<河北新報より>
宮城県柴田町議会が議会改革に取り組んでいる。少人数で茶話会のように話し合うワールドカフェ(WC)方式を住民や議員間の意見交換に取り入れたのが主な柱だ。早大マニフェスト研究所が実施した議会改革度調査2017では、東北6県の町村議会でトップの評価を受けた。
「仙台のように人の出入りのある町にしたい」「海外の人をもっと呼び込もう」。10日、柴田町の柴田高であった懇談会。3年生と議員、町職員計約70人が4、5人でテーブルを囲み、飲み物を片手に地域の将来像を語り合った。
全員が平等に発言することや相手の話を否定しないことが決まり。議員たちは笑顔で生徒の話にうなずき、議論をリードした。
町議会が柴田高でWC方式による懇談会を開くのは3年目。高橋たい子議長は「このやり方だと高校生も積極的に話してくれる」と手応えを語る。
WC方式の導入は、既に取り入れていた久慈市議会が16年2月に視察で柴田町議会を訪れた際、意見交換したのがきっかけ。
従来の住民との懇談会では、出席者から「道路を直して」や「議員報酬が高い」といった陳情や苦情の声が多く、互いに満足できる話し合いにはなりにくかった。WC方式は相手の意見に耳を傾けることで議論が前向きになりやすいという。
町議会は昨年12月、町が計画する総合体育館の新築を巡る議員間の話し合いにもWC方式を取り入れた。70項目近くの疑問点を洗い出し、きめ細かい議論につなげた。情報公開にも力を入れ、今年4月、政務活動費の収支報告書と領収書の公開を町のホームページで始めた。
議会改革度調査2017によると、柴田町議会は都道府県や市など全国の議会で65位。東北では会津若松、北上、登米の3市と宮城県に次いで5位で、町村議会では1位だった。
早大マニフェスト研メンバーで、青森中央学院大の佐藤淳准教授(政治学)は「対話で論点を整理した後に討議し、話し合いの質が高まった。全国的にもあまりない試みだ」と評価。「対話によって住民から意見を聞き、議員間の議論で政策にまとめ上げ、町当局に提案するサイクルにつなげてほしい」と期待する。
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201807/20180722_11022.html
0 件のコメント:
コメントを投稿