◇がん対策など大津11課題
大津市議会は、2019年春までの任期4年間で取り組む議会活動の実行計画をまとめた「ミッションロードマップ」を策定した。市民に分かりやすい議会を目指して全会派が協力し、制定を目指す条例やその時期などを具体的に明示した。市議会局によると、全国でも例のない取り組みという。(池内亜希)
◇全会派で達成目標「市民との約束果たす」
市議会では10年以降、質問方式の見直しや大学と連携した政策立案機能の強化などの議会改革に取り組み、今年3月には、議会基本条例を制定した。
4月の改選以降も、全国で不正支出などの問題が相次いだ政務活動費について、領収書をホームページで公開することなどを決めた。さらに、市民に「見える」議会を目指そうとロードマップ作成に着手。全8会派の代表らでつくる「政策検討会議」(座長・竹内照夫市議)を5回重ね、25日の議会運営委員会にて決定された。
ロードマップには、取り組むべき11の項目を達成する時期とともに記載した。その選定にあたっては、各会派から提案された44の項目を、「議会全体で取り組むべきか」(共通性)、「市民生活への影響」(市民性)など5つの観点に基づいて点数化し、上位から決めた。
まず今年度は、「がん対策推進基本条例(仮称)」の制定を掲げる。がん予防や早期発見を推し進めようとするもので、来年の2月通常会議での提案、成立を目指す。17年度までに、防災や景観などの視点で土地利用の方針をまとめる「土地利用基本条例(同)」、18年度までに、市の特性を踏まえた公共交通の方針を定める「交通基本条例(同)」の制定も挙げている。若者を対象にした投票率向上を目指す施策にも取り組む方針だ。
議会改革では、正副議長の立候補制導入を明記し、今年度中に方法などを決めた後、来年の改選から始める見通し。また、18年度中には、政策形成の過程に市民が参加できる仕組みを検討するとしている。
ロードマップの進捗 状況を議員自らが検証するほか、最終年度には、外部有識者による評価も計画する。
25日に行われた記者会見で、政策検討会議の竹内座長は「ロードマップの策定により、市民から監視の目が向けられることになる。市民との約束を果たしていきたい」とし、津田新三議長は「開かれた議会を目指し、この4年間、能動的に取り組んでいきたい」と力を込めた。
ロードマップは、市議会ホームページなどで見ることができる。