<江東区議のブログより>
皆様、こんばんは。
明日からは衆議院選挙となりますが、江東区議会は明日の公示日を除き、16日まで常任委員会、特別委員会が行われます。
先日行なった決算審査の質問について、豊洲地区を中心としたマンションの管理組合や住民のみなさんからご要望の多い、「民泊問題」についての質疑をまとめたものをご報告いたします。
民泊については2年前の決算審査特別委員会から毎回取り上げており、本定例会中に行なった一般質問、決算審査の質問を合わせると4回目の質問となります。
法制度が刻々と変わっていき、住民の方々のご相談内容も深刻化しているので、毎回最新の情勢を確認しながらの質問になっています。
今回の質問のポイントは、
☆住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)の施行により、これまでと大きく変わる部分、新たに生じる課題は何か?区としては違法民泊への取締は強化できるのか?
☆違法ではない、国際交流を目的とした一般民家を使ったホスト型の民泊などに関する区の考えは?(観光推進や区のPRにつながるという側面)
となります。
長文になりますが、新法に関する区の対応など、現状で課題となっている部分を総括的に質問しましたので、ご覧いただけると幸いです。
【質問】
私からは民泊について伺います。
東京オリンピックを3年後に控え、宿泊施設の不足を解消するため、本区では新たなホテル建設も進んでおります。一方でマンションの一室などをAirbnbなどの民泊仲介サイトを通じた民泊が依然として問題となっており、近隣住民の安全の確保や生活衛生を維持していくための更なる体制強化が求められていることは一般質問の際にもお話しました。
事前に確認しましたところ、平成26年度は民泊に関する相談が14件、苦情が1件だったものが、平成28年度には相談138件、苦情60件というように、かなり増えていることがわかりました。
このような状況の中、住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)が今年の6月に成立し、1年以内に施行され、民泊が全国で解禁となる見込みとなっており、違法民泊に悩んでいる地域住民の方からは、新法の施行で、民泊を取り巻く状況はどう変わるのか、よく質問を伺います。
そこで質問です。
①住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)の施行により、これまでと大きく変わる部分、新たに生じる課題は何でしょうか?
②また、今回の一般質問の際、住宅宿泊事業法に基づいた対応を進めていくため、「副区長をトップとする住宅宿泊事業法に関する検討委員会を設置し、方針や課題、対応等につき、全面的に検討を重ね、都と協議を行う」と答弁頂きましたが、検討委員会の詳細について伺います。
【答弁①】
住宅宿泊事業法では、事業を行おうとするものは届け出が必要となりますので、現在どこで誰がやっているかわからないという状況が、届け出によって把握できるようになります。また、事業者への義務付けとして、標識の設置、届け出住宅周辺からの苦情への対応、行政への定期報告などが課せられるようになります。新たな課題としては、これらの義務付けをどのように実行させていくのかという点になります。
【答弁②】
住宅宿泊事業法検討委員会は、海老澤副区長を委員長に、政策経営部長、総務部長、地域振興部長、健康部長、都市整備部長を委員にしています。目的は、住宅宿泊事業に関し、本区における方針や課題について検討を行うためです。具体的には条例による住宅宿泊事業法の制限の実施をどのように行なっていくのかということが主な事項となり、最終的には条例の反映を考えています。
【コメント】
区民意見を反映し、課題解決につながる検討会となることを期待しています。
③マンションの管理組合の方からは、違法民泊への対応を強化すべきだという声が強い。現在の保健所、生活衛生課の人員で、体制強化は可能なのか?
住宅宿泊事業法施行後、警察との連携などはどのくらい強化される?
管理規約に書かれているにもかかわらず営業している違法民泊に対しての対応は強化されるのか?伺います。
【答弁③】
住宅宿泊事業法に基づく届け出により、事業者を把握できるようになります。届け出に添付する書類には、住宅が区分所有建物である場合、つまり分譲マンションである場合には、マンション管理規約で住宅宿泊事業が禁止されていない旨が必要になります。また、届け出をせずに、事業を行うものは、従前どおり、旅館業法の違反にも該当いたします。本区においては住宅宿泊事業法にもとづき立ち入り、指導も可能となりますので、事業者を繰り返し指導するとともに、警察にも情報を提供し、告発も視野に入れながら連携して対応してまいります。
【コメント】
警察などとも連携して、体制を強化していただけるということでありがとうございます。保健所の人員については答弁はありませんでしたが、体制強化のためには人員増の対応も必要であると思いますので、要望させて頂きます。
④マンション標準管理規約の改正についての周知について
住宅宿泊事業法で、民泊の届け出をする場合は、分譲マンションであれば、管理規約で禁止されていない旨を確認することとされる見込みです。
国土交通省の標準管理規約の雛形も提示され、分譲マンションで民泊を認める場合と認めない場合を明確化し、それぞれのマンションの管理規約に定めるよう推奨することとなった。区としてどのようにこの管理規約の変更について周知していくのか。
区として、どのように周知支援していくか見解と方針を伺います。
【答弁④】
国による、マンション標準管理規約の改正では、住宅宿泊事業法の成立を踏まえ、事業をめぐるトラブル防止の為、事業に関する管理規約の例文を示しています。本区においては、9月26日からホームページに掲載を開始し、周知をはじめました。また10月21日号の区報にも、掲載する予定です。そして、内容や時期についてはこれからとなりますが、区で把握しているマンション管理組合1000件へ今後お知らせすることも検討しております。また、区民から問い合わせがあった場合は、住宅課で丁寧に対応してまいります。
【コメント】
マンション管理組合へのお知らせ、状況確認等はぜひ積極的にやっていただきたい。ホームページや区報の掲載だけでは、「見てない」「知らなかった」ということも多いと思いますので、しっかりとした対応をお願いいたします。
区民からの問い合わせに住宅課が丁寧に対応するとのことでしたので、緊密な連携をぜひお願い致します。
☆参考:民泊新法に伴うマンション管理規約の改正について
☆参考:住宅宿泊事業に伴うマンション標準規約の改正の概要について(国土交通省資料)
⑤民泊に関しては、これまで質疑してきた違法民泊への断固とした対応が求められる一方で、外国人観光客向けのインバウンドに対応する側面もあります。
また、高齢者夫婦の住む一般住宅などでは、同居していたお子さんが成長され、部屋があいているため、近隣に配慮を行った上で、ホストとして外国人観光客を迎え入れたいといった声も私は聞いています。
8月25日付の都政新報の特集記事の中で、「住宅宿泊事業法に対する各区」の評価」というアンケート結果が紹介されていました。民泊については「近隣住民へのトラブル増加を懸念」と答えた区が21区ある一方で、「観光振興に有効だ」「空き家対策など既存ストックの利活用に有効」と答えた区も各7区ありました。大田区のように民泊特区を制定し、観光推進を図る区もあり、近隣住民や生活衛生に配慮した上で、分譲マンションではない空き住宅や店舗などを活用して観光推進を図る、という区も存在するのは事実です。
オリンピックに向けてインバウンド推進の動きが広がる中、民泊をどのように活用して、江東区をどのようにPRしていくかについて伺います。
【答弁⑤】
民泊活用による区のPRについてですが、区内宿泊施設の稼働状況を見ると、公表されていて、把握できる範囲では概ね7割から8割程度であると認識しております。また、今後新たなホテル建設計画もあると聞いておりますので、本区を訪れた観光客は、民泊施設を利用しなくても本区の観光を楽しんでもらえるものと見込んでおります。
一方で、その地域の方と同じ環境のもと、暮らすように過ごしたいと望まれる方もいると認識しております。
そうしたニーズを持った方々が、民泊を通して、本区ならではの文化などを体験し、その情報が、SNSなどのツールによって発信されることになれば、本区のPRにもつながると考えております。
いわゆる民泊は、地域への十分な配慮のもと、区民の安心、安全が確保された適切な運営が行われることが大前提と考えておりますので、現在検討中の本区の方針に従い、本区のPRにどうつなげていくか、今後考えてまいります。
【コメント】
民泊には、近隣住民への配慮と観光推進という2つの側面があります。本区として民泊への対応についてしっかりと検討いただくことを要望して、質問を終わります。
☆☆☆
質問の様子については、江東区議会インターネット中継に録画動画がアップされる予定です。
☆江東区議会 インターネット中継 鈴木綾子 のページ
「平成29年第3回定例会 決算審査特別委員会」の部分に掲載される予定です。
皆様、こんばんは。
明日からは衆議院選挙となりますが、江東区議会は明日の公示日を除き、16日まで常任委員会、特別委員会が行われます。
先日行なった決算審査の質問について、豊洲地区を中心としたマンションの管理組合や住民のみなさんからご要望の多い、「民泊問題」についての質疑をまとめたものをご報告いたします。
民泊については2年前の決算審査特別委員会から毎回取り上げており、本定例会中に行なった一般質問、決算審査の質問を合わせると4回目の質問となります。
法制度が刻々と変わっていき、住民の方々のご相談内容も深刻化しているので、毎回最新の情勢を確認しながらの質問になっています。
今回の質問のポイントは、
☆住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)の施行により、これまでと大きく変わる部分、新たに生じる課題は何か?区としては違法民泊への取締は強化できるのか?
☆違法ではない、国際交流を目的とした一般民家を使ったホスト型の民泊などに関する区の考えは?(観光推進や区のPRにつながるという側面)
となります。
長文になりますが、新法に関する区の対応など、現状で課題となっている部分を総括的に質問しましたので、ご覧いただけると幸いです。
【質問】
私からは民泊について伺います。
東京オリンピックを3年後に控え、宿泊施設の不足を解消するため、本区では新たなホテル建設も進んでおります。一方でマンションの一室などをAirbnbなどの民泊仲介サイトを通じた民泊が依然として問題となっており、近隣住民の安全の確保や生活衛生を維持していくための更なる体制強化が求められていることは一般質問の際にもお話しました。
事前に確認しましたところ、平成26年度は民泊に関する相談が14件、苦情が1件だったものが、平成28年度には相談138件、苦情60件というように、かなり増えていることがわかりました。
このような状況の中、住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)が今年の6月に成立し、1年以内に施行され、民泊が全国で解禁となる見込みとなっており、違法民泊に悩んでいる地域住民の方からは、新法の施行で、民泊を取り巻く状況はどう変わるのか、よく質問を伺います。
そこで質問です。
①住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)の施行により、これまでと大きく変わる部分、新たに生じる課題は何でしょうか?
②また、今回の一般質問の際、住宅宿泊事業法に基づいた対応を進めていくため、「副区長をトップとする住宅宿泊事業法に関する検討委員会を設置し、方針や課題、対応等につき、全面的に検討を重ね、都と協議を行う」と答弁頂きましたが、検討委員会の詳細について伺います。
【答弁①】
住宅宿泊事業法では、事業を行おうとするものは届け出が必要となりますので、現在どこで誰がやっているかわからないという状況が、届け出によって把握できるようになります。また、事業者への義務付けとして、標識の設置、届け出住宅周辺からの苦情への対応、行政への定期報告などが課せられるようになります。新たな課題としては、これらの義務付けをどのように実行させていくのかという点になります。
【答弁②】
住宅宿泊事業法検討委員会は、海老澤副区長を委員長に、政策経営部長、総務部長、地域振興部長、健康部長、都市整備部長を委員にしています。目的は、住宅宿泊事業に関し、本区における方針や課題について検討を行うためです。具体的には条例による住宅宿泊事業法の制限の実施をどのように行なっていくのかということが主な事項となり、最終的には条例の反映を考えています。
【コメント】
区民意見を反映し、課題解決につながる検討会となることを期待しています。
③マンションの管理組合の方からは、違法民泊への対応を強化すべきだという声が強い。現在の保健所、生活衛生課の人員で、体制強化は可能なのか?
住宅宿泊事業法施行後、警察との連携などはどのくらい強化される?
管理規約に書かれているにもかかわらず営業している違法民泊に対しての対応は強化されるのか?伺います。
【答弁③】
住宅宿泊事業法に基づく届け出により、事業者を把握できるようになります。届け出に添付する書類には、住宅が区分所有建物である場合、つまり分譲マンションである場合には、マンション管理規約で住宅宿泊事業が禁止されていない旨が必要になります。また、届け出をせずに、事業を行うものは、従前どおり、旅館業法の違反にも該当いたします。本区においては住宅宿泊事業法にもとづき立ち入り、指導も可能となりますので、事業者を繰り返し指導するとともに、警察にも情報を提供し、告発も視野に入れながら連携して対応してまいります。
【コメント】
警察などとも連携して、体制を強化していただけるということでありがとうございます。保健所の人員については答弁はありませんでしたが、体制強化のためには人員増の対応も必要であると思いますので、要望させて頂きます。
④マンション標準管理規約の改正についての周知について
住宅宿泊事業法で、民泊の届け出をする場合は、分譲マンションであれば、管理規約で禁止されていない旨を確認することとされる見込みです。
国土交通省の標準管理規約の雛形も提示され、分譲マンションで民泊を認める場合と認めない場合を明確化し、それぞれのマンションの管理規約に定めるよう推奨することとなった。区としてどのようにこの管理規約の変更について周知していくのか。
区として、どのように周知支援していくか見解と方針を伺います。
【答弁④】
国による、マンション標準管理規約の改正では、住宅宿泊事業法の成立を踏まえ、事業をめぐるトラブル防止の為、事業に関する管理規約の例文を示しています。本区においては、9月26日からホームページに掲載を開始し、周知をはじめました。また10月21日号の区報にも、掲載する予定です。そして、内容や時期についてはこれからとなりますが、区で把握しているマンション管理組合1000件へ今後お知らせすることも検討しております。また、区民から問い合わせがあった場合は、住宅課で丁寧に対応してまいります。
【コメント】
マンション管理組合へのお知らせ、状況確認等はぜひ積極的にやっていただきたい。ホームページや区報の掲載だけでは、「見てない」「知らなかった」ということも多いと思いますので、しっかりとした対応をお願いいたします。
区民からの問い合わせに住宅課が丁寧に対応するとのことでしたので、緊密な連携をぜひお願い致します。
☆参考:民泊新法に伴うマンション管理規約の改正について
☆参考:住宅宿泊事業に伴うマンション標準規約の改正の概要について(国土交通省資料)
⑤民泊に関しては、これまで質疑してきた違法民泊への断固とした対応が求められる一方で、外国人観光客向けのインバウンドに対応する側面もあります。
また、高齢者夫婦の住む一般住宅などでは、同居していたお子さんが成長され、部屋があいているため、近隣に配慮を行った上で、ホストとして外国人観光客を迎え入れたいといった声も私は聞いています。
8月25日付の都政新報の特集記事の中で、「住宅宿泊事業法に対する各区」の評価」というアンケート結果が紹介されていました。民泊については「近隣住民へのトラブル増加を懸念」と答えた区が21区ある一方で、「観光振興に有効だ」「空き家対策など既存ストックの利活用に有効」と答えた区も各7区ありました。大田区のように民泊特区を制定し、観光推進を図る区もあり、近隣住民や生活衛生に配慮した上で、分譲マンションではない空き住宅や店舗などを活用して観光推進を図る、という区も存在するのは事実です。
オリンピックに向けてインバウンド推進の動きが広がる中、民泊をどのように活用して、江東区をどのようにPRしていくかについて伺います。
【答弁⑤】
民泊活用による区のPRについてですが、区内宿泊施設の稼働状況を見ると、公表されていて、把握できる範囲では概ね7割から8割程度であると認識しております。また、今後新たなホテル建設計画もあると聞いておりますので、本区を訪れた観光客は、民泊施設を利用しなくても本区の観光を楽しんでもらえるものと見込んでおります。
一方で、その地域の方と同じ環境のもと、暮らすように過ごしたいと望まれる方もいると認識しております。
そうしたニーズを持った方々が、民泊を通して、本区ならではの文化などを体験し、その情報が、SNSなどのツールによって発信されることになれば、本区のPRにもつながると考えております。
いわゆる民泊は、地域への十分な配慮のもと、区民の安心、安全が確保された適切な運営が行われることが大前提と考えておりますので、現在検討中の本区の方針に従い、本区のPRにどうつなげていくか、今後考えてまいります。
【コメント】
民泊には、近隣住民への配慮と観光推進という2つの側面があります。本区として民泊への対応についてしっかりと検討いただくことを要望して、質問を終わります。
☆☆☆
質問の様子については、江東区議会インターネット中継に録画動画がアップされる予定です。
☆江東区議会 インターネット中継 鈴木綾子 のページ
「平成29年第3回定例会 決算審査特別委員会」の部分に掲載される予定です。
皆様、こんばんは。
明日からは衆議院選挙となりますが、江東区議会は明日の公示日を除き、16日まで常任委員会、特別委員会が行われます。
先日行なった決算審査の質問について、豊洲地区を中心としたマンションの管理組合や住民のみなさんからご要望の多い、「民泊問題」についての質疑をまとめたものをご報告いたします。
民泊については2年前の決算審査特別委員会から毎回取り上げており、本定例会中に行なった一般質問、決算審査の質問を合わせると4回目の質問となります。
法制度が刻々と変わっていき、住民の方々のご相談内容も深刻化しているので、毎回最新の情勢を確認しながらの質問になっています。
今回の質問のポイントは、
☆住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)の施行により、これまでと大きく変わる部分、新たに生じる課題は何か?区としては違法民泊への取締は強化できるのか?
☆違法ではない、国際交流を目的とした一般民家を使ったホスト型の民泊などに関する区の考えは?(観光推進や区のPRにつながるという側面)
となります。
長文になりますが、新法に関する区の対応など、現状で課題となっている部分を総括的に質問しましたので、ご覧いただけると幸いです。
【質問】
私からは民泊について伺います。
東京オリンピックを3年後に控え、宿泊施設の不足を解消するため、本区では新たなホテル建設も進んでおります。一方でマンションの一室などをAirbnbなどの民泊仲介サイトを通じた民泊が依然として問題となっており、近隣住民の安全の確保や生活衛生を維持していくための更なる体制強化が求められていることは一般質問の際にもお話しました。
事前に確認しましたところ、平成26年度は民泊に関する相談が14件、苦情が1件だったものが、平成28年度には相談138件、苦情60件というように、かなり増えていることがわかりました。
このような状況の中、住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)が今年の6月に成立し、1年以内に施行され、民泊が全国で解禁となる見込みとなっており、違法民泊に悩んでいる地域住民の方からは、新法の施行で、民泊を取り巻く状況はどう変わるのか、よく質問を伺います。
そこで質問です。
①住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)の施行により、これまでと大きく変わる部分、新たに生じる課題は何でしょうか?
②また、今回の一般質問の際、住宅宿泊事業法に基づいた対応を進めていくため、「副区長をトップとする住宅宿泊事業法に関する検討委員会を設置し、方針や課題、対応等につき、全面的に検討を重ね、都と協議を行う」と答弁頂きましたが、検討委員会の詳細について伺います。
【答弁①】
住宅宿泊事業法では、事業を行おうとするものは届け出が必要となりますので、現在どこで誰がやっているかわからないという状況が、届け出によって把握できるようになります。また、事業者への義務付けとして、標識の設置、届け出住宅周辺からの苦情への対応、行政への定期報告などが課せられるようになります。新たな課題としては、これらの義務付けをどのように実行させていくのかという点になります。
【答弁②】
住宅宿泊事業法検討委員会は、海老澤副区長を委員長に、政策経営部長、総務部長、地域振興部長、健康部長、都市整備部長を委員にしています。目的は、住宅宿泊事業に関し、本区における方針や課題について検討を行うためです。具体的には条例による住宅宿泊事業法の制限の実施をどのように行なっていくのかということが主な事項となり、最終的には条例の反映を考えています。
【コメント】
区民意見を反映し、課題解決につながる検討会となることを期待しています。
③マンションの管理組合の方からは、違法民泊への対応を強化すべきだという声が強い。現在の保健所、生活衛生課の人員で、体制強化は可能なのか?
住宅宿泊事業法施行後、警察との連携などはどのくらい強化される?
管理規約に書かれているにもかかわらず営業している違法民泊に対しての対応は強化されるのか?伺います。
【答弁③】
住宅宿泊事業法に基づく届け出により、事業者を把握できるようになります。届け出に添付する書類には、住宅が区分所有建物である場合、つまり分譲マンションである場合には、マンション管理規約で住宅宿泊事業が禁止されていない旨が必要になります。また、届け出をせずに、事業を行うものは、従前どおり、旅館業法の違反にも該当いたします。本区においては住宅宿泊事業法にもとづき立ち入り、指導も可能となりますので、事業者を繰り返し指導するとともに、警察にも情報を提供し、告発も視野に入れながら連携して対応してまいります。
【コメント】
警察などとも連携して、体制を強化していただけるということでありがとうございます。保健所の人員については答弁はありませんでしたが、体制強化のためには人員増の対応も必要であると思いますので、要望させて頂きます。
④マンション標準管理規約の改正についての周知について
住宅宿泊事業法で、民泊の届け出をする場合は、分譲マンションであれば、管理規約で禁止されていない旨を確認することとされる見込みです。
国土交通省の標準管理規約の雛形も提示され、分譲マンションで民泊を認める場合と認めない場合を明確化し、それぞれのマンションの管理規約に定めるよう推奨することとなった。区としてどのようにこの管理規約の変更について周知していくのか。
区として、どのように周知支援していくか見解と方針を伺います。
【答弁④】
国による、マンション標準管理規約の改正では、住宅宿泊事業法の成立を踏まえ、事業をめぐるトラブル防止の為、事業に関する管理規約の例文を示しています。本区においては、9月26日からホームページに掲載を開始し、周知をはじめました。また10月21日号の区報にも、掲載する予定です。そして、内容や時期についてはこれからとなりますが、区で把握しているマンション管理組合1000件へ今後お知らせすることも検討しております。また、区民から問い合わせがあった場合は、住宅課で丁寧に対応してまいります。
【コメント】
マンション管理組合へのお知らせ、状況確認等はぜひ積極的にやっていただきたい。ホームページや区報の掲載だけでは、「見てない」「知らなかった」ということも多いと思いますので、しっかりとした対応をお願いいたします。
区民からの問い合わせに住宅課が丁寧に対応するとのことでしたので、緊密な連携をぜひお願い致します。
☆参考:民泊新法に伴うマンション管理規約の改正について
☆参考:住宅宿泊事業に伴うマンション標準規約の改正の概要について(国土交通省資料)
⑤民泊に関しては、これまで質疑してきた違法民泊への断固とした対応が求められる一方で、外国人観光客向けのインバウンドに対応する側面もあります。
また、高齢者夫婦の住む一般住宅などでは、同居していたお子さんが成長され、部屋があいているため、近隣に配慮を行った上で、ホストとして外国人観光客を迎え入れたいといった声も私は聞いています。
8月25日付の都政新報の特集記事の中で、「住宅宿泊事業法に対する各区」の評価」というアンケート結果が紹介されていました。民泊については「近隣住民へのトラブル増加を懸念」と答えた区が21区ある一方で、「観光振興に有効だ」「空き家対策など既存ストックの利活用に有効」と答えた区も各7区ありました。大田区のように民泊特区を制定し、観光推進を図る区もあり、近隣住民や生活衛生に配慮した上で、分譲マンションではない空き住宅や店舗などを活用して観光推進を図る、という区も存在するのは事実です。
オリンピックに向けてインバウンド推進の動きが広がる中、民泊をどのように活用して、江東区をどのようにPRしていくかについて伺います。
【答弁⑤】
民泊活用による区のPRについてですが、区内宿泊施設の稼働状況を見ると、公表されていて、把握できる範囲では概ね7割から8割程度であると認識しております。また、今後新たなホテル建設計画もあると聞いておりますので、本区を訪れた観光客は、民泊施設を利用しなくても本区の観光を楽しんでもらえるものと見込んでおります。
一方で、その地域の方と同じ環境のもと、暮らすように過ごしたいと望まれる方もいると認識しております。
そうしたニーズを持った方々が、民泊を通して、本区ならではの文化などを体験し、その情報が、SNSなどのツールによって発信されることになれば、本区のPRにもつながると考えております。
いわゆる民泊は、地域への十分な配慮のもと、区民の安心、安全が確保された適切な運営が行われることが大前提と考えておりますので、現在検討中の本区の方針に従い、本区のPRにどうつなげていくか、今後考えてまいります。
【コメント】
民泊には、近隣住民への配慮と観光推進という2つの側面があります。本区として民泊への対応についてしっかりと検討いただくことを要望して、質問を終わります。
☆☆☆
質問の様子については、江東区議会インターネット中継に録画動画がアップされる予定です。
☆江東区議会 インターネット中継 鈴木綾子 のページ
「平成29年第3回定例会 決算審査特別委員会」の部分に掲載される予定です。
http://www.suzukiayako.com/archives/52305833.html
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