会派ごとの賛否理由明らかにしていない議会大多数
どのように議事を決めたか、賛否の結果と理由について公開しているかどうか、尋ねています。すると、議員個人の賛否結果は、紙媒体で約半数、インターネットには約4割公開していますが、一方で非公開のところも4分の1弱ありました。会派単位の賛否結果を公開している議会は、紙媒体・インターネットそれぞれ2割弱にとどまっています。
さらに賛成・反対の理由についても明らかにしているのは、議員個人が紙媒体(14.3%)、インターネット(10.9%)どちらも1割台で、非公開は4割強となりました。会派単位では、紙媒体、インターネットともに公開している議会は3%台で、ほとんどが明らかにしていないという実態がわかりました(グラフ2)。
視察報告は、委員会で行ったものは紙媒体(54.3%)、インターネット(36.6%)で公開している一方、やはり会派の視察になると、紙媒体、インターネットともに報告しているのは1割前後で、「公開請求があれば紙媒体で公開する」議会が3割強という状況でした。
議会だより、議会報については、年4~6回発行しているところが9割以上ありましたが、「レイアウト・デザインなどの大幅リニューアル」(18.2%)以外は、「どの程度読まれているか住民アンケートを実施」、「有識者や専門家に意見を聞く」、「編集に住民が加わる」という改善・工夫に取り組んでいる議会数は、どの回答もほぼ1割に達しませんでした。
ホームページに関しては議会で更新(52.7%)、スマートホンに対応している(43.5%)などは割合多いものの、SNS(会員制交流サイト)を議会や議会事務局として活用しているところは1割未満で、議会情報を活用しやすいようオープンデータとして公開している議会は2.5%のみでした。
また、議会の広報・広聴に関する「戦略を作成している」ところも2.6%しかなく、目標を設けたり、効果を検証するなどの取り組みが「特になし」という議会が87.1%と大多数でした。
議論の経過をみせる工夫の強化必要
これら情報共有について、中村事務局長は、「これまでも議会だよりやホームページなどを使い、それなりにやっていた」と言います。ただし、発信されている情報は「議員や議会が載せたい情報、つまり掲載者の思いの情報だけで、住民の利益になる情報、住民にとって知りたい情報ではなかった」とみています。加えて、「議会でどんな議論がされていたか、ほとんどわからない。結論しかわからなかった」という大きな問題点がありました。
「民主主義は多様な意見の集合体。最終的には過半数を取ったほうが決定権を持ち、議会で可決したといっても、全会一致もあればぎりぎり可決したものもある。だからこそ、どうしてそうなったのか、というプロセスを見せる動画配信やそこを伝える議会広報誌の改善、議事録の掲載、強化が大切」。本当に住民が必要な情報を共有しているかという視点から、改革を進める重要性を訴えています。
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