秩父市の社会福祉法人「清心会」(村山勇治理事長)は7日、選挙権のある市内の知的障害者に、22日に投開票される同市議選(定数22)で投票の参考にしてもらおうと、立候補予定者を招き、政策説明会を開いた。
県選挙管理委員会は、2013年の公職選挙法改正で知的障害者ら成年被後見人に選挙権が回復して以来、「県内でこうした説明会の開催は初耳だ」としている。
同会の岡部浩之・総合施設長によると、市内の障害者約100人を対象にした調査で、「多くの人が選挙に興味を持ちつつも候補者の公約や投票の約束事が理解しづらく選挙から足が遠のいている」実態が分かり、初めて企画した。
説明会では立候補予定者9人が、持ち時間約5分で自己紹介と福祉政策などを平易な言葉で紹介。参加した障害者60人から「かっこいい」などと声が飛び、拍手と笑いが混じる和やかな雰囲気で進んだ。「道路が壊れたらどこへ言えばいいのか」「観光客のたばこのポイ捨てをなくすには」などの質問が出された。「屋根のある遊び場を作ってください」「働く場所を作って」などの要望もあった。
説明会の前に開かれた「選挙を学ぶ」時間では、投票所で投票したい人の名前を指でさせば代理で投票してもらえる制度などが紹介された。これまでも選挙に行っているという男性(37)は「いろいろ勉強になり、意中の候補者を選ぶ参考になった」と話していた。【松山彦蔵】
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