この記事は「広報さがみはら 平成27年10月1日号『自治会ってなあに?』」を紹介し、コメントしたものです。
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今月の広報さがみはらでは、住民に自治会加入促進を促すための特集記事を掲載しています。近年、多くの調査データから住民の町内会、自治会への加入率の低下が示されています。確かに、自治会加入は、住民の個人負担を増やすことから、加入を敬遠したくなる気持ちは理解できます。しかし、本記事では自治会の「効用」として、主に(1)相互信頼・交流の向上、(2)身体的、精神的健康の向上、(3)緊急時の対応、を挙げています。特に多くの人が、2011年3月に起きた東日本大震災を機に、地域の絆の重要性を認識したはずです。
広報さがみはらでは、おそらくあえて言及していないのだと思いますが、住民の自治会の加入は、自治体側にとっても重要な要素です。近年の、多様な住民サービスと逼迫した地方財政の状況では、自治体側としてもそれを住民の「協働」に基づく、自治会をはじめとした住民力に頼るところは大きいでしょう。このように広報誌を通じて、いかに自治会への加入を促し、地域の絆と住民力を高めていくかは、今後の行政広報の抱える課題でもあります。ただ漠然と、自治会への加入を住民に訴えるのではなく、広報さがみはらのように、効用をしっかりと伝えていくことで、それを実現できるのかもしれません。
- [筆者]日本学術振興会 特別研究員、北海道大学大学院 国際広報メディア・観光学院 博士後期課程 野口将輝
- [参考]広報さがみはら 平成27年10月1日号
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