2014年11月18日火曜日

こんな議員を選んではいけない! 地方議会の裏側

JBpressより>

マット安川 ゲストに川崎市議・三宅隆介さんを迎え、安倍政権が進める地方創生政策の解説や身近な税金と暮らしの関係など、地方行政について幅広く伺いました。
 

<地方議員は会派の縛りから脱し、自由に発言・行動すべし>

 
三宅 私の党籍はまだ民主党にありますが、川崎市議会の会派構成では無所属です。地方議会というのは、基本的にはあまり会派の拘束に縛られないで、各議員が自由に賛成・反対、あるいは発言していくことが望ましいと、自分が無所属になってよく分かりました。

 というのは、選挙の時はみなさん個人でいろいろ主張して当選するんですが、当選すると会派に所属して、会派の拘束に縛られる。それで本当は賛成なのに、会派のしがらみで反対したりすることになる。これは有権者の信頼を裏切っている形になるのではないかなと思います。

 いま国家債務が大きな課題になっています。実は国家予算の6割近くは、地方自治体を通じて支出されるんです。税金ベースでいうと、税金の8割にも上ります。だから地方自治体がいかに改革できるか、ムダ遣いをなくすかということが、国家財政再建のカギを握っている。

 ところが、会派主導の議会になっているので、ある種、行政と大きな会派との馴れ合いみたいなところがあって、チェック機能を十分には果たせていない。これは川崎だけではなく、どこの地方議会も同じです。

 なぜかというと、会派というのは行政にとっても都合がいいんです。各会派の親分さえ押さえ込んでしまえば、条例案や議案はスルスルと通る。もし会派がなくなって、一人ひとりの議員がそれぞれの判断で賛成・反対ということになると、行政は一人ひとりの議員を説得して回らなければならない。手間がかかる。

 だから、会派でまとまってくれているほうが楽なんです。会派はあっていいんですが、意見を表明する時、あるいは評決する時には自由に判断することが望ましいのではないかと思っています。

 そもそも、地方議会の情報はマスコミに取り上げられることが少ない。僕は国会議員の秘書をやっていたので分かるんですが、国会議事堂の中にはマスコミの記者が普段からうろうろと歩き回っている。だから国会議員はみなちょっと緊張感がある。

 地方議会はほとんど記者が来ないので、常にマスコミに監視されているという緊張感が薄い面はあると思います。

 

<地方の党公認候補は国会議員の都合で選ばれる>

 地方議会の政党の公認候補は、簡単にいうと、その地区の国会議員の選挙の都合で選ばれるということが多い。

 本来、川崎ならば川崎という地域の問題をしっかり把握して、その地域ではこういう人材が求められているのではないかということを勘案して、資質を調べて、そういうことを全部含めて公認候補にすべきです。

 しかし、この人は自分の選挙の時に応援してくれるか、自分の政治活動に協力してくれるか、どういう票を持っているか、ということが第一にあって、地域のため、というのは二の次、三の次になっている。

 川崎のことをまったく知らずに議員になると、一から勉強しなければいけない。しかし当選すると、次の選挙のことが重要になり、勉強よりもそっちが本業になってしまう。お祭りや地域の行事に出ることに一生懸命で、自分の政策、有権者が何を求めているかは後回しになってしまうというパターンが多い。

 僕は市議会の定数削減を言い続けていて、前回の選挙では3つ減りました。もっと減らしたいんですが、ここでも会派のしがらみがあって賛同していただける方が少ない。国会も同じで、国会議員に定数削減を求めても、結果やらないですよね。国会の定数削減の話はどこにいったんですかね。

 そこで提言しているのは、ある選挙区において白票がトップ当選者よりも多かった場合は、その選挙区の定数を減らすというのはどうかと。

 いまは白票はただカウントされるだけでなんの効力もない。有権者が白票を投じることによって定数を削減するような仕組みをつくったらどうか。議員を減らすことによって議員の資質もある程度上がってくると思います。

 

<地方議員はプロフェッショナルでなければいけない>

 地方議員はボランティアでいいという人がいますが、僕はそうではないと思っています。プロ意識のある人にやってもらわなければ困ると思うんです。これからの地方議員は、例えば川崎市の税収をどうやって上げていくか、どういう経済戦略を持つか、そういうこともきちんと発想できる人でないといけない。

 そのためには少なくとも地球儀と歴史年表くらいは頭に入っていなければ困ります。経済戦略を考える時も、国内だけではないですから。川崎も国際競争の中にさらされ、川崎の企業も海外に出ていかなければいけない。

 従来、川崎市が海外市場の開拓という時に浮かんだのは、中国、韓国、ベトナム、タイくらいです。しかしこれからは、例えばインド洋経済圏です。

 ここは主にイスラム教ですが、巨大市場です。日本にとってはほとんど手つかずの市場で、ここに進出するためには当然イスラム教に関する知識が求められます。ところが、日本ではイスラム教徒というと怖い存在、みんなテロリストだと思っている人もいるくらいです。そんなことはありません。

 僕はムスリム市場の開拓に力を入れようということで、川崎市職員や商工会議所などにムスリム市場の勉強会を開くようお願いしたところ、川崎の商工会議所が理解を示し勉強会を開いてくれました。

 地方議員もこういうことを考え、発言し、指針を示せる人になってもらいたいと思います。地方議員の役割は非常に重要なんです。号泣議員などを選んでいる場合ではありません。

安易なSNS利用は危険、デジタル情報は海外に漏れている

 これからの行政は、すべてデジタル情報の管理です。2016年からマイナンバー制度が始まります。個人の税金や社会保障などのデータを一括管理する。そういう市民一人ひとりの情報をどうやって行政が守るかが大きな課題になってきます。

 ところが、これは現実にあったことなんですが、川崎市の職員が役所の自分のパソコンで、中国の百度(バイドゥ)という会社が作った日本語入力ソフトを使っていた。このソフトは、情報がある程度盗まれるような仕組みになっているそうなんですね。

 あるいは、グーグルの共有メールなどは無料だからみんな使うわけです。仕事の情報などをやり取りする。しかし、グーグルなどはすべて政府の情報機関の一部だと思わなければいけない。また、LINEのデータセンターは韓国の釜山にあります。

 ということは日本の個人情報保護法は適用されないということです。情報を抜かれたって文句を言えないんです。やられ放題の状況だと思います。

 よく政治家がフェイスブックやってますとか、このあいだはLINEで女子中学生とケンカしていた地方議員もいましたけれど、政治家としての見識を疑います。デジタル情報は本当に怖いですよ。日本の政治家の愛人スキャンダルなどはおそらくだいたい米国から出ていると思いますよ。


 

0 件のコメント:

コメントを投稿