<東村山市議のブログより>
昨日(14・月)は、廣瀬克哉法政大学教授を講師にお招きして東村山市議会としての研修会を持ちました。
廣瀬先生にお願いするのは、2011年2月に「市民とともに学ぶ講演会」を初めて開いた時以来、5年9か月ぶり。その後、議会基本条例を足かけ3年で制定し、2014年4月からはそれに基づいて種々のルール変更と報告会の定期開催を重ねてきました。
今年4月から半年をかけて、条例に定めた通りに検証作業を市民意見もいただきながら行ったわけですが、外部の専門家による客観的な評価が不可欠だということで、全議員参加の研修会開催となりました。
廣瀬先生からは約2時間にわたり、「東村山市議会のネクストステージをどうキックオフすべきか」についてご教示いただきました。
以下は私のメモですが、「政策機能の充実を本気で図れるか否か」が問われていることをひしひしと感じました。
・議会改革の大きな2つの柱は、「市民と議会の関係」と「政策機能の充実」。
・市民から議員の存在はわかるが、集団としての議会の意味が理解されない。一つの打開策として行っているのが議会報告会であり、東村山市議会の場合、参加者一人ひとりが話しやすい環境づくりを進めていることが他の議会からも注目を集めている。
今後は、テーマ別の対話をしたり、聴きとるための窓口を多面的に充実させていくこと。
また、請願や陳情は、市民が政策として持ってきたことに誠実に対応することを通じて、本人からの説明機会を積極的に設けることが大事。市民は採決には関われないが、審議への参加はできる。
・もう一つは、議会が持っている政策機能の充実。
しっかり裏付けを取り、根拠を持って議決する議会と、信頼する市長の提案だから…等とスルーして可決する議会には大きな違いが生じる。前者では議案の質が落ちないし、後者は行政のレベルが下がる。「うるさい議会」を持っていることはメリットであり、緩い議会を持つ市民的なデメリットは大きい。
・議案審査のレベルアップ。
議案の議決が、議会として一番重い意思決定。このレベルアップが一番のポイント。
当事者の市民の声を多元的なチャンネルで聴きとれる耳を持ち、その意味を伝えきらないといけない。
・議会主導の政策提案
議会だからこそよりよい解決、政策になることがある。そのためには政策基盤の強化が不可欠であり、バックヤードの議会事務局の強化や議会図書室の充実が必要。滋賀県市議会事務局の取り組みや、呉市議会の議会図書室の取り組みには大いに学ぶものがあるはず。
・東村山市議会の取り組みは、「市民と議会の関係」については注目を集めている。
次の段階は、「政策機能の強化」へどう結びけるかに課題があると感じる。広報広聴の強化はされてきたが、バックヤードの強化を含めて後者は課題が多い。
・議会改革が進むと、市民にとってどんな良いことがあるのか?
平時には、議会側からの投げかけが大事なのではないか。
活性化によって市民にはどんないいことがあるのか、丁寧に示していかなければいけない。
・「開かれた議会」は、もはや当たり前。
しかし扉は開かれたが、誰もいなかった、ということがある。
知ってほしい人に知ってもらえているか。単に隠さないのではなく、届ける工夫がないと。
議会の言いたいことだけが執拗に市民に届けられるのでは逆効果にもなりかねない。
・セカンドオピニオンの確保が尽くされているか。
どんなに信頼している主治医(首長)の判断であっても、もろ手を挙げてOKでいいのか?
議会は患者になったつもりで判断してほしいが、患者ではないので、生の思いを受け止める必要がある。それは必ずしも議場でなくてもいいが、公聴会やパブコメや、そして議員間討論。
・議員間討議とは…
賛否が割れるポイントはどこにあったのかをみんなで確認する。論点整理のための議員間討議は非常に役に立つ。「討論」は自分の正しさを伝えることにあるが、すっきり整理するための議員間討議は有効。
傍聴に来たくなる議会。議会は論点を見える化してくれると分かれば、傍聴にも来る。
休憩取って傍聴者の意見を聞いてみる議会がある。
小値賀町議会では模擬公聴会。市民の舞台、市民の使う場所としての議会。
・通年の議会について
会期制度を取る必要がなくなったのではないか、というのが地方制度調査会、総務省の考え。
通年の議会は、会期という概念を取っ払おうということ。
日数を増やすためではなく、必要なタイミングで必要な会議を開くためのもの。
とりあえず通年の会期にしておいて、これまでのスケジュールを軸に、他に何日か本会議を設定してみるといいのではないか。
・予算編成権の制約をどう乗り越えるか。
予算審査段階での調整は実際は難しいので、計画段階で提案するのが有効。枠になるのは総合計画。事業としてやるべきかどうかの判断は、総合計画段階でやっている。
議会は基本構想は議決しているが、基本計画は議決していない。総合計画の中の事業の取捨選択に議会が関与することが大事。丁寧な自治体では、総合計画の補正をしている。
・行政評価としての決算審査の重要性
・自治体計画は、総合計画一本でできているものではない。紐づくものがたくさんある。
・議会が全会一致で決める重さ
・議会の持つ資源をどこに集中していくかを十分議論する。
・期待の斜め上が時折実現する議会、多様な人が構成している議会のよさがある。
議会ならではのファインプレーを目指してほしい。
http://sato-masataka.net/wp/?p=3698
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