<武蔵野市議のブログより>
8月2日に行われた東村山市議会の議会報告会を見学させていただいた。二回目ということもあり、以前行われていた時よりも落ち着いていた感じはした。しかし、どこの議会でも同じように課題は残されていると思えた。
議会報告会は、議会基本条例で定めたことから実施されたもの。東村山市議会は、マニフェスト研究所による議会改革度ランキングが400番台から52位へ。日経グローカルの議会ランキングでも419位から36位へと急上昇したことで注目されている議会でもある。
■論点の明確化
今回実際された議会報告会は、6月定例議会の報告、意見交換を行うもので、金曜日の夜と土曜日の午後に開催されている。内容は審議結果を報告する前半と参加者と意見交換をする二部構成となっていた、
報告部分では、議員から審議での論点を説明していたことを聞くと、議会での審議が論点を明確にするように行われているように思えた。採決のさいに討論(賛成、反対を議員が表明する)での論点を引用し、どのような理由で賛成した議員がいたのか、同じように反対した議員がいたのかが分かりやすくなっていた。
議会基本条例ができる前と後での審議内容がどのように変わったのか、審議を傍聴したことはないので分からないが、議会報告があることで審議の内容が変わったのではないか、と思えるものだった。
議会決定機関であり、決定する理由は何か。賛否の理由や何が論点、争点であり、どのような選択肢から決定したのかを説明する義務を持っている。このことを考えると、今回の説明手法は参考になるものだった。
■市民に理解されているか
しかし、参加した市民からは、市長が行ったタウンミーティングで回答に納得できないので説明して欲しいとの質問があり、市長と議会とは別機関であり、役割が違うことを理解されていないように思えてしまった。
議会報告会とはそもそも何のために行うものであって、受け取った質問や意見をどのように処理していくのかを理解してもらえる説明が必要なのだろう。東村山市議会で当然行っているとは思うが、伝わり理解されていないのでは意味がない。このことは、他の議会でも課題だろう。
また、請願に反対した議員の考えを聞きたいとの質問もあった。議会全体としてでしか答えられないので、議員個人に別の場で聞いて欲しいとの返答だったが、市民側からすれば、議員それぞれの意見を聞きたいものだ。特に請願を提出した市民の方が参加されていたようなので、なおさらなのだろう。
議会報告会は、議会として行うので議員個人の意見を表明しないとする議会は多いが、誰のために行うのかを考えると、課題ともいえそうだ。
■大きな二つの課題
報告会が終わり、会場を出たところで参加した市民の人が「今回は優しい質問にしたよ」と話し合っているのを聞いてしまった。市民がどのような思いで参加しているかまでは分からないが、敵対関係ではなく、ともに市をよりよい方向へ向かわせるパートナーになれないものだろうか、と考えてしまった。
ある東村山市議が「議会が伝えたいことと市民が知りたいこととのギャップが最大の課題なんだろうな」としていたが、ここの二つの課題をクリアすることが、議会報告会が活性化することにつながるのだと思う。
いろいろと参考になる報告だった。回数を重ねると参加者が少なくなることが多いため、今後にも注目したい。
そして何より、武蔵野市議会でも行うべきと、あらためて思った。
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