11月18日の朝日新聞・天声人語に今の沖縄・辺野古基地で考えるべき重要な論点が書かれていた。国と地方は対等・協力へと大きく変わった国会答弁を紹介していたからだ。
1996年の衆院予算委員会で菅直人衆議院議員が、「行政権は、内閣に属する」とある憲法65条について、自治体の行政権が含まれるのかと質したところ、当時の内閣法制局長官は、含まれないという趣旨の答弁をしたことで、国と地方の関係が、「上下、主従」から「対等、協力」へと大きく変わったとしていた。
その後、2000年の地方分権一括法などが成立し、地方自治体の自主性が求められる一方で地方議会の責任がより重くなり、議会改革が大きく進んでいる。国の補助金に縛られ、国が考えたことを執行するのではなく、補助金の一括化、包括化が進み、規制を止めるなどで自治体の創意工夫による地域特性に合った行政を行えるようになった
。
国から地方へ分配できるお金が少なくなったことも理由だろうが、自治制度が大きく変わったことに変わりはない。
武蔵野市議会は、9月16日の本会議で辺野古基地について、地方自治を尊重し、辺野古新基地の建設を強行しないことを求める内容の「地方自治の尊重を政府に求める意見書」を18対7の賛成多数で可決した。この意見書で求めているのは、地方自治を尊重し、辺野古新基地の建設を強行しないことだ。
辺野古基地をめぐる沖縄県と国のとの対立は、対等・協力ではなく、主従の関係へと後戻りしていることになる。国と自治体の関係、自治制度の問題として考えてみるべきだ。今の姿は、時代を完全に逆行している。いつの時代に戻ろうとしているのだろうか。
【参考】武蔵野市議会 辺野古新基地の建設を強行しないことを求める意見書可決
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