<YOMIURI ONLINEより>
22日に投開票が行われた衆院選で、山形県の小選挙区の投票率は64・07%と、全国平均(53・68%)を10・39ポイント上回り、47都道府県で1位だった。
全国トップは戦後3回目、1996年に小選挙区制が導入されて以降は初めて。県選挙管理委員会は「急な解散で準備期間が短かったものの、地道に取り組んできた『18歳選挙権』や『期日前投票』などを啓発する活動が奏功した」と分析している。
前回2014年衆院選の投票率は59・15%で、島根県(59・24%)、山梨県(59・18%)に次いで全国で3番目に高かったが、過去最低だった。今回の64・07%も2番目の低さだが、県内35市町村全てで14年の前回選の投票率を上回り、全国トップに輝いた。全国トップは1952年、53年に続いて3回目という。
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県選管は軒並み数字が上回った要因の一つとして、期日前投票が浸透してきた点を挙げる。
期日前投票者数は、18万6724人(男性8万6848人、女性9万9876人)。2014年の前回選(13万2945人)の約1・4倍となり、全市町村で前回を上回った。全投票者に占める割合は前回の約24%から約31%に伸びた。
急な解散だったが、期日前投票所は前回選の54か所から、8か所増やして62か所を確保。選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられて初めて実施された16年の参院選時に病院や大学、大型商業施設などに設置した投票所を今回も確保することができた。
衆院選では初の「18歳選挙権」ということもあり、若者へ投票を呼び掛ける啓発活動にも積極的に取り組んだ。「“今”が“未来”につながる。」と銘打ち、「1日選挙管理高校生委員長」に高校生を任命して活動の「旗振り役」としたり、大学の文化祭やオープンキャンパスで学生ボランティアと協力してチラシを配布したりした。
県選管の熊谷誠委員長は「小選挙区制が導入されて初めて全国トップとなり、とても光栄。関係機関と地道に取り組んできた啓発が一定程度浸透してきた」と喜んだ。今後、年齢別の投票率を詳細に分析するなどして、今後の啓発につなげるという。
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また投票率が上がっただけでなく、全国トップとなったことについて、選挙活動に詳しい東北大の河村和徳准教授(政治学)は「参院選や鶴岡市長選で自民党の公認・推薦候補が相次いで敗北し、危機感を抱いた自民支持層の選挙活動が活発化したとみられる。野党候補が一本化されて接戦が見込まれれば、さらに投票率が上昇した可能性もある」と分析する。
だが、投票率自体は一貫して低下傾向にある。また、投票日当日の投票所は前回14年の822か所から797か所に減少。人口減や学校の統廃合などにより投票所が集約されているという。
河村准教授は「中山間部の有権者の投票環境維持が今後の課題。島根県浜田市が初めて導入したワゴン車による『移動期日前投票所』のような支援も検討すべきだ」としている。
http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/20171026-OYT1T50062.html
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