4月の統一地方選を控え、県議会に議席のある自民、民主、公明の3党の本県版政策集が4日までに出そろった。中小企業や農業の振興、健康長寿などで共通点が見られる一方、各党独自の主張も並び、スタンスの違いもある。有権者の判断材料の一つになるほか、その後の“成果”チェックにもつながる政策集。政策をどのように実現するのか、できるのか。各党の説明はもとより、選挙などを通して有権者が見極めることも重要だ。
自民党県連の政策集は「とちぎ創生-確かな実行力-」。安倍政権が進める地方創生の施策に呼応した形で、「子育て・教育」「医療・福祉」「産業・観光・雇用」「農業・林業」「環境・エネルギー」「暮らし・安全」の6分野別に、重点政策目標や取り組むべき課題を挙げた。
重点政策目標のほか、取り組むべき課題は幅広い。子ども医療費の小学校3年生までの現物支給拡大や、スマートインターチェンジの導入、警察官の増員なども盛り込まれている。
民主党県連はローカルマニフェスト「改革実現プラン2015」で、スローガンとして「すべての県民に居場所と出番のある“とちぎ”を目指して」を掲げる。「雇用」「平和・人権」「議会改革」「地域活性化」の4分野。格差是正との言葉を用いるほか、宇都宮市が導入を進める次世代型路面電車(LRT)事業に反対の立場を示しているのが特徴の一つと言える。
公明党県本部は、4項目の重点政策を掲げる。その一つが「“人が生きるとちぎ創生”を実現します」。その中で、さらに5点を挙げて地域包括ケアシステムの構築、少子化対策の推進、地産地消エネルギーと低炭素社会づくりの推進、「空き家」問題対策の推進などに触れた。
民主、公明は議会改革も打ち出している。民主は議員定数削減や世襲禁止、県内すべての議会で議会基本条例の制定などをうたう。
公明は県議会の議員定数2割削減、議員報酬1割削減、政務活動費5割削減と具体的な数字を記した。「県議会基本条例を制定し、議会改革を推進します」とも記載する。自民はこれまでの議会改革の成果などを踏まえ、今回の政策集には盛り込まなかったという。
本県の課題の一つである放射性物質を含む指定廃棄物問題では、自民が「県内の指定廃棄物の早期処分」と触れ、民主は「水源地域への最終処分場建設には反対」などと明記。公明は重点政策で触れていないが、県の方針を支持する考えを示している。
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