町村議員の成り手不足問題をめぐり、長野県内の町村議有志による「町村議会改革シンポジウム」が7日、同県松本市で開かれ、総務省の有識者会議が3月にまとめた改革案への疑問が相次いだ。有識者会議のメンバーも「『国からの改革』で違和感がある」と発言する場面もあった。
改革案は現行の議会制度に加え、多数の非専業議員からなる「多数参画型」か、少数の専業議員による「集中専門型」の2タイプを選択可能とするもの。有識者会議に参加した江藤俊昭山梨学院大教授(地域政治論)は「議会を型にはめ込むことになり自主的な改革を阻害しかねない。地方分権の流れに逆行する」と批判した。会場からも改革案に対し「画期的だが、いずれかを選ぶのは現実的でない」(松川町)との指摘が出た。
住民を巻き込んだ議会改革で知られる同県飯綱町の寺島渉前議長は、成り手不足の要因を「議会が首長の追認機関になり、住民の信頼を失ったため」と分析。「調査権などの権限を最大限に使い、議会活動を『見える化』することが重要だ」と住民との意思疎通の重要性を訴えた。
江藤教授は終了後、「成り手不足の原因を各自治体で考え、議会の魅力をアップさせて裾野を広げることが重要だ」と述べた。【和田浩幸】
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