<宮代町議のブログより>
8月26日(火)
すこしがっかり「構想日本」フォーラム
昨晩6時30分からの「構想日本」203回J・Iフォーラムに出かけました。久しぶりです。
タイトル「地方議員ーどん底から反転へ」にひかれたからです。
結果、あまりわくわくした内容にはならなかった。まして、議員としての細胞が刺激を受けるほどでもなく・・・。なぜか・・多分、討論者の人選があまりにもイージーだったからではないか。(公募してみたら・・・)
ステージ上には、①兵庫県議会議員、②戸田市議(29歳の女性新人議員)、③岩手県葛巻町議員、④茨城県守谷市議、⑤北九州市議、⑥東京都港区議員(子育て中シングルマザー議員)という肩書の人たちがディスカッションのテーブルに着いた。
兵庫県議会議員は、話題の「号泣会見」議員の現場だから必要なキャストかも。2人の女性議員は、女性分野が苦手とみえる「構想日本」らしい人選、他の登壇者は、政令都市やそれなりに自治体規模が大きい市議会議員だった。
たった一人岩手県葛巻町だけ人口6000人という自治体議会。町村は報酬月額21万円というのが相場だが、葛巻はもう少し「多いよ」という。政令市の北九州市議会となると、報酬1300万円+政務調査費450万円、県議会なみの報酬だ。
ところで、地方議員が、報酬の割に低レベルだというのがわかったのは、このところ東京都議会、兵庫県議会、大阪府議会などで(どうしようもない議員)がひんぱんにメディアに登場したから。
都道府県議会の低レベルは今に始まったことではなさそうですが、自治体議員や国会議員ほど人目にさらされることも無く、いったん当選しちゃえば4年間高収入と、スペシャルな待遇が続く(おいしいお仕事)だったのに、である。
昨晩は、それなりに精力的な活動報告があり、先進事例と言っていい議会であり、有意義なフォーラムでした。しかし、「反転させる」という刺激的なタイトルに見合うと思われる材料があったか、というとがっかり。私は聞いていて消耗した。
(まっ、いいか、構想日本会員は無料だし、少しためになったから)程度の収穫だった。アンケートは途中で書くのをやめ、後刻、送ろうと思い、(アンケート)用紙はそのまま持ち帰った。
おもしろかった葛巻町
その中で、人口6000人の葛巻町の議長の話は面白かった。議長在職10年以上で県・町村議長会で表彰されたというつわもの(埼玉県ではありえないけど)
葛巻町は430㎢という広大な面積の自治体。国の補助金を活用して、すべての家庭に光ファイバー接続。だから議会傍聴はめったにいないけど、家庭に居ながらいつでも議会の様子は放映されている。議員は10名。通年議会をスタートさせた。
議員は住民の中にいかに出向いていくか、だ。。町の中では、議員は常に監視されているようなもの。町村議会で、報酬が安い。そんなところに何で立候補する?というわけで補選でも候補者がいない。議会から4人ほどに折衝して立候補を頼むほど。
※大きい自治体、県議などが「議会改革をやらなくては」「人口規模に見合った報酬」「ある程度の報酬は必要。ボランティアの議員活動では選挙ができない」と言っている。言葉は選んでいるが、これまでの発想、見解とちっとも変っていない。(これで≪反転≫できるかって!?)
こんな新鮮味のない意見の中、葛巻町議長の中崎さんの言葉はインパクトがあった。賛成するとかしないとかじゃなく、(なるほどー)(わかる、わかる)という反応はできるのだった。
語録
〇「議会基本条例はブームだったけど、実際機能しているところは少ない。 〇議員はみんな「みなさんの代表として頑張ります」というけど「会派の中でやっているのが現実」 「執行に立ち向かうのに議員一人ではできない。議会が全部で向き合うから執行に物が言える そのために(条例にあってもなくても)議員間討議を活発にしなければならない 〇小さい町では住民の中に入って膝詰め談判だ。
〇行政はアンケートを取る。住民は必ず「今の場所に、今の規模の施設を」というだろう。答えている人の多くは70代だ。議会は同じことをしない。保育園や学校に出向いて行って、違う世代に意見を聞く。
〇議会の仕事を絞る。地域の課題は何かを突き詰める。今年は何をやるか・・でもいい。〇議員それぞれの顔は(住民に)ワレている。地域に何をもってきて、というエゴはもう無くなった。
〇国の委任事務のような議案は専決処分でいい(くらいだ)。大事な議案で議員はまとまらなくては。
発言は面白かった。もちろん、(国の法改正などの議案は専決処分でいい)発言にそうだ、そうだと賛成するわけではないが、(なるほどー、そんなもんだ)
「何をするか」を絞り込んで本腰でやるのは、議会としての本旨なのだと思う。地域がどう生き残っていくかなんだという議長の発言を裏打ちしているから面白いのだ。
県議や大きい市の議員が「みなさんの意見の見える化を図る」「サイレントマジョリティー」の声を生かしたい」「年に4回議会のあと駅頭で自分のチラシを配る」「身近な会合・イベントに出かけ住民の声を聴く」「政策立案能力を磨く」と言っているのと、葛巻町の住民接点はかなり違うようだ。
ポスターでやるか、膝づめでやるか
つまり、ポスターやキャッチフレーズで選挙をやるのと、膝詰で選挙をやるのかの違い。あるいは「どこでも顔を売らなければダメ」と、「顔がワレちゃっている」のとの違い。
年頭あいさつ、夏祭りなどに、あちらにもこちらにもいっぱいいらっしゃる雲の上議員。「顔見せだけが仕事なんじゃないの」とかんぐりたくもなる。
ポスターやキャッチ選挙がうまくいって当選すると、立派な仕事をする人もいるが、中には「おいしいお仕事」がバレて、号泣会見になったり、ロリコン逆切れ会見になったりする人が出てくる。
フォーラムが終わって
フォーラムが終わると、お目当てのパネラーを取り囲み、名刺交換をするかたまりができる。構想日本のおなじみの光景だ。(この後、毎回、場所を移して懇親会4000円 私は1回だけ参加したことがある)
私は、真っ先に葛巻町議長のところへ。名刺をだしながら(少々イレこみ気味に)「面白かったですよー。名刺ください。私はこういうものです」と私。葛巻町議長「あ~、宮代町?! うちの町の材木使ったんじゃないの。よく知っているよ」
そうなんですかー。広大な森林を持つ葛巻町から、わが宮代町の(住民こだわりの木造庁舎)に、たくさんの国内産材木が運ばれ建設されたんだけど、葛巻の木も・・。私「自慢の庁舎なんですよ、うちの役場。それにしてもおもしろい議会ですね。今度研修にいきたいですよ」議長「ぜひ来てください。埼玉県議会も来たよ」私「へぇー、県議会が・・。参考になったかな」
議長「総合条例あるよ」 私「議会の総合・・?」 議長「そうだよ」 そりゃー、面白い。
※ 地方議会を「反転させる」と銘打ったフォーラム、年収2000万の県議会、それに近い報酬の大きな自治体議会。議員削減には議員自らがが後ろ向き、なんて言っていた人もいました。
そんなことより、増やしたらいいじゃないの。報酬を半分にして議員を増やす方が「反転」の可能性があるよ。そう発言したかったけど、発言しないまま、時間切れ。消化不良。
「ある程度の報酬は必要」といった議員。自分の顔が入った大小の封筒を発注したり、事務所を持ったり、、、。最初に高額な報酬ありきだから、そんなものが必要経費になるんですよ。
葛巻町議長が言っていた語録のとどめ:「待機児童の解消に取り組んだ? 40年後はどうなの。うちは高齢化率50パー、だけどしょげていないよ。10年後、40年後成長している」
消化不良だったけど、エキサイティングなフォーラムでもありました。
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