2015年5月1日金曜日

「議会は市民のもの!」。

<松坂市議のブログより>

「興味深いお話をありがとうございます。統一地方選挙があり、いざ選挙ってときに、何だかモヤモヤする気持ちがありました。選挙が機能していないのは議会が機能していないからだったのだなと、昨日(426)の話を聞いて気づきがありました。バリアが多くあるだろう中、政治を市民のものにしようとする地道な取り組みの話を聞き、 ちょっと前向きさをもらえるお話でした。(わたしたちには)知らなかった仕組みがあって見方が変わるところがありました。一歩一歩、(前へ)ですね。」   (三重県内・女性)

「議会は市民のもの!」。

こんなテーマで、議会改革で全国をトップでいく三重県議会の三谷哲央県議と対談をさせていただきました。

議員のための議会改革に終わるのではなく、本来の主役である市民のものにするためにわたしたちは何ができるか。大勢の皆さんの前で意見交換しました。

議会を本来の所有者である市民のものとして機能するにはどうしたらを話し合う場として、「議会改革の会」と名付けました。

冒頭に紹介したのは、参加者の一人から寄せられた感想です。

はじめに三谷県議から、「議会基本条例は全国の議会で作られた。けれど、作ったらおしまいになっていないか」と問題提起がありました。

松阪市議会も、2年以上の議論の末、条例を作りました。思い当たるところがあります。松阪市議会基本条例にはこうあります。

●「積極的な情報発信により、市民にわかりやすく、市民が参加しやすい、開かれた議会運営を実現すること」

●「市民の立場から、市長等の市政運営状況を監視し、評価すること。独自の政策立案及び政策提言に取り組み、市民の視点で議員が十分な議論を行い、市議会としての合意形成を図ることにより、立法機能の充実及び強化を行うこと」

●「広く市民の意思を把握し、市政に的確に反映させるとともに、議員一人ひとりの資質を高め、議会機能の強化及び活性化に取り組むこと」。

けれど、問題は、その理念に基づいた議会運営をしているか、ということです。条例が平成2410月に出来て、2年半たって、すでに忘れ去られたものとはなってはいないでしょうか。いま、この理念をどう具体化していくか、現状どうなっているかを検証しなくてはならないところに来ています。

☆マトリックス

議員・議会×市民

今の制度を活用×新たな制度をつくる

これまでの議会改革、その成果としての議会基本条例で、何が達成できて、何が足りないか?

わたしたちは、条例を作るために、ほんとうに長い時間をかけて、丁寧に、そして、激しく議論を重ねた。その甲斐あって、文言、中味とも、かなり良い条例が出来た。しかし、どうも棚ざらしの感があります。
 
☆問題提起1 今すでに議会にある制度を、議員が活用しているか?

議会基本条例には、たとえば、政策討論会や市民意見交換会、議員間討議の実施を挙げています。しかし、こんな状況となっています。

(1)政策討論会

(実績)基本条例には盛られた→実施実績ゼロ

「歯と口腔の健康条例」や「市民参加条例」「住民協議会条例などを対象に5回実施を求めたが、すべて「必要ない」として議運が承認せず、いずれも実施に至っていない。

(2)議会と市民と意見交換会

 条例には「市民との連携」という条文があって、「市議会は、市民の意見を政策立案に反映させるため、市民との意見交換の場を設けることができる」とあるが、一度も実施できていない。

(3)議員間の討議による合意形成

「市議会は、議会が言論の府であることを十分に認識し、議員相互間の自由な討議を中心に運営しなければならない」「議員は、本会議及び委員会において、議案の審議及び審査にあたり結論を出す場合にあっては、合意形成に向けて議員相互間の議論を尽くすよう努めるものとする」とあるが、議員間討議はほとんど実施されないまま低迷している。

自分たちが作った制度が活用されていないことがいちばんの問題です。

(つづく) 

 

 

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