<武蔵野市議のブログより>
武蔵野市の財政を全国と比較してみると、いろいろな課題を再認識することができた。それは、武蔵野市が独自性をもっと発揮しなくてはならないことと、この国の在り方についてだった。
たとえばグラフのように市財政の歳入割合だ。全国的には、3割程度しか独自財源しかないことが分かる。よく3割自治といわれることがあるが、自治体が独自の創意工夫で自ら決定できることは3割しかなく、あとは国や都道府県に頼らざるを得ない現状が良く分かるグラフだ。
武蔵野市の場合は6割と他の平均的な自治体の倍の自己財源を持っている。このことを考えると、武蔵野発と呼ばれる独自政策が注目されるが、当然やっていなくてはならなかったこととも言えるだろう。すべての政策とは言わないまでも、他の自治体と同じことをやっていては、何をしているのだとなってしまいそうだ。
このグラフは、7月23日に市内の西久保コミュニティセンターで、市民がつくった財政白書の報告会があり、その席にゲストとして参加されていた武蔵野市の財務部長が市財政の現状を説明していた時の資料だ。財務部長というと、難しい話をするのかと思いがちだが、単純化して分かりやすく説明していたことは好感が持てた。分かっていた話だが、グラフにするとより分かりやすくなることを再認識した話でもあった。
■普通交付税不交付団体
平成25年度の全国の普通交付税不交付団体数のグラフと不交付団体の一覧も改めて見ると、この国の在り方を考えさせられた。
不交付団体とは、自治体の持つ環境からどの程度の税収が見込まれるかを想定し、その見込み額よりも税収が少ない自治体に国から税収を補てんしている自治体のこと。財政力指数で表され、1.0を超えると標準的な税収よりも多い税収があり国からの税が補てんされない不交付団体となる。いわば自立した自治体だろう。その数は、49。全国の自治体を約1800と考えると圧倒的に少数だ。
逆に1.0を切ると交付される。乱暴な言い方かもしれないが、赤字自治体となる。国内のほとんどの自治体が不交付になっている姿が本来の日本の姿であっていいのだろうか。国の借金は膨大にあり、さらに国内の自治体の多くが赤字という国の姿がいいのかを考えなくてはと思う。
さらに不交付団団体の一覧を見るとさらに考えさせられる。ここに登場する自治体の多くが原発立地自治体か大規模工場のある自治体だからだ。原発頼み、大規模工場頼みになっていることになる。一次産業も含めて住民が普通に働くことで不交付となるように国全体の政策が必要ではないのだろうか。
■武蔵野市の財援団体
この日は、市民がつくった「むさしの市民財政白書2」の発表の場でもあった。白書の内容は主に、15もある市の外郭団体の財政状況と現状で何をしているのか。課題と調べた結果の感想が書かれている。私は冊子の編集などを手伝った程度だったが、記事を書いた人の代理として「武蔵野市開発公社」の問題について説明を行った。
概要は、「武蔵野市開発公社」は、コピス吉祥寺などの不動産を管理し利益をまちづくりに寄与することを目的とした外郭団体だが、現状では市民に何をしているか伝わっていないことや市民からの評価がないこと。まちづくりを担える人材が育っていないこと。民間企業として考えると現在の資産で大丈夫なのか。もし撤退、売却するとなれば(可能性は低いが)、マイナスとなってしまわないかなどの課題を指摘し、従来の公社から、柔軟で実践的な取り組みが行える革新的なまちづくり主体への転換を目指した議論が行われる必要があるとの提案などだ。
他にも土地開発公社をなぜ解散させないのか。武蔵野プレイスや子ども協会の財政状況、事業内容が書かれている。ぜひお読みください。
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