これら会派は、みな同じ活動をするかといえば、そうではありません。大きく、交渉会派と諸派に分けられます。諸派の定義は幾つかありますが、ここでは「交渉会派ではない」くらいの理解でよろしいかと思います。
交渉会派とは、文字通り「交渉」する会派です。笑い話のようですが、こう理解する方が一番話は早いのです。
交渉の場は幾つかあります。まず、議会運営委員会というのがあります。まさに議会運営につき話し合いをする場ですね。さらに、各会派の代表者が集まる代表者会議という場を設定しているところが多いですね。
つまり、平たく言えば、議会内のやり取りの話し合いをする場に参加できる資格とでも言えばいいでしょうか。一定の人数を集めないと、こういうのに参加できないよというわけです。諸派は参加できないということになります。
もっとも、これはあくまで一般論で、実際は諸派も議会運営委員会のメンバーという議会もありますし、代表者会議に諸派が参加するケースもあります。さらに、「一定の人数」につき要件が上下変動する事例すらあります。今まで5人以上にしていたが、3人以上にしたとか、もう様々な例があります。
こうなってくると、実は交渉会派だろうが諸派だろうが、さほど変わらないとすら言えますね。このように、結局のところ「さじ加減次第」なのです。よく見られるケースとしては、最大会派である保守系の会派が分裂した時に、交渉会派のハードルが下がる事例です。まぁ、気持ちはわかります。分裂した結果少数派ではあるが、今までと同じように交渉会派でいさせてほしい、よしよし国政選挙では一緒に頑張るのだし、ではハードルを下げようかという流れは、容易に想定できますね。
結局のところ、政治の事情で七変化するのです。ならば、最初から交渉会派か否かという区別をしない方がスムーズですね。
さらに、「交渉」できないだけではなく、議会における質問時間に制約があるケースもあります。三鷹市議会はその例ですね。交渉会派と諸派と比べたら、やっぱり交渉会派の方が有利です。
つまり、一定の不利益事項がある以上、より自由に活動しやすくするために、交渉会派になる努力をするのです。もっとも、先に書いたように、会派結成は議員個人の自由の範疇なので、交渉会派になるために一緒に組むという例すらあります。
このように、会派といっても、大きく交渉会派と諸派に分けられるところがほとんどで、諸派の場合交渉会派に比べて質問時間などをはじめとして不利益事項が幾つかあると理解でよろしいかと思います。一般的には、議員提出議案を提案できるか否か、質問時間が制限されているか、もしくは交渉会派が優遇されているかなどでしょうか。
このように、一口に会派といっても、大別して2つの分類があるのです。
以下は私の私見ですが、一緒にやる仲間の数が一定の要件を満たしたら、ある程度の優遇を与える措置というのは、これはこれでわかります。この優遇の中身をどのようにするかの議論に、諸派を交えて議論するべきでしょう。諸派の質問時間を、せめて平均値をとってそのくらいは保障してあげて、交渉会派には人数に応じて優遇の中身を分け合うというのが現実的かもしれませんね。
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