愛知県東浦町の神谷明彦町長が、4月の統一地方選で当選された議員の当選証書交付式で、特に新人議員に対して述べられた挨拶が興味深いです。
地方議会の議員の仕事といえば、所属政党の国会議員や県会議員の選挙を手伝うこと、行政の行事に来賓として出席すること、支持者の御用聞きをして行政に便宜を図るよう口利きすること、だと信じている人が実に多いのではないでしょうか。
でも、これらはどれも議員本来の仕事ではありません。
議員の仕事とは、市民の意見を集約しつつ、行政に対して政策提言をし、また、行政の不正や独断がないかチェックをすること、なかでも、最も大切なことは、議会でお互いに議論して、自分なりの考えのもとに議案に対する賛否を明らかにすることです。
議論をして議会としての結論を出すこと、自治体としての意思決定する(条例制定・改正や予算を決める)ことです。
議員のみなさんには、一人一人に意思決定の重い責任が課せられていて、自分の賛否について市民への説明責任がかかっていることを忘れないで下さい。
このことを神谷さんが、個人のフェイスブックに書いてみえます。
わたしも、これをフェイスブックで紹介させていただいたところ、何人かのフェイスブック・フレンドから、「議員に対して失礼では?」等々のコメントをいただきましたので、わたし自身、思うところをコメントにしました。
海住 中味は当たり前のように思えて、なかなかこのことの意味を理解している議員はいないと思います。確かに町長が言うのは異例だと思いますが、それを言う言わぬも判断するのは町長です。あえて言ったことの意義は大きいと思います。町長としては、議員は仕事の内容を勘違いしてくれているほうが楽だと思います。にもかかわらず、ちゃんと仕事をして町長に対しても厳しくチェックしろと言っているわけで、そこまで言ってのけること、素晴らしいことだと思います。
海住 全国どこの自治体にもおおむね共通する問題点を言い当てているものと考えます。
海住 特に新人議員へと言っているので、選ばれた新人議員にその職責に対する責任はまだ明確でないと思いますのでその質うんぬんという話ではないと思います。むしろ、長いあいだ議員の仕事をあいまいにしたままにしてきた議会に問題があったのだと考えます。これは東浦特有の問題ではありません。いま、全国で議会基本条例を制定しているのは、議会の役割とは、議員の役割と責任を明確にしなければならない必要性があるからです。町長の発言は二元代表の一方の機関(町長)が、もう一方の機関(議会)への使命のまっとうを求めるものです。長のほうへのチェックも議員に促しているのですから、二元代表の両翼が互いに役割を発揮し合うことで自治の力を高めていこうとする願いを込めているもので、相手に失礼とかという話とは次元を異にすると考えています。
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