2014年5月18日日曜日

武蔵野市 次回も指定管理で公募せず

<武蔵野市議のブログより>

5月15日の市議会総務委員会で今年度に指定期間が終わる市の施設の指定管理者について、これまでと同様、公募は行わず市の外郭団体に指定したいとの行政報告があった。現状を考えれば、妥当な判断だと思う。しかし、他の考え方もあるのでは、と思った。

公募しない理由は、現在でも利用率が高く今以上の拡大が難しいこと。民間事業者が指定管理者事業者になった場合。使用料の発生や利用の制約が懸念されるとしていた。
利用率の少ない松露庵については、施設規模を考えると利用率の改善が見込めないこと。同じく長野県川上村にある自然の村については、最盛期の夏にはジャンボリーで使用しており、他の季節では寒冷地であることから利用率を増やせないと考えられることから公募しないとしていた。
また、どの施設も利用者の満足度が高いこと。市の事業と密接な関係にあることも理由としていた。

今回の説明では、利用率や満足度についての説明はあったが、コストが適切なのかの説明はなかった。いたずらに安くすればいいとは私は考えていないが、市の外郭団体と同じ費用で民間が行った場合はどうなのか、との視点の説明がなかったのだ。
施設や事業の目標は、施設を維持管理するだけではなく、市民の満足や市の魅力を高めるなどの成果目標が必要だろう。その目標に対して市の外郭団体だからこそ、このコストをかけたからこそできたとの視点が最重要な視点ではないだろうか。

また、民間事業者とは株式会社などの営利企業だけではない。小規模な施設なら市民事業として、あるいはNPOなどが応募してもいいはずだ。最初から公募しないとすれば、このような市民事業にも扉を閉ざしてしまうことになる。緑町スポーツ広場であれば、利用者が運営を担うことで新たなコミュニティを作ることを目的として運営を任せるという考えもある。単に施設を貸すだけではなく、貸すことから先のこと、長期計画ではコミュニティ形成が課題となっているのだから、このようなことから広がりを作りだす仕掛けも考えられなくなる。少なくとも条件を示して他にない、あるいは外環団体の方がはるかに成果を出せるとしたほうが、分かりやすいはずだ。一律に公募しないという考えは疑問だ。

そもそも、指定管理者制度は競争によりコストダウンとサービス向上を目的とするもの。競争しなくても目的を達成できるのなら指定管理者制度でなくてもいいとも考えられる。各団体には市の職員が出向しているのだから、直営として実際の運営は業務委託で外郭団体とすることもできるだろう。報告を聞いていて、公募して民間事業者と競争して外環団体が負けた場合、プロパー職員の仕事をどうするかの課題もでてくることから問題を先送りしただけとならないか。これまで、外郭団体に公募する公募するとしてきたことがオオカミ少年になってしまないかとも思った。

市としては次の指定替えとなる5年先のことは未定だとしていた。



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