2014年5月8日木曜日

地方議会のネクストステージを議論する

<岐阜県議のブログより>

あさって(5月8日)に岐阜県議会の臨時会が開かれます。県議会としての新しい年度の始まりといってよいでしょう。今年度こそは、岐阜県議会の議会改革も進めたいと思っています。 議会改革の全国的な状況を把握し、何をやるべきか学ぶために、先月大津市内で開かれた「地方議会のネクストステージを議論する研修会」を受講しました。以下長文になりますがご報告します。 「地方議会のネクストステージを議論する」と題されたこの研修会はローカルマニフェスト推進地方議員連盟の主催で行われたもので、全国から地方議員およそ70人が参加しました。 最初は、去年のマニフェスト大賞グランプリを受賞した大津市議会の取り組みについて、議場で説明を聞きました。最もわかりやすいのは議員個別の賛否表示システムでしょう。議案の賛否を議員個人がどう対応したのかが、採決の度に議場の大型スクリーンに表示されます。これも議会ICT化の一環で、大津市議会の場合、大型スクリーンを議場に据えたことで、質問の際に資料をスクリーンに表示したり、議場を使った会議(災害対策会議ななど)も可能になっているそうです。 大津市議会の改革はこうしたはっきりわかる議会改革だけではありません。まず通年議会の導入。この目的は審議を充実強化することで、例えば災害時に議会としての緊急対応が出来るようにしたり、市長の専決、つまり議会に諮らずに予算をつけたりすることを極力なくすことが出来ているそうです。 また条例づくりのために政策検討会議を設け、各会派から出た議員で討議を行い「いじめ防止条例」や「議会BCP(災害時の議会業務継続計画)」を策定しています。こうした改革も、議会の独りよがりではなく、二元代表制のもとでの、もう一つの住民代表である議会の機能強化(審議強化や政策立案の強化)を目指したものということです。 このあと会場を移してディスカッションに入りました。 最初は早稲田大学政治経済学術院の北川正恭教授と大津市の越直美市長とのディスカッションです。先ほどの大津市議会での改革に呼応する立場になる越市長は2012年のいじめによる自殺事件での対応などを受けた教育委員会改革や市役所・議会事務局の法律機能の強化(弁護士を採用するなど)などを説明しました。また議会の進める通年議会については市長の立場からも審議が深まるとして評価をしていました。 二日目最初は「議員のコミュニケーション力アップ講座」ということで最近話を聞く機会の多い選挙プロデューサーの松田馨さんのお話でした。 東京都知事選挙における家入陣営のネット選挙に加え、この前日に投開票が行われた兵庫県西宮市長選挙の事例について説明がありました。松田さんの話でいつもなるほどと思うのが「地方選挙ではネット選挙で影響が出てくるものではない。街宣箇所が増えただけのことで、日々の積み重ね。」ということです。「HPもネット上に事務所が出来たということ」です。 そして最後に参加した議員間の討議が行われました。10のグループに分かれ「住民に求められている議員力とは」というテーマで各自の取り組みや活動をする上での悩み、その解決方法を話し合いました。集まっているのは議会や行政、自分の活動について発信力の高い議員ばかりですが、みな同じような悩みを持っているようです。住民とのコミュニケーションが本当に取れているか、議会報告会や議会だよりなどがしっかり出来ているか、などなど。解決手段として、単なる情報発信だけでなく、情報を住民にわかりやすく整理して発信する「編集能力」を議員も高めることや、住民との双方向の関係に一層力を入れることなどが挙げられました。 岐阜県議会の議会改革は、表題にあるように「改革の成果を住民に示せる」というレベルでは、まだないと思います。そうかと言って私ひとりが独善的に議会改革を主張したところで何も進みません。丁寧に、出来るだけ賛同を得られるように議会改革を訴えたいと思います。

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