今月号の雑誌に議会図書室のことが書かれていました。何回か、勉強会でお話を伺った先生の記事です。
このブログでも何度か議会図書室について書かせていただきました。
過去記事はこちらをクリックしてください。
議会図書室を考える
議会図書室を考える(2)
議会図書室を考える(3)
議会図書室を考える(4)
「公共図書館のミライ」と題した特集の中の記事です。
月刊ガバナンス ぎょうせい刊 N0.181 8月号 P20
月刊ガバナンス 2016年 08 月号 [雑誌]
1,080円
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国立国会図書館利用者サービス部政治史料課長 塚田 洋 氏の記事です。
前回の続きです。
■司書の情報収集力ヘの誤解
政策づくりの拠点が、このようなお寒い状況にあるのは、司書の情報収集力が正しく評価されていないためである。地方議会では、実際に次のようなやり取りも行われている。
(ある地方議会の議会改革検討委員会にて)
A議員一調査活動に役立つので、議会図書室に司書を置いてはどうか。
B議員一反対だ。書籍は、議員のリクエストで購入するだけであるし、雑誌論文のデータベースも導入済みだ。司書に頼む仕事はない。
C議員一同感だ。議会図書室の資料整備には、議会や行政の専門知識が必要だ。司書にはそうした蓄積がなく、置いても役に立たない。
A議員一……分かった。提案を取り下げる。
これは、船橋市議会でもありそうな議論ですが、そもそも、「議員」という人種で図書室を使うことを「あたり前」としている議員がいるのだろうかと思われます。
そもそもの教育の基礎とでも言うのでしょうか?「図書館」の使い方の基礎が理解できていないと、せっかく議会に図書室があっても使うことさえわからないでしょう。否、使い方がわからないでしょう。そもそもね。
そういう意味では、学校の現場というのはひどいものですね。図書館の意味、意義をしっかりと教えないといけないと思うのです。あるいは、教えているのに勉強しなかったんですかね議員は。
そのためには、学校図書室が充実していなければなりません。図書館を使う楽しさ、喜び、意義、意味をね。
そして、焚書などが無い、信頼性の高い公共の図書館がなければなりません。そこへ行けば知りたいことの「解決」ができる。その信頼性です。
この辺りが多くの議員の本音ならば、図書室の整備が進まないのもうなずける。読者の皆さんも、司書を政策づくりに関与させるなど、「お門違い」だとお考えだろうか。
これは大きな誤解である。なぜなら、議員、議会事務局職員、議会図書室の司書は、それぞれ情報行動が違うからである。筆者は、地方議会関係者向けの研修で講師を務め、これを実感した。
これは先生の講演を何度か聴いてよくよく感じたことです。
というより、実は私自身このレベルまでいく調査依頼って年間数本しかなく、あとはもっぱら庁内のことばかり。
これって本当は、船橋市議会の「調査依頼」の制度を使う以前の話であって、庁内の情報を入手するのに、わざわざ書類を書いて正式なルートを通じてで無いと、嫌がる部課長がいますが、それが正しい姿なんだろうかって思いますね。
「誰が渡したんだよ!」という、詰問に備えてなんだと思いますが、よくよく考えてみると情報の開示を市民から求められたものについて便宜を図るという程度では、考えてみたらアホみたいな話でもあるなと思います。
そうは言っても、それでいいんじゃないって決めたのって僕の議長時代だったな。と深く反省です。
今後改めて、「市議会議員の調査」について研究してみます。
◆情報行動の違い
「一般質問・政策形成に使える議会図書室」と題する研修では、参加者に、「商店街活性化の失敗事例を探す」といった事前課題を出している。商店街活性化に限らず、政策づくりには失敗事例の分析が必須だが、グーグルのキーワード検索程度では、これを見つけることはできない。誰も自分の失敗を公表したがらないからである。グーグルが使えない事例で各々の調査手法を披露してもらうと、違いがはっきりする(図1)。
三者のうち、議員の調査手法は、現場主義である。関係者から話を聞く、あるいは現地を視察するという方法で、事例を探そうとする。議会事務局職員は行政職なので、行政情報に手がかりを求める傾向が強い。例えば、事業評価シートに当たって、当初計画と実績の落差が大きい事業が怪しいと推理する。司書の情報行動は、これらとは別物である。「レファレンス」といわれる文献調査のノウハウを駆使し、多角的かつ有益な情報を集めてくる。例えば、中小企業庁のモデル事業に含まれる失敗を分析した図書、「レトロ商店街」や「キャラクター商店街」は模倣が難しいことを指摘した論文等は、議会や行政の経験が豊富だからといって探し出せないだろう。
◆公共図書館の政策支援サービス
近年は、議員や自治体職員を対象に、政策支援サービスを行う公共図書館も出てきている。大阪府立図書館は、「政策立案支援サービス(P-support)」として、府内全自治体の議員、職員を対象に、資料の貸出し、複写、レファレンスを行っている。東日本大震災のがれき受入れ問題に関連して、放射性廃棄物についての国内外の法規制を調べる等、府(市町村)政に直結する情報提供が特色である。利用者からは、「司書の視点で様々な資料が提供され、ひとりで調べるより、思考の広がりが得られる」と評判も上々であるという。府立図書館の司書に行政経験はないが、その情報収集力は、政策づくりに役立っている。
これも講演で伺った話ですが、ちゃんと公共図書館が議会サポートをしてくれる。
(笑)。我が船橋市は、「職員が育たなかった」そうで、図書館職員、司書にダメの烙印を押す議会答弁をして、指定管理という簡単に言うと外部に運営委託をすることになりました。
今まさにその選考の真っ最中だったのでは。
「レファレンス機能」の強化も言っていましたね。議会では。
http://ameblo.jp/hasegawamasaru/entry-12188681553.html
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