<武蔵野市議のブログより>
福岡県志免町にある「リリーフ」を視察した。子どもの権利条例に基づく施設で、子どもがほっとして安心して過ごせる場所。不登校支援施設も併設している。
視察は市議会文教委員会で行ったもの。「リリーフ」は中学生から18歳までが対象。NPOが運営し、大学生などがサポートスタッフとなっている。子どもが好きな時間にふらっとやってくると、ひとりで本を読むことやボードゲームなどをすることができるが、スタッフがお兄さん、お姉さんがわりとなり、会話をしたりゲームをしたりすることで人間関係をつくり何気なく相談に応じたり、気晴らしができるようになっている施設だった。
また、施設内には不登校の問題があり、中学生までとはせずに小学生高学年までを対象として無料で学習支援を行う「ぐんぐん」が同じ施設内にあり、同じNPOが運営していた。学校の授業の補修ではなく、どのように学習をするのか、学習する時間を作ることや学び方を覚える学習支援機能を持つものだ。町の適応指導教室としての役割を担っている。
どちらも、追たてられるような毎日から離れ、自分の時間の流れで過ごすことができる、そして、学校や家庭以外の人と話ができる場所ということになる。
開設されたのは平成19年。今ではこの施設に遊びに来ていた子どもが成長し、スタッフになるケースもあるという。地域の人づくりにもなっていることになる。
■自分を主張できない子どもの居場所
武蔵野市では、高校中退者を想定した支援事業を吉祥寺図書館の一室を使い、やっと試行的に始まったばかりだ。定期的に開設はされていない。
武蔵野プレイスの地下に青少年スペースがあり、ここが居場所とはなる。このことは良いとしても、積極的に自分を主張できない、あるいはひとりで殻にこもるような子どもには対応しにくいのではと思っていたので、騒がしくない「リリーフ」のような場所の可能性を感じた視察だった。武蔵野市では、どこかに可能性があるか考えてみたい。
しかし、交通の便がいいようではなく、町の中心街でもないことが影響しているのかは分からないが、話を伺うと訪れる子どもの数は少ないという。集会施設を改装してこの事業を行っているが、費用を考えると今後、続けられるのかどうか、少々不安に思ってしまった。子どもの権利条例に基づくとしているので続けて欲しいが、どこまで費用をかけ続けるかは課題になりそうだ。
■児童館
今後がどうなるかは志免町で考えるしかないとは思うのだが、気になったのは志免町には児童館がないことだった。町という自治体規模を考えると難しいのだろうとは想像がつくが、本来は児童館の仕事ではないかと思ったからだ。
これでまでに、いくつかの児童館で話を聞いてきているが、昼間、学校に子どもが行っている時間帯に不登校の子どもが遊びに来ることがあり、話し相手になることや相談機能が重要な役割になっているとの例をよく聞く。全ての児童館がこのような役割を果たしているとは言えないだろうが、注目すべきだ。
武蔵野市の児童館は、児童館としての役目を終える可能性が出てきている。武蔵野市のただ一つの児童館がどのような機能を果たしてきたのか。今後、どのように機能が今の子ども、これからの子どもに必要なのか。施設を残す、残さないではなく、機能、ソフトとして何が大切なのか。どのような課題解決ができるからどのような機能、施設が必要なのかを考えなくてはならないと思えた視察だった。長期的な視野にたち考えていく必要がある。
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