<月刊ガバナンス9月号より>
磯崎初仁・中央大学教授の寄稿を一部紹介します。詳しくは月刊ガバナンス9月号にてご確認ください。
執行機関にとって議会はやっかいな存在である。しかし、政策的な代替案を示せない議会は、うるさい管理人ではあっても、手ごわいライバルではない。議会が政策形成能力を高めることが、首長と議会に緊張関係をもたらし、二元代表制を機能させるための条件になる。二元代表制は利用する側が経験値を上げ、不断に制度を見直していく必要がある。
~わざわざ二つの代表機関を設けているのは、それぞれのデモクラシーに違いがあるためと考えられる。独任制である首長には、分裂しがちな住民意思を統合し、必要な政策を積極的に推進する「リーダーシップ型デモクラシー」を期待する一方で、合議制である議会には、多様な住民意思をきめ細かく反映させ、公開の場における討議によって合意形成を図る「熟議型デモクラシー」を期待しているのではないか。この異なるタイプのデモクラシーが「車の両輪」となることによって、全体として自治体の民主的かつ効果的な運営を実現しようとしているのである。~
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