2015年3月4日水曜日

「討論の広場」のミニチュア版を~議会報告・意見交換会を超えて

<住民自治の探検へ~川崎市議会を語る会のブログより>

地方自治体における議会改革も進み、多くの議会で「議会報告会(意見交換会)」が開催されるようになった。そこで、一月後に統一地方選挙を迎える。これを契機に議会改革を進める提案が立候補者側から出されるのか、そこが第一の見極めとなる。

「議会報告会」は、議会基本条例を日本で初めて制定した北海道栗山町議会は全国に広めた企画である。しかし、それが広まるにつれて、「報告会」では、決まったことを一方的に聴くだけで物足りない、との声が出始めた。

一般的に「報告会」と云えば、質疑応答を含む。従って、報告されたテーマについては、時間の制約を除けば、理解を促進し、場合によっては意見も言えるはずだ。問題は報告内容の乏しさ、判り難さにあるはずだ。

栗山町では、切迫した財政状況、次世代総合計画などが報告されていたので、緊迫感があったに違いない。また、意見交換会なども別途に開かれていたので、「報告会」が特に異論も無く実施されていたのだと思われる。

しかし、その企画が、内容では無く、形式だけが真似されると、些末な条例改定、あるいは背景等も含めて内容が判りにくい条例の説明に成り、形式的な報告会に流れていくようになる。

更に、各会派に分かれる議員は、議会の議員である前に会派の議員であって、所謂、会派拘束という問題がある。会派の中で議論し、調整された意見を外して自らの意見を云うことに慎重にならざるを得ない。

一方、「意見交換会」として住民からの意見・要望を聴く場合、その内容は身近な問題で、端的に要求が多く、論議にもならないし、他の住民にとって、関心がない問題が多くなる。

まとめると、問題は以下である。

1)議会側の議会報告は中味が判り難い

2)市民側からの意見・要望はローカル

従って、参加した市民の多くは、退屈して関心を持続できない。

こんな状況になることが多いようだ。

そこで、筆者が考えているのは、議会主催にする前に、会派拘束が無い無所属の方が、できれば3名以上集まり、課題を設定して「討論」し、その後、市民が意見を述べる、できれば、議員と市民がやりとりをする、そんな企画だ。

これを「討論の広場」として、憲法93条で規定する議会=議事機関としての原型にできないか、ミニチュア版をやれないか、ということだ。住民としても学習が必要だと思っている。

無所属議員は自由に自らの所信を表明できる。そのため、複数名の議員がいれば、討論の広場が構成可能だ。そこに会派拘束の無い無所属の特質を生かした議会活動が展開可能なのだ。

頭に浮かんだことが、越谷市の白川議員による前回選挙での複数議員による統一マニフェスト活動である。今回選挙では更に別の事を考えている様だが。

政令市としての川崎市は7区のそれぞれで選挙区が構成される。従って、「議会報告会」を企画する無所属の議員の方は共同で試みたらどうだろうか。複数人が集まり、先ず、選挙の際に公約として掲げることから始まり、会期終了後の報告会を各人の選挙区において実行するのだ。

これは一例であり、色々考えて、無所属の特色を生かした、会派に無い独自の連携プレーも採るようにすれば、多くの一般市民の関心を呼び覚ますことができるかと考える。全国の無所属議員が、参考にして頂ければありがたい。

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