2016年8月9日火曜日

できない理由を考えるのではなく、できる方法を考えてほしい by小池百合子

<名古屋市会議員のブログより>

「できない理由を考えるのではなく、できる方法を考えてほしい。」都庁職員に対する小池百合子都知事訓示の一節。

全くその通りだが、その言葉だけでは、公務員の働き方や意識は変わらない。小池新都知事がいかに公務員の意識改革に取り組むのか、カイゼンが進みやすい職場の仕組みづくりを進めるのか、その具体的な手立てにすべてがかかっている。

さて、公務員の中には、日々カイゼンして利益を残す必要性がないと考えがちな方も少なくない。従来おこなっていた事務事業を変革することにより、失敗したりすれば、その職員は責任を負わされるだけでなく、減給や退職につながる恐れがある。したがって、確実性を尊び、変化を嫌う傾向にあるのが公務員の特性だ。ましてや部署を転々とさせられて、専門性が身につきにくいこと、民間ではないような特別な業務により、つぶしが利かないため、転職が難しいと感じている公務員が多いことも変革を嫌う一因となっている。

ここで、公務員の仕事を考えてみる。
1.
 仕事を増やしたくない
市役所の窓口などで市民から何らかの要望を受けたとして、制度を改善する余地があるにもかかわらず、決められた法律を盾にしておけばそれ以上の手続が必要なくなると考えて、要望を断ってしまう。

2.
 業務の押し付け合い

新たな事務事業が生じると、業務の内容に応じて担当課や係を決めて業務の割り振りを行う。しかし多くの業務は、さまざまな部署にまたがるものが多く、いくつかの部署が仕事を増やしたくないために、お互いに業務の押し付け合いを行ってしまいがちになる。

3.
 組織の縦割りの弊害

「タコつぼ化」した組織は自分の組織の都合しか考えない。自部署は被害者、他部署は加害者となり、多くの問題は、組織間の連携で起きるにもかかわらず、市役所は組織崩壊となりかねない。

これらの課題に対応するため、小池新都知事は「都政改革本部」を庁内に常設すると表明した。外部人材を登用し、「過去の慣例にとらわれない『都民ファースト』の改革を進める」と決意を述べている。私の経験で申し上げれば、内部を十分知らない外部の方々が的外れで適当な発言を繰り返すことによってさらに内部の意識改革が止まる事例を繰り返し見てきた。名古屋市における外部アドバイザー制度や外部による行政評価、いわゆる事業仕分けが全く機能せず、かえって意識改革が機能不全となった事例はその一例と言っていいだろう。

そのような中、全庁的で局横断的な政策立案を進めるための「地方創生局」を設置し、全国で唯一「地方分権改革会議」を設置するなど、職員一丸となって地方創生を進めカイゼンを強力に進めている徳島県の事例は参考に値すると言っていい。合言葉は「vs東京」。

 徳島県  vs東京

http://www.vs-tokyo.jp/

現状が最も安定していると考えがちな公務員の意識。しかし、現状の延長線上に必ずしも未来があるとは限らない。カイゼンを進める担い手は、実は職員自身しかいないということに都知事も都庁職員も気づいたとき、「できる方法を考える」組織が動き出す。

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