<矢板市民のブログより>
平成29年10月16日
矢板市議会議長 和田安司 様
政務活動費における報告書の改善への要望
平成28年度政務活動費の「視察研修・研修等報告書」を拝見しましたところ、視察研修・研修内容については、よくまとめて報告されますが、肝心の視察研修・研修で得た成果物を「所感」というもので、感想になっているものが大半です。
これでは、公金を使用して、視察研修・研修したものが、どう市政に反映されるのか、また、生かせるのかが不明で、見方によれは、公金の無駄使いに解される恐れが生じかねません。
つきましては、別紙「参考資料 政務活動費使用の成果を市政に反映することの明確化及び報告書様式化(サンプル提示)(29,7,2)」を参考にして、政務活動費における報告書の改善を要望します。
なお、この「視察研修・研修等報告書」の改善について、平成28年6月にも、要望していましたが、改善されていません。
参考資料
政務活動費使用の成果を市政に反映することの明確化
報告書様式化(サンプル提示)(29,7,2)
政務活動費の目的は、議員の調査研究その他の活動により、議員の資質向上、議会における審議充実強化、そして住民の意向を反映した政策提案をして、住民福祉の向上に寄与することである。しかし、その政務活動費の使用の実態は、実際の議会における審議充実強化されたのが見えない。また、成果として政策提案されたのも見えない。
その理由は、議員の資質向上のためとして、調査研究費、資料購入費、広聴広報費など使用したとしても、その結果として、議案審議のどのように成果が上がったのか明らかでない。特に、広聴広報費を使用して、市政報告紙を印刷、配布して政務活動費を使用しているのがある。また調査旅費として、視察をした結果が、どうように市政に反映した成果が定かでない。
このことは、政務活動費使用の現実は、「事務所維持・日常活動」に使用していると「全国市民オンブマン香川大会」で報告されている。
これらの使用をなくすためには、政務活動費の成果を条例、使途基準等に明確にし、その実行を証するための審査機関などを設けるべきである。
政務活動費の市政への反映させることについは、条例、使途基準等に記述されているが、もっと明確に改正すべきである。
その事例に一つである半田市議会の条例の前文に次ぎように、記述している。
『半田市議会は、市民の多様なニーズにこたえ、市政発展、福祉の向上等、半田市をよりよいまちにするためには、議員個人はもとより議会が一丸となり広い知識とそれを活かす知恵が大きな効果をもたらすと確信している。
よって、半田市の発展を目指し、議会および議員として責任を果たすために、政務活動費を有効に活用することを目的として、ここに本条例を制定する」
「政務活動費運用指針」3半田市議会の政務活動費の最後に「最後に、政務活動費を用いての活動により成果を上げることは必須であること、そして、市民を失望させることはあってはならないことを忘れてはならない。」
そして、「不適正な使用の防止のため」として、政務活動費管理委員会を設置し、政務活動費の使用を事前事後にチエックし、政務活動費による活動の成果を公表する。」
これからの政務活動費使用には、この半田市議会の政務活動費の使用の成果を明らかに市政に反映するように条例、運用指針等の改正されることを提案する。
※参考に弘前市議会・飯塚市議会などの視察報告書扱いを挙げておく。
1) 弘前市議会政務活動費の手引き〔平成27年10月〕
調査研究費 留意事項 1、調査視察等(弘前市議会)
○ 視察先の選定
「あらかじめ当市の行課題との関連性が明確にした調査目的を設定した上で、視察先を選定する必要です。単なる「見学」や市の行課題との関連性が明確でない視察は観光と具会を生じかねないため避けるべきです。」
・視察時期
「年度末または任期最後の定例会終了後から任期末日までの間に視察を実施することにつきましては、調査結果を議会活動に反映することが困難であることから、正当な理由がない限り避けるべきであるとされています。」
・調査報告における留意
「調査視察等終了後、報告書等作成する際には、調査視察等の目的をどのように達成し成果を得たか等についても可能な限り詳細に記載するものとし、「別紙資料のとおり」「説明を受けた」「意見交換を行った」「参考になった」等のみの記述は避けるようにしてください。
2) 飯塚市議会政務活動費審査会〔平成27年度政務活動費収支・実績報告書についての審査報告書〕平成28年6月
・視察報告書の書き方について
議員による先進地の調査・視察は、議員の見聞を広め、政務活動の実質を得るために大事である。それだけに、当該先進地の調査・視察が市政との関連において本当に必要であり、何を調査・視察することによってどのような成果が得られたか、客観的に判断できる調査・視察報告書の作成・提出は必須となる。
特に大勢で視察に行った場合などは、物見遊山ではないか疑われないためにも、市民の評価に堪え得る調査・視察報告書でなければならず、議員それぞれの立場から視察の必要性や成果などを具体的かつ明確に記載して、調査・視察の意義を立証しておく必要がある。
そのために、報告書の内容は、
①調査目的・項目を明確にしておくこと(視察目的と市政との関連性)
②視察地・視察先選択の理由
③時系列的な経緯(行程)
④訪問先(相手方)
⑤視察内容・質疑応答(事実の報告)
⑥市政等の課題に対しどのように参考になったか(今後の課題、対策)などの事項が具体的かつ明瞭にまとめられ、その調査・視察結果が保存されるものでなければならない(5 年間)。
今後は、必要事項の記載漏れを無くし、内容の充実と書き方の統一を図るため調査・視察報告書のひな形(テンプレート)を作成しておくのも一策である。また、調査・視察報告書は、実務上、議長に提出するだけでなく、その状況や市政への提言などを市民にも知らせるため、広報紙発行の際はその旨、報告すべきである。
なお、調査・視察においては、「安易に現地を訪れるのではなく、その必要性を厳密に検討し、パンフレットの取り寄せや文書による問い合わせなどで調査目的が達成されるならば、それによるべきである」(H19.2.9札幌高裁判決)ことに留意すべきである。
・半田市議会の「政務活動費成果届書」様式
届出者○使途項目 調査研究・研修・広報・資料作成・資料購入
○ タイトル
○ 目的(計画書の目的欄をそのまま記載)
○ 結果(目的は達成できたか。予想と外れた場合はその旨も記載)
○ 提言(半田市に対して、何を同活用できるか)
○ その他(その他特記事項があれば記載。目的とは別内容も可
政務活動費の使用問題解消への提言
1、那覇市議会政活費 透明性高ためる努力 琉球新報社説29,2,20
「適正使用はもとより、実効性がなければ,政活費は意味を成なさない。議員は、政活費を活用して得た成果を地域に還元する責務がある。」
2 江藤俊昭 公明新聞29,4,12 [庶民目線で議会動かす 政活費 ネット公開の意義大きい 山梨学院大学 江藤俊昭教授に聞く]
「政活費を「何に使った」という活動指標の公開だけでなく、「何の目的で使い、どんな成果につなげたか、」という成果指標も明らかにしていく必要がある。新たなルールを検討できないだろか。」
3 政務活動費の本当の問題は、「政策立案ということでは、全然成果を上げていないではないか」ということまで糾弾が及ぶのでなければ、この問題は終わらない。浅野史郎「政務活動費の成果」ガバナンス 28,12
4、河村和徳東北大大学院教授 (解釈が分かれるクレーゾーンを精査する必要がある。政活費を県民に還元させる視点を求められる。)(28,12,21河北新報)
5 地方議会への信頼確保に向けて -政務活動費の不正受給事案からー 天地恭子〔参議院常任員会調査室・特別調査室〕立法と調査 20017,4 NO387
「政務活動費が適正に使用されているかどうかのみならず、政務活動費の活用によって、成果についても検証されるべきである。政務活動費によって、政策立案や議員活動の説明が充実したか、住民意思を踏まえ」
6 政務活動費に対する市民の不信感にどう対処するか 全国市民オンブズマン連絡会事務局長 新海聡 「(議員NAVI)29,1,13
・「実際に議会活動にどのように役立てたかを問わない、という現状の制度にメスを入れる必要がある。」
・「議員が政務活動費の支出とこれを用いた議会活動の成果との関連がわかるよう工夫した詳細な報告書を作成し、それを市民に伝える努力を行うことが肝要ではないだろうか」
https://blogs.yahoo.co.jp/miyazawaakio1630/70294922.html
https://gikaikaikakukawaguchi.blogspot.com/2017/10/blog-post_26.html視察報告書の改善〔政務活動費〕を〔栃木・矢板市議会へ)