2017年7月28日金曜日

劇的な都議選から考える「地方議会と市民のコミュニケーション」

<政治山より>

自民党の歴史的大敗、都民ファーストの地滑り的勝利という「劇的」な結果となった東京都議会議員選挙。その興奮も冷めやらぬ7月9日、「地方議会と市民との公共コミュニケーション」を考えるシンポジウムが千代田区日比谷図書文化館で開催されました。
シンポジウムの様子
シンポジウムの様子

市民は地方議会の「動き」「論議」を知っているか

 地方議会が話題になるのは4年に一度の選挙。最近では、「号泣議員」から端を発した「政務活動費不正使用」のような不祥事。さらに、今夏の都議選のように、首長と議会の「対立」がクローズアップされるときといえます。
 シンポジウムは、公共コミュニケーション学会(略称「PRAS」)が主催。行政・議会・大学・NPO等における広報やステークホルダーとのコミュニケーションについて、実務家、研究者が交流・研究する学会です。7月2日の都議選の争点に「議会改革」が掲げられたことが、今回の企画の発端です。企画検討の中で、地方議会と有権者は日常的に良好なコミュニケーションが図られているか。そんな素朴な疑問が沸いてきました。「議会改革」といいますが、そもそも、有権者は議会の「動き」や「論議」を知り、それを理解しているのでしょうか。
 このテーマの展開、深掘りを狙って、シンポジウムには多彩な人材が集結しました。基調講演には地方議会改革・広報に詳しい東京工業大学研究員本田正美氏。PRAS会長の東海大学教授河井孝仁をモデレータに、先進的議会広報紙編集者、マーケティング手法による議会改革の実践者、多様なコミュニケーションを展開する現役地方議員、政治と有権者を繋ぐウェブメディア運営者がパネルディスカッションに参加し、多面的な議論を繰り広げました。

議会改革と議会広報

 基調講演で本田氏は、地方分権改革の推進により、権能が高まった地方議会の「広報広聴」の動向を、議会改革の歴史的経緯を絡め、事例を交えて紹介。特に、北海道栗山町議会における「議会基本条例」に基づく議会広報改革の内容を指摘。情報公開制度の実装、ライブ中継の開始、市民への議会報告会、政務活動の広報紙掲載等、議会改革と密接に結びついた市民とのコミュニケーションについて紹介しました。
 また、今回の都議選のキーワードになった地方自治体の「二元代表制」が、憲法(93条)に位置付けられていることを確認しつつ、首長の「執行機関」に比べ「議事機関」側の広報・広聴の研究、実践に深まりがみられないことを課題として挙げ、講演をしめくくりました。
東京工業大学研究員本田正美氏
東京工業大学研究員本田正美氏

市民の心をつかむ議会広報誌

 続いて、各パネラーがそれぞれの取り組みをショートプレゼンテーション。
 はじめに、さいたま市議会だよりの編集を担当するトッパンエディトリアルコミュニケーションズの西村祐二担当部長が、議会広報誌改革の先進事例として知られる「ロクマル」の取り組みを紹介。「ロクマル」とはさいたま市議会の定数60名を誌名としたものです。
 「予算審議」など市議会の仕組みを、「基本のキ」から分かりやすく紹介する。その一方で、議会広報としての公平性、記録としての位置づけ等の制約に悩みながら、実務を踏まえた事例紹介がありました。さいたまアリーナに出向き、市民が何に関心があるのかシールを使った「現場アンケート」を記事にしたり、「高校生議会」特集に2ページ割いたりするなど、読者の関心を「掴む」ことを狙って、メリハリをつけた編集を心掛けています。また、読み手のリテラシーにも配慮するとともに、定期的に読者アンケートをとり、編集にフィードバックしています。
トッパンエディトリアルコミュニケーションズの西村祐二氏
トッパンエディトリアルコミュニケーションズの西村祐二氏

STPを意識した議会広報

 次に、麗澤大学客員研究員で、茨城県境町のCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)を務める松野豊氏。「議会改革の雄」として知られる流山市議会の改革に市議としてかかわってきた松野氏は、議会広報は「STP」(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)を意識しているか?という問題を投げかけました。松野氏は、ターゲットを狭めたにもかかわらず、売り上げを飛躍的に伸ばしたアサヒ飲料の「朝専用缶コーヒー」の事例を引いて、より効果的に市民に伝わる広報手法について、粘り強く流山市議会関係者に理解を得るように努めてきたといいます。
 誰にでも平等・公平に伝えようとして、結果として「誰にも伝わらない」。そんな広報ではなくて、思い切って年代、性別、時間軸などを限定し、それに相応しいコンテンツやメディア活用を考えていくことで、伝わる広報、そして、行動変容を引き起こす広報になると指摘しました。
麗澤大学客員研究員で、茨城県境町のCMOを務める松野豊氏
麗澤大学客員研究員で、茨城県境町のCMOを務める松野豊氏

議会広報と議員広報

 次に、地方自治体議員、首長等の優れた活動を表彰する「マニフェスト大賞」で、過去、優秀ネット選挙・コミュニケーション戦略賞を受賞したことがある江東区の鈴木綾子区議からの発表。世間が持つ「議員」に対するネガティブイメージを確認しつつ、「地道な活動」が注目されにくい実態を指摘しました。
 そして、パブリック・リレーションズという市民との関係性構築の意義について、「江東区議会」のファンになってもらう取り組みと、区議「鈴木綾子」のファンになってもらう取り組みを、補完的・相乗的に進めていくことの必要性を強調しました。また、議員として継続的に議会活動や政務調査活動、地域活動を報告する中で、議員はもとより議会との関係性も深まるのではないか。議会、会派、議員の広報活動が相互補完的に展開されることによる議会と市民とのコミュニケーションの活性化を示唆しました。
江東区議会議員の鈴木綾子氏
江東区議会議員の鈴木綾子氏

議会広報をフックとしたコミュニケーション活性化のプラットフォームを

 次に、有権者の政治参画情報プラットフォームを志向するウェブメディア「政治山」から立石理郎氏が登壇。ウェブメディアから見た地方議会広報の問題点を指摘しました。「政治山」では、今回の都議選で各党の政策の比較表を作成しました。このようなコンテンツは選挙時SNSを通じて拡散し、さまざまな形で取り上げられたとのことでした。
 一方、地方議会の情報について、「議会だより」の認知度は高く、これをフックにして議会と市民のコミュニケーションの活性化の可能性があることを指摘しました。議会だよりについては、ウェブ上の展開においてモバイル対応ができていないこと、また、「○月○日号」という形で検索にかかるような設定から、「子育て」に関する質問というような形で記事別にキーワードを設定し、オープンデータ化を進めることによって有権者にとって役に立つコンテンツに展開できるのではないかという可能性について指摘がありました。
ウェブメディア「政治山」の立石理郎
ウェブメディア「政治山」の立石理郎

議会広報と改革に向けて

 後半のパネルディスカッションでは、松野氏のSTPを意識した議会広報の問題提起を深堀りしました。松野氏は情報媒体別に親和性のある「受け手」を意識した展開や、受け手の参加の程度に対応し、協力的な人をさらに動かすことによって、波及効果を生み出すのか、参加意欲の低い人を動かすことによって、すそ野を広げるのか。そうしたアプローチを議会広報でも展開すべきと指摘しました。
 モデレータの河井会長は、議会への参加の仕掛けとして、四日市市議会の「議案」のパブリック・コメントを取り上げました。これから議会で審議される議案について、市民から意見を集めそれを参考に議案審議していこうというもので、首長側では一般的な取り組みです。一方、直接市民の信託をうけている議会においては賛否があり、画期的なものといえます。しかし、選挙以外に市民が日常的に参加をする仕掛けのひとつといえます。ここにどう市民を引っ張り込むのか。各議員、会派がこうしたパブリック・コメントにリーチさせる「引っ張り込み合戦」が、「政治的プロパガンダ合戦」になるという、問題の可能性へと議論は展開しました。
 公共コミュニケーションの分野で、地方議会は広報の戦略的実践の未開拓地といえるかもしれません。ディスカッションはまとめに入り、ターゲットを意識したメディア展開について西村氏は、「議会だより」を全戸にポスティングして、機会を確保するということが必須という現状を前提にすると、クロスメディア戦略は難しいが、その方向性には共感するとコメント。
 最後に、河井会長が市民に伝わり、行動させる「議会広報の在り方」について、松野氏にマイクを渡しました。松野氏は、「あるべき姿」はないと指摘。各議会が各自治体の市民像、地域特性、課題を踏まえ、民間のマーケティングやクロスメディアの知見や、こうした学会での学術的な議論を参考にしながら、どうしたら市民に議会の動きが伝わり、参加を促すのか、それぞれが想像力を働かせる必要があると締めくくりました。

 

2017年7月27日木曜日

富山市議会、議会改革の40項目協議へ



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40項目を短期、中期、長期に分類して検討
40項目を短期、中期、長期に分類して検討

富山市議会は、19日、議会改革検討調査会を開き、今後、検討する項目を40とし、短期、中期、長期に分類して検討することを決めました。

また、議案に対する議員それぞれの賛否などについては6月定例会分からホームページで公開することも決めました。

富山市議会の議会改革検討調査会では、5月に各会派が提出した議会改革の項目などのうち、40項目について今後、協議することを決めました。

それぞれを、協議に要する時間と実現の難易度から短期、中期、長期に分類して順次、検討します。

議会の基本理念や議員のあり方などを明文化する議会基本条例については、長期的課題としていますが、短期的課題などと平行して検討することを確認しました。

また19日は、短期的課題のうち、現在、会派ごとに公開している議案に対する賛否を議員個人ごとに公開することと、常任委員会などの議事録の公開について協議し、それぞれ6月定例会分からホームページで公開することを決めました。

議員個人の賛否公開については、3月定例会で市民の請願をすでに採択していて、 改革のスピードが遅いという声が上がっています。

傍聴した中川岳志さん「(議員個人の賛否について)公開が決まってよかったなと思っています。ただ、なんで今議論されているのか、もっと早く6月議会が始まる前にしなきゃいけないことじゃなかったのか、という思いは正直あります」

また、内容が重複する検討項目があるなど改革の方向性やビジョンが明確でないことについては・・・。

柞山数男座長「次回に向けて、重要度についても抽出して正副座長で少し検討したいと思います」「なるべくみんなの気持ちが一緒になれるように、醸成できるように進めていきたいと思っています」

議会事務局は、議員個人の賛否はできるだけ早くホームページに掲載するほか、常任委員会などの議事録については9月定例会までに掲載したいとしています。
 
 

2017年7月26日水曜日

富山市議会 議会改革42項目検討へ

<富山テレビ放送より>

 2017年7月19日
富山市議会は政務活動費の第三者機関による審査が始まるなど、議会改革への取り組みが具体化している中、次の改革に向け動きだした。
議会のあり方を定めた「議会基本条例の制定」など、今後、4年間の任期中に取り組むべき項目を上げ、検討を始めることになった。
今年5月の前回の会議で、各会派に提案するよう求められていた議会改革の取り組みについて今後の協議項目を整理した。
各会派から提案されたのは、重複したものを除いて全部で42項目あり、「議会基本条例」や「議員政治倫理条例の制定」「議会報告会・意見交換会の開催」「議員間討議の制度化」「夜間・土日議会の開催」「委員会のインターネット中継」などが今後、4年間の任期中に検討されることになる。
なかでも、「議会基本条例の制定」は最も多い7つの会派から提案があり、出席した議員からは、「検討を早めていくべき」などの意見が出ていた。
調査会では、提案された検討項目のなかに議会基本条例に盛り込むべき項目が多く含まれていることから、次回からの会議では、議会基本条例に関係するものとそれ以外に分けて協議を進めることになった。
また、19日の会議では、今年の6月定例会分から議案に対する議員1人1人の賛否をインターネットのホームページで公開することや、常任委員会など7つの委員会の議事録を公開することを全会一致で決めた。
一方で、出席した議員からは、調査会の開催ペースを速め、議会改革のスピードを速めるよう促す意見も出ていた。
政務活動費不正が明るみに出て富山市議会の議会改革が進んだとはいえ、早稲田大学マニフェスト研究所が公表している議会改革度ランキングは、まだ低く、19日の会議で指摘もあったように、改革のスピードを速めることが必要。

http://news.bbt.co.jp/topics_detail.phtml?Record_ID=0806b42cb7aba8a50faf7db1889319ee

2017年7月25日火曜日

富山市議会の議会改革 「スピード遅い」の意見相次ぐ

<チューリップテレビより>

富山市議会の議会改革 「スピード遅い」の意見相次ぐ
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 議会改革が中々前に進みません。

 富山市議会は19日、議会改革の検討会を開きましたが議会のあるべき姿を示す議会基本条例の制定については具体的は議論が進みませんでした。

 議員からは議論の数を増やし、改革を早めるべきとの意見が相次ぎました。

 去年、政務活動費の不正が相次いで発覚した富山市議会。

 議会改革の検討会は全ての会派から委員が参加し議論を進めています。

 ところが・・・検討会を傍聴した市民の感想は、改革のスピードが遅いというものでした。

 今年4月の改選後、3回目の開催となる、今回の検討会。

 19日は▽議員の議案に対する賛否をホームページに掲載することや▽常任委員会などの議事録を公開することが決まりました。

 しかし、議会の目指すべき姿を示す、▽議会基本条例の制定や住民との意見交換の場となる▽議会報告会の開催については検討を始めるものの、長期的な課題として議論を重ねることになりました。

 議会基本条例は県内ですでに5つの議会が制定しているほか、議会報告会についても高岡市などがすでに実施しています。

 参加した委員からは、検討会の開催を増やし、改革を早めるべきとの意見が相次ぎました。

 議会改革の進展について、検討会の座長はまた、副座長を務める、2期目の若手議員は・・・
今後、この検討会は月に1回のペースで開かれる予定です。

 

2017年7月24日月曜日

介護保険事業の充実へ向けて

<東村山市議のブログより>

この6月の新たなメンバーでの厚生委員会スタートにあたって調査事項としたのは、来年4月から3か年の「第7介護保険事業計画」。
現在進行形の第6期計画(平成2729年度)の到達度と課題をしっかり理解した上で、今後とりわけ注力して進めるべき課題についてを先進事例等も学びつつ議員間で議論し、12月議会最終日を目途に委員会としての意見をまとめていきたいと思っています。

私自身、これまで子どもや障がい者の課題については自分自身のテーマとして力を入れて追ってきたつもりですが、高齢者福祉については、予算規模も既に大きく、取り上げる議員も比較的多いことから、自分の優先順位としては低めでやってきたというのが正直なところです。
しかし今回は所管の委員長。

委員会としてのテーマに挙げることを真っ先に提案したのは、来年3月に予定される介護保険条例の一部改正議案の審議や関連する予算審査に向け、所管する委員会として少しでも的確で質の高い議論をした上で議決を図れるようにしなければならない、という思いからでした。

今日の議論を皮切りに、市内機関への聞き取りや先進自治体への視察、委員間の議論等を通じて、約半年間にわたって学びを深め、第7期計画がより利用者目線に立った充実したものとなるよう、努力していきたいと思っています。

これまであまり目を通してこなかった厚労省の資料や、当市の関連する審議会等の傍聴もしっかりやっていこうと思います。

たとえばこんな資料もちゃんと読まないとね
「地域支援事業の推進」社会保障審議会介護保険部会(第58回・平成28528日)参考資料

尚、当市の介護保険についての素朴な疑問やご意見等がありましたら、私のメールアドレス(gachapin@sato-masataka.net)やfacebookへのメッセージなどを通じて何なりとお寄せください!

http://sato-masataka.net/wp/?p=4098

2017年7月23日日曜日

県議の定数 もう先送りはできない

<信毎WEBより>

身を切る改革がいつまでたっても実行できなければ県議会は県民の信頼を失う。

 2019年春の次回県議選で定数を削減する選挙区を6月県会で決められないまま9月県会以降に結論を持ち越した。今定例会で方向性を出すはずだったのに各会派の意見がまとまらなかった。

 総論賛成、各論反対の典型だ。

 選挙区や定数の見直しを議論する選挙区等調査特別委員会を設置して1年たった。

 「1票の格差」については前回15年県議選の2・201倍より縮小し、2倍程度を目指すことで昨年12月に合意。人口減を踏まえ現行58の総定数を1減の57にすることも今年2月に決めた。

 ところが、いざ1減の選挙区を選ぶとなると、思惑が絡んで難航している。

 1票の格差を2倍程度にすることを前提にすると、1減の候補は二つある。

 一つが中野市・下高井郡区(定数2)と飯山市・下水内郡区(同1)を合区して定数2とする案。もう一つが飯田市(同3)と下伊那郡(同2)を合区して定数4とする案だ。

 それぞれ▽市同士の合区は前例がない▽選挙区の面積が広大になる―という課題はあるものの、県民世論調査では定数1減の合意を7割が評価している。

 決められないのは、候補選挙区に議員を抱える会派が身を切ることに慎重になっていることもあるようだ。

 下伊那郡区を単独で残し、定数1に削減する案も飛び出した。

 1票の格差2倍程度の合意に反し、2・592倍に広げることになる。「死に票」が多いことなどから減らすはずの1人区を新たにつくることにもなる。議論の土台を崩し、混乱をさらに広げる。

 定数や選挙区の見直しは、周知期間が不足しているとの理由で2期連続で見送った経過がある。同じ轍(てつ)を踏んではならない。閉会中審査も行い、意見の集約を急ぐべきだ。

 忘れてもらっては困るのは、前回選、前々回選で多くの議員が「議会改革」を掲げたことだ。定数や選挙区だけではなく、さらなる議員報酬の削減、通年議会の導入などの課題は手付かずのままだ。県民との約束が果たされたとは言い難い。

 議会改革は進まない。大北森林組合の補助金不正受給事件で百条委員会の設置を求める陳情は1年近くたなざらし。これでは怠慢のそしりを免れない。 

(7月19日)

http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20170719/KT170718ETI090008000.php