全国の都道府県で初めて議会基本条例を制定した三重県議会の元議長、三谷哲央三重県議に議会基本条例の意義について聞いた。
三重県議会が議会基本条例を制定したのは平成18年12月。同年5月に栗山町議会が全国初の議会基本条例を制定したとほぼ同じ時期だ。今から10年前のことだが、この年は議会改革の大きな節目とも言える。
議会基本条例を制定した理由は、議会の存在感が見えなくなってきた危機感だからだという。
当時は改革派知事で知られる北川正恭知事の時代で、県民を顧客に見立てて満足度を最大化するために予算を執行し成果を評価し、また翌年の予算編成に反映するというPDCAサイクルを取り入れた時代だった。県民の評価を執行部が取り入れるようになると議会の存在感が見えなくなってしまったからだという。
このことに加え、選挙により会派バランスが崩れ特定の会派の意思だけでは決められない状況になったこと。改革が必要だと考える"長老議員"もいたことで改革が進んだとされていた。
そして、議会基本条例を制定する過程で、議員や議会活動がどうあるべきか。自治法にも書かれていないことを、自ら考え条例化していくことで再確認し、あるべき姿が分ってきたという。
議会基本条例を制定しても、そのままという議会はあるが、それでも、作ることで自覚は変わる。議員が自らの言葉で、これが議会ですよと示すことが大事。議会は自己変革をしていかないと、生き残れないと話されていた。
また、昨今、問題を起こしたり、行政への監視能力が疑われていたりする自治体議会も、批判を受けることがよい機会になるとのアドバイスも話されていた。そういわれると、問題が起きる議会に議会基本条例がないように思えてしまう。
武蔵野市議会は、議会基本条例制定への動きは出てきているが、まだまだスピードが上がっていない。議会運営にも課題が出てきている今だからこそ、一段、二段とギアを上げなくてはと話を伺い痛感した。今後に活かしたい。
三谷さんから伺った詳細は、11月23日に発刊される「議会改革白書2016 議会基本条例10年」(編著 廣瀬克哉・自治体議会改革フォーラム)に掲載されます。ぜひ、お買い求めください(宣伝でした)。
※写真は2015年版の表紙
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