全国の地方議会の「議会改革度」を調べている早稲田大マニフェスト研究所が、2014年のランキングを発表した。改革が最も進んでいたのは北海道芽室(めむろ)町議会で、町議会で初めての1位となった。 (木谷孝洋)
上位には三重県四日市市議会や岐阜県高山市議会、三重県議会など常連組が続いたほか、岐阜県可児市議会が大きく順位を上げた。
調査は一〇年に始まり五回目。全国の千七百八十九議会を対象にインターネットを通じて実施し、今回は84%にあたる千五百三議会から回答を得た。質問は「情報公開」「住民参加」「機能強化」の三分野にわたる七十三項目で、今回から「改革の検証を行っているか」など改革の進捗(しんちょく)状況を尋ねる質問も加えた。
前年の百二位から大きく順位を上げた芽室町議会は、地方自治の専門家でつくる議会サポーター制度の導入や北海道大との連携など、議会運営に外部の視点を取り入れる取り組みが評価された。
可児市議会は、前年の百四十三位から十二位に入った。高校生と議員が地域の課題を話し合う「高校生議会」の開催や、フェイスブックなどの情報通信技術(ICT)を活用した情報発信が高評価につながった。
一方、東京都議会や二十三区議会は総じて低く、新宿区と板橋区を除いて上位三百位以内に入らなかった。都議会は議会報告会を年に一度も開いていないことなどが響いた。同研究所の青木佑一事務局次長は「都や二十三区では予算や人員に余裕がありながらも旧態依然とした議会が目立つ。有権者の関心も薄く、議会との距離がある」と分析する。
四月の統一地方選では、なり手不足や有権者の関心の低さが浮き彫りとなった。青木氏は「改革を進め、住民に発信することが議会の魅力向上と担い手の発掘につながるはずだ」と話す。
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