昨年11月の沖縄県知事選挙や暮れの衆議院議員選挙で、沖縄県民から、はっきりとした基地建設反対の声が示されたにもかかわらず、その建設を強行しようとしています。

普天間基地も、もともと沖縄県民の土地を一方的に取り上げて作られたものです。それを返還するからと言って、どうして、ジュゴンやアオサンゴ、260種以上の絶滅危倶種を含む多様な海洋生物が生息する辺野古・大浦湾を埋め立て、環境を無残にも破壊して、辺野古に新基地を建設しなければならないのでしょう。

沖縄戦の最大の教訓は、「軍隊のいるところで住民は戦争に巻き込まれて死ぬ」というものです。新基地建設による基地強化は、沖縄県民を再び戦争の惨禍に巻き込む危険性を高めます。また、繰り返し示された沖縄の民意を踏みにじって、辺野古基地建設を強行することは、地方自治の侵害と言わざるを得ません。

よって、武蔵野市議会は、貴職に対し、地方自治を尊重し、辺野古新基地の建設を強行しないことを求めます。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
http://blog.livedoor.jp/go_wild/archives/52436389.html

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