安来市議会は25日、定例会の会期を1年間とする「通年議会」の導入を盛り込んだ市議会基本条例案を可決した。議会開催までの時間が短縮されるため、災害対応に必要な補正予算案などで素早い審議が可能になる。同市によると県内で、通年議会の導入は初めてで、2年以内に施行される予定。
議会改革の一環で、昨年9月から、同市議会運営委員会などが検討を続けていた。同市議会では現在、3、6、9、12月の年4回の定例会を開き、閉会中は必要に応じて臨時会を開催している。
ただ臨時会は、招集から開催まで約1週間かかるため、緊急の場合は、議会の承認を後回しにする市長の専決処分が行われてきた。通年議会では、1年間の会期中、市長が招集すれば、議長の判断で随時議会が開催できるため、専決処分を減らすことで、議会のチェック機能が高まるとされる。
一方、導入による負担増を懸念する声もある。2012年度に通年議会を導入した長崎県議会は、県議や県職員の負担増などを理由に、2年で廃止した。
近藤宏樹市長は議会閉会後、導入の目的は「行政サービスの向上」と説明。「一般の行政サービスに支障が出ないよう、通年議会を行っているところを研究し、対応していきたい」と話した。市議会はこのほか、10月に東京・浅草寺で行う安来節公演の事業費250万円などを含む、2億3400万円の2017年度一般会計補正予算案など33議案を可決・同意・採択し、閉会した。
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