2015年2月9日月曜日

地方政治と公明党 自治体経営描く先頭に

<公明新聞より>

全国で広がる議会改革を主導 法政大学教授 廣瀬 克哉氏

◆―政務活動費の不適切な支出や議会のやじなど、議員のモラルの低下に懸念が広がっている。

{廣瀬克哉教授} 背景には二つの要因がある。まず、一時的な世論の風を頼みに、政党として人材の発掘や育成が不十分なままに候補を擁立した結果、議員の役割などの認識が甘い議員が誕生してしまうという構造。

もう一つは、青森県平川市長選をめぐる買収で多数の市議が逮捕されたように、日本社会における一昔前の政治倫理の「常識」と、現代の国民や制度が求める政治倫理とのズレだ。

◆―地方議員の育成に必要な観点とは。

{廣瀬} 地方議会は大都市や政令市を除けば、公明党などの国政政党の会派よりも人脈的な会派が多数派だ。会派単位では組織だった育成の体制が緩く、会派で政策能力を高め、議会全体の機能が高まることにはつながらない。

この構造下では、機関としての議会が人材育成の体制を整えることが欠かせない。また、自己努力を促す観点では、住民が議員の仕事を厳しくチェックすることが効果的だ。住民の議会への無関心は、議員の育成の妨げにつながる。

◆―今後、地方政治が果たすべき役割は。

{廣瀬} バブル期などの社会構造と違い、人口減と高齢化が進み、政策のニーズが多様化する現在、自治体のあり方にギアチェンジが求められている。

議会には、新人から期を重ねたベテランまでいる。常に世代間の新陳代謝が起こる特性を生かし、多様な議論の中で、将来の自治体のマネジメント(経営)を考える責務がある。議員は、行政側が提案する政策議案の可否を判断する際に、現場の皮膚感覚に基づき、裏付けを取って見極めることが重要だ。行政とは違う観点を持ち、安易に納得しないことが望まれる。

◆―公明党の地方議員に対する評価と期待は。

{廣瀬} 公明党には、全般に勉強熱心で真面目な方が多い。曖昧模糊とした人脈会派が多い中で、政党のアイデンティティー(独自性)を持ちつつ、議会全体としてどのように意思決定をしていくかを考え、意識的に取り組んでいる。特にこの4年間、議会改革が全国に広がり、各地で議会基本条例が制定されたが、私は公明党が重要な推進役を果たした現場を何度も目にしている。

また、公明党は現代社会の課題が集約される弱者への支援を常に打ち出す貴重な役割を果たしている。個々の課題の解決策を追求すると同時に、これからの時代に合った自治体のマネジメントの改革に、これまで以上に取り組むことを期待したい。


 

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