2015年9月15日火曜日

大和郡山市:遠のく「開かれた議会」 ネット配信など議論先送り 優先審議の定数4減、継続審査に

<毎日新聞より>

 報酬日本一(人口5万〜10万人の市)の大和郡山市議会で、議会改革を巡る議論が今年4月の改選後も一向に進まない。今春の選挙では定数を24から22に減らしたが、効果を見定めないまま6月議会にさらに4減らす議案が提出された。議会改革特別委は定数減を優先審議し、9日の委員会で今議会は継続審査と決定。本会議のインターネット配信など「開かれた議会」実現に向けた具体的な議論は先送りされている。【熊谷仁志】
 全国市議会議長会の調査(2014年12月末現在)によると、大和郡山市(人口約9万人)の議員報酬は月額56万円で、人口5万〜10万人の全国267市区の平均38・74万円を上回り、20万〜30万人の市区平均55・24万円よりも多い。
 一方で、議会改革の取り組みは遅れている。全国の9割以上の市議会が単独発行する「議会広報」はなく、議会報告会も実施していない。本会議のネット配信をしていないため、市民が議会の審議内容を知るには平日昼間に議会を傍聴するか、3カ月以上後に公表される議事録を読むしかないのが実情だ。本会議での質問は議論が深まり、傍聴者にも分かりやすいとして導入が進む一問一答形式は採用せず、複数の問いをまとめた質問を3回まで行う一括方式だ。
 ネット配信や質問方式の変更には、施設整備や議席へのマイク設置などが必要。議員からは「庁舎新築が検討されている中、改修には二の足を踏む」との声もある。ただ、議会事務局が示す概算費用は、ネット配信の初期投資は約100万円、年間の経費約130万円で、市民からは「捻出できる額」との声も根強い。
 議会独自の広報作成、本会議のネット配信、質問方式の変更は、改選前の議会改革特別委でも議論されたが、結論は「現状維持」のままだった。
 今年4月の統一地方選後、市議会は6月議会で改めて議会改革特別委を設置。情報発信力の向上▽真に開かれた議会の構築▽議会基本条例制定−−をキーワードに掲げた。一方で「選挙中に定数の更なる削減を求める声は多かった」として、定数4減の条例改正案が議員提案された。付託された特別委は「定数4減案に結論が出るまで他の審議に入らない」ことを申し合わせた。
 特別委は9日、7月3日と8月26日に続く3回目の委員会を開催した。改選後の定数2減で4常任委のうち二つを掛け持ちする市議が2人出た影響も含め、定数4減については「県内の他市議会の状況なども参考にし、さらに協議が必要」との認識で一致した。こうした状況について、議会関係者から「定数4減案は改革議論を遅らせることを最初から狙った高等戦術」との声も出ている。
http://mainichi.jp/area/nara/news/20150910ddlk29010608000c.html

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