政策立案を行う「政策型議員」を目指す地方議員らで構成される「ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟」(略称:LM推進地議連)の連載・コラムです。
地域主権、地方分権時代をリードし、真の地方自治を確立し実践するために設立された同団体は、地方自治体の首長、議員や地域主権を支える市民の活動実績を広く募って表彰する、「マニフェスト大賞」の運営に携わっています。今年で11回を数える同賞は、7月1日から応募が始まり、11月11日の表彰式で大賞と各賞の最優秀賞を発表。応募開始にあたって実行委員の皆さんに、マニフェスト大賞に寄せる思いや、これまでの成果を綴っていただきます。今回は、マニフェスト大賞副実行委員長の鈴木綾子 江東区議会議員にご寄稿いただきました。
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2006年にスタートしたマニフェスト大賞は、昨年記念すべき10回目を迎え、今年2016年は11回目の開催となります。
地方議員・首長・地方議会などの優秀な取り組みを表彰・発表する機会として開催されたマニフェスト大賞、現在では受賞者の裾野を広げ、「地域から日本を変える」志を持った市民・学生団体・行政関係など様々な方々が集い、切磋琢磨する場に進化しています。
7月1日から応募が開始し、8月31日が応募締め切りとなるため、地方議員の皆様には例年、8月中旬~末にかけて優秀な政策提言や活動について応募のお願いをさせていただくこともあります。
「毎年応募することに意味があるのか」「この内容で果たして受賞に値するのだろうか」「マニフェスト大賞に参加する意義はあるの?」というご質問なども地方議員の皆様から時々いただきます。
今回は、これらの質問にお答えすべく、地方議員の皆様に対し、「マニフェスト大賞活用のススメ」について、私自身の経験をもとに2つのお話をさせていただきます。
第8回マニフェスト大賞(ネット選挙・コミュニケーション戦略賞審査委員会特別賞)授賞式の模様(2013年11月1日)
マニフェスト大賞活用法
その1:自分自身の1年間の取り組みを振り返る
地方議員の皆様は、4年に1度の選挙の前に、1回は必ずこれまでの取り組み内容や実績を振り返り、成果としてレポートを発行したり、ホームページを更新されたり、報告会などを行って有権者の方々にお知らせしているかと思います。年単位、半期単位、月単位など、期間を決めてご自身の活動を振り返っている方もいらっしゃいます。
しかしながら地方議員の活動は議会活動、地域活動、選挙応援など様々な活動があり、忙しい日々を送る中で「振り返って自分の活動実績をまとめる」という行為は後回しにされがちなのが現状です。
マニフェスト大賞の応募期間である7月~8月は学生でいうと「夏休み期間」。
学生時代に戻った気持ち、「夏休みの宿題」に取り組む気持ちで年1回、夏の期間に自らの活動や情報発信などを振り返り、「応募作品」としてまとめを行うことは、ご自身の成長の軌跡をまとめることでもあります。
また、応募した作品が受賞につながれば、ステップアップにもつながり、さらなる活動意欲もわいてきます。
私も、毎年夏の時期に、マニフェスト大賞応募を通じて自分の議員活動や情報発信内容を振り返り、資料化して活動内容の見える化をしています。私自身も毎年応募し続けるなかで、3年前の第8回大会では、日ごろの情報発信の取り組みを評価していただき、「ネット選挙・コミュニケーション戦略賞」を受賞することができました。切磋琢磨する地方議員の仲間も増えました。
受賞以降も、毎年応募を続けていますが、「応募する」という作業の中で自分の日ごろの議員活動の良いと思う部分、見直したい部分なども見え、「断捨離」をすることもできますので、おすすめです。
その2:優秀作品から「TTP」
マニフェスト大賞が目指しているのは、「ともに学び合い、地方議員・議会のレベルアップを図ること」でもあります。
ローカルマニフェスト推進地方議員連盟(以下、地議連)の会員の皆様や、マニフェスト大賞参加者の皆様には、地方自治の政策集といわれる大会冊子をお配りしています。
また、会員の皆様向けの専用サイトでは、毎年の受賞作品やノミネート作品も閲覧することができます。大会冊子には、受賞者の応募作品の取り組み概要や、実現に至るまでの過程がコンパクトにまとめられており、専用サイトには、ノミネート作品の詳細な資料の掲載もあります。
日ごろの議員活動に活かしていただけるだけでなく、ご自身が応募作品をまとめていただくための参考ともなります。
また、地議連では、地方議員向けの勉強会を東京および全国各地で定期的に開催しています。これらの勉強会に参加して参加者同士でつながることで、受賞者の方々から直接お話を伺ったり、情報共有を行ったり、学びの場として活用することができます。
よい取り組みは「TPP」(徹底的にパクる)。地方議員の政策や議会質問などの取り組みには著作権はありません。徹底的に「パクって」自分自身の政策や情報発信に取り入れていくことで、更なる自己研さんや議会の発展につなげることができます。
ぜひ、皆様も「TPP」を合い言葉に、優れた政策、取り組みを吸収し、自分自身のものにする視点を持ってマニフェスト大賞を活用していただけると幸いです。
最後になりますが、マニフェスト大賞の応募期間は7月1日~8月31日まで。夏休み期間を活用し、ぜひ積極的なご応募、勉強会へのご参加をお願いいたします。
マニフェスト大賞 公式ホームページ
ご応募はこちらのページから
著者プロフィール
鈴木綾子(すずきあやこ)
1975年生まれ。成城大学文芸学部卒業後、通信会社で法人営業に従事。仕事と子育ての両立に関心を持ち、2009年、早稲田大学大学院公共経営研究科でワーク・ライフ・バランスを研究。2011年、同研究科修了後、東京都江東区議選で初当選。通信会社出身のバックグラウンドを生かし、「ICTを活用した住民サービスの向上」「ICTを活用した議員活動の見える化」などを推進。SNSと連動した区政報告座談会「あやこcafe」などの開催を行っている。
鈴木あやこ Official Web Site/facebook/twitter
http://seijiyama.jp/article/columns/lm/lm20160804.html
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