<TBS Newsより>
議員の政務活動費の使い方や問題発言など、地方議会の基本的なあり方が問われている中、今回は「地方議会の憲法」とも呼ばれる条例に着目します。
「議会の『見える化』というのを進めていこうということで議論して、議長席の背面の所に150インチの大型スクリーンを設置して」(四日市市議会
中森愼二議長)
情報公開の徹底を目指す三重県四日市市議会。各議員が議案に対しどう採決したか、傍聴者が一目でわかるように、議場内に大型スクリーンを設置する方針です。早稲田大学のマニフェスト研究所がまとめた地方議会の改革度で、四日市市議会は全国2位にランクしています。さらに、全国でも珍しい試みを始めました。
「8月定例議会に意見募集を行う議案の資料等を掲載している」(四日市市議会事務局 大森陽司課長補佐)
27日からの定例議会で審議が予定される保育の実施基準見直しやいじめ防止対策など、4つの条例案をホームページ上で公開し、市民から意見を募っています。審議の参考材料にするというのです。議会が主体となって開会前から市民の意見募集を行うのは異例です。
こうした活動の根拠となっているのは、議会基本条例です。
「議会は、議会活動に関して市民等に対し情報を公開し、市民等と情報の共有に努めなければならない」
議会基本条例とは議会や議員の果たす役割などを定めたもので、「地方議会の憲法」ともいうべきものです。
「(特に若い)市民と議会の距離をぐっと縮めていくきっかけになればと」(四日市市議会 中森愼二議長)
しかし、全国およそ1800ある議会のうち、制定されているのはおよそ500議会にとどまっています。四日市市議会以外にも、情報公開などで改革が進んでいるとされるベスト100の議会では、96議会がこの議会基本条例を制定しています。これらの議会の多くは、情報公開や住民参加が基本条例で保障されています。例えば、四日市市議会ではこんな条文もあります。
「議長は、議会における決定事項について、積極的な情報の発信に努めなければならない」
では、基本条例が制定されていない議会では、どのような弊害が・・・?セクハラヤジ問題に揺れた東京都議会。日本最大の地方議会である都議会は、議会基本条例を制定していないのです。議会改革度のランキングでも、47都道府県中、42位と低い評価。ヤジ発言について、認めた議員以外のヤジについての調査は先月末に打ち切られました。その経緯について、議長や議会から詳しい説明はないままです。専門家は、情報公開を進める基本条例がないことが、調査があいまいなまま終わってしまった1つの理由と指摘します。
「本来、条例があると、それを守らなければ いけないとなるので、条例がない故に罰せられないという逃げ道があることにつながる」(早稲田大学マニフェスト研究所
中村健氏)
都議会事務局によれば、基本条例をつくる動きは、今のところないということです。
一方、議場での発言やツイッターなどの情報発信について、基本条例で制限を設けている議会もあります。宮城県の岩沼市議会です。
「確たる事実に基づかない発言及び情報発信を行ってはならない」
もともとは、特定の議員が議会や他の議員の中傷を繰り返したことから、去年、基本条例を改正して付け加えたということです。ですが、この改正については「言論の封殺につながる」など、懸念する声も上がっています。市民に開かれた議会にするにはどうしたらいいのでしょうか。議会基本条例がそのカギを握ります。(25日23:30)
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