<多摩市議のブログより>
ただいま活動報告のレポート配布中です。暑さにバテバテでなかなか思うように配布できないです。でも今月中には配布完了させたいと思います。
さて、昨日に引き続き会派視察の報告です。今回の北海道視察で最もメンイだったのは実は「ニセコ町」でした。会派の中で私としらた議長以外は10年ほど前に、ニセコ町にヒアリングに行ったことがあるそうです。ですので、「その後のニセコ町」を知るという意味でもとても有意義な視察でした。
多摩市と同様に自治基本条例(ニセコ町の場合には「まちづくり基本条例」と言う名称になっています。)を制定していますが、条例には「見直し条項」が設けられているため、見直す箇所があるかないかは問わずとも、4年を超えない中で一度は条例全体の見直しを行うことになっているところがまずは大きな違いですね。必ず、点検作業が行われるため、条例が風化しないというか、忘れ去られることがないというか、ちゃんと根づいたものとなり、時代錯誤もなくなり・・・・という効果抜群です。多摩市の場合には何年たっても・・・・どこか誰かが「見直そう!」と言いださない限りは、そのまま生き延びていく条例となっています。自治体の「憲法」と意識をすれば、日本国憲法同様に可変的すぎても困るのかもしれませんが、しかし、条例として絶えず時代環境、状況に適合しているものなのかどうかを見極めていく作業ができることは市民に条例を定着し、そしてまた、議員にも条例を意識する機会にもなり、やはり羨ましいことです。
ニセコ町。人口規模なども全く多摩市とは異なり、即比較することもまた難しいわけですが、しかし、行政にとって都合のいい・悪いではなく、できるだけ情報を公開していこうとする姿勢、今では業界関係者?には広く知れ渡っている「わかりやすい予算書」の全世帯への配布、、、さらには、予算編成時の各担当部署の町長への予算査定ヒアリングまでもを公開しているという点。「町民に隠すことはない。」というよりも、「町民に知ってもらうことが何よりも重要であり、必要。」という立場から可能な限りオープンにしている点は見習うべき点が多いですね。写真は例えば、「今年度の道路工事の場所についての『わかりやすい予算書』での説明」・・・・ものすごく具体的ですよね。そしてまた財源の内訳、国や道からの補助金がどれだけあるのかをきちんと示すことによって、一見、予算が大きく見えるものであっても町負担は「これだけ」を理解することができるとの話です。
各担当部署の町長予算査定ヒアリングについては、傍聴者の町民の皆さんからは・・・「例えば、職員は町民からの要請に応えて、一生懸命仕事をしている。伴う予算も起案している。でも、町長が予算を認めなかったんだ。」ということも明らかになり、当初は職員の抵抗感もあったようですが、それほど心配することもなかった気がするとの感想があることを教えていただきました。むしろ公開する方が、調整に対する町民理解の広がりが見えてくるということですね。同じこと、多摩市でもやるとなるとおそらくものすごい抵抗感あるでしょうね・・・きっと。規模が大きくない自治体だからこそ、できることなのかな?とも思ったわけですが、片山町長は「規模の大きさは関係ないと思います。」と。
財政民主主義。
この言葉を改めて思い起こしました。説明をしてくださった職員の方も「1円からも税金。町民に対する予算責任を果たしていく。」との話が。さらっと口から出された言葉、あまりにも自然体でした。
そしてまた・・・・。このところの多摩市は不適切な事務処理問題など・・・相次いでいるわけですが、ニセコの町役場はすごい!文書管理、ファイリングも徹底されていて・・・・。庁舎内見渡す限り・・・・机の上に乗っかっているのはパソコンのみ。都内の某民間企業オフィスに伺ったときの光景が広がっていたのもびっくりでした。
文書管理システムの導入で飛躍的に文書の管理に効率性が増したということ。そしてまた、仕事のフローなども後からでも共有化でき、人事異動しても「前にどうだったのか」をきちんとトレースできるようになっているそうです。とにもかくにも見通しの良さ。各職員さんの机は広々。庁舎が狭いとか云々とかって問題ではないですね・・・・きっと。仕事が捗りそうと見ている方の印象です。
情報を適切に公開していくために、情報を適切に保存をしていく。
それが徹底されていることは、こうした様子からも推測するわけですが、やはり、ここまでたどり着くための職員全体の意識共有という点では組織の大小問わず、きっと苦労はあったはずですね。組織規模が小さいからできるとか、大きいからできないとか・・・そういう問題ではないとの片山町長さんの弁ですが、そこにはリーダーシップ、職員の意識改革、モチベーション向上が何よりも欠かせない。何となく曇より感漂う、我が多摩市と比較してしまいました。
また、議会はどう?議員の意識などはどう変わっているのか?・・・についても尋ねてみましたが、町長さん曰く「非常にみなさんレベルが高く、質が高い議論をしている。」とのことでした。例えば「あそこの道路をなおさなければいけない。」との指摘があれば、「そう言えば、他にも同じような箇所があった。」というような格好で、全体に目を向けながら、仕事に取組んでいくような空気感があるとのことでした。議員、議会も自ずと仕事のスタイルが変わっていかざるを得ないのでしょう。必要な予算については、即対応しなければならないこともあるし・・・というわけで、臨時議会は月1度ペースで開くそう。これまたビックリ。随時、必要なタイミング、財源確保できた時点で補正予算を提出しているそうです。
町民に情報公開することで、仕事はしやすくなっていく。それは、きっと町政に対する信頼感が高まっていくこと他ならないのでしょう。 どんなにか情報公開しても、信頼感が高まっているとは言い難い状況がある場合、そこにはどんな問題があるのかしら?と考えさせられますし、考えなければならないとも思っています。
もちろん、ニセコ町も課題はあります。例えば町民の参加についても、参加者伸び悩みなどもあります。とは言え、「一人でも参加者がいれば説明することが大切。話を聞きたいという人がいたら、たった一人の人であっても説明しなければならない。」という意識で取組むことの必要性を感じるというのも職員さんの話。「なるほど。」と感じますね。参加者が少なければ、「やめる」という選択をしがちですが、決してそうではないところにもニセコらしさがある気がしました。「ニセコで育った子どもたちが、ずっとここで活躍をするわけではなく、いずれもっともっと広いフィールドで活躍をしてくれる・・・・でも、ニセコで育った子どもたちは、それぞれの環境で納税する一人として地域に参加してくれるようなそんな大人になってくるといいなあと願っています。」・・・これも職員さんから聞いたお話。多摩市で育つ子どもたちもそうなってほしいなあともちろん感じました。
さあ、「もっとしりたいことしの仕事」・・・多摩市版でも作成できたらいいなあ。「ほとんど、興味を示さないだろうし、配布するだけ無駄」と言う考えを捨てて、やっぱり、興味を持ってくれる人を増やすための努力・・・・コツコツの積み上げが求められるのでしょうね。ニセコ町でも長年の蓄積があってこその今。取り組まなければゼロ。取り組めばちょっとずつでも前に進む。どちらを選ぶ?が問われている気がします。
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