2015年7月31日金曜日

貧弱な議会事務局体制

<三鷹市議のブログより>

実際に議会の場で、地方議員は何をするかというと、質問をすることと、首長提出議案を審議することの2つがあります。

さらに、本来的には立法機能を有する以上は、条例提案をするはずです。ところが、なかなかこういう例はありません。この現象を表面的に捉えて、地方議会は仕事をしていないという批判すらあります。

ご批判を承知で最初に結論を書きましょう。

議員提出の条例案審議は実際には不可能とみてもらって構いません。その大きな原因として、スタッフ機能の欠落があります。

お住いの自治体の議会に一度足を運んでみてください。議会事務局という部屋があります。ここが地方議員の面倒をみるところだと考えてもらって構いません。

さて、そこの人数を数えてみましょう。

「あれ?なんでこんなに少ないの?」と思うことでしょう。三鷹市議会の例で言いますと、20名弱くらいですかねぇ。人口18万人の自治体でこういう状況なのです。

一方、首長側はどうでしょうか。50倍近くの職員がいるわけです。

これで勝負になると思います?

さらに、議会事務局の職員さんは、当該自治体の人事異動で来るわけです。人事異動の一環となると、首長に権限があるわけです。一般論として、こういう現状がある以上、そこの職員さんがどうしても首長サイドの考え方で物事を進めてしまうのは無理もありませんね。

もっと書きましょうか。仮に条例案を作成したとしても、それが議案審議に耐えうるものか否か、やはり事前に調べておく必要があるわけですが、それを議会事務局に頼んだとしても、議会事務局側は法務スタッフがいない以上、首長側の政策法務担当に聞いたりすることも十分に考えられるのです。

議員提出議案がほとんどないじゃないか!とお怒りになるのも無理もありませんが、以上のような状況でまともに地方議会側で条例案を作成したりできるわけがないのです。こんな状況で二元代表制云々言われてもねぇ。。私に言わせれば、もっと現実を見ましょうね、で終わりです。

具体的には法改正など必要になるでしょうが、議会事務局職員は首長サイドから完全に独立した存在でなければならないと私は考えています。そういう専門機関のようなものがあり、その機関の運営には各自治体がお金を出し合って運営するというのが理想ですね。人事もお金も首長に関係がなく、しかも人数的にも充実したスタッフということがないと、二元代表制は形のみで、実態がないことになりますね。

議員側も、うかつに議会事務局職員を信用して本心を話せないという愚痴すら聞こえてきます。無理もないですね。人事もお金も首長側に握られて、しかも人数も貧弱なのですから。

議会事務局体制が貧弱であるということ、実質的にすべてを首長側に握られているという側面は否定できないこと…これらは大変大きな問題ではないかと考えています。地方議会レベルで、国会と同じような機能を期待することそのものにかなり無茶があるのです。

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