投票日の夜は2時まで寝られなかった。川崎市の全7区の開票のなかで、筆者の高津区(定員9、立候補15)と注目していた中原区(定員10、立候補16)の開票が遅れ気味で、特に中原区が決まったのは、1時を過ぎていたのだ。
『統一地方選挙2015年・川崎市議会開票速報150413』
結果は以下である(下の括弧内は前回2011年の結果)。
議員総数60(定数 10人区1 9人区4 7人区2)のなかで、
自民19 公明13 民主11 共産11 維新,ネット,川崎各1 無所属3
(自民17 公明13 民主13 共産10 みな6 無所属1)
前回はみんなの党が旋風を起こし、6名が当選。そのうち、今回は維新の党、無所属他に3名ずつが分かれたが、それぞれ当選1名、惨憺たる結果だ。特段の成果はもちろん無く、地域への浸透もそれほどでもないとすれば、支持票が限られるのはやむを得まい。それに投票率も各区共に、前回から5%程度落ち、40%ほどでであった。“みんな”の末路と言わざるを得ない。
自民の19議席は9人区各3で15名、7人区各2で4名、全員当選、それも1-3位の上位当選者が14位だ。公明の13名全員当選と合わせて、完全過半数(自公で正副議長)になる。これで2年半後に福田市長再選を阻止する候補者を立てるのか?あるいは取り込みを図るのか?問われる処だ。
共産党は得票数が全体で伸び、その結果、1名増加である。大勢に影響はないとはいえ、自己マンの世界ではある。民主は衰退が続く。議長経験者が落選し、後は労組依存と個人対応で組織政党のカケラ程度しか、残っていない。
その他の会派は全て1名で無所属3名と合わせても6名だ。
その中で光るのは、無所属の若き新人、重冨達也26歳(中原区定員10名)。
氏は「私に今できることは、議会改革を訴え、より多くの方に共感して頂くことです」と訴えて、堂々第5位で当選!組織の引継、親子の引継がある中で、真正の新人として、今後の選挙のあり方を鮮やかに提示、住民の支持を集めた。
具体的には、氏は川崎市で初めて、議会による市民への「議会報告会」開催を主張した。しかし、今回の自民党の伸長をみると、直ちに、議会報告会開催とはならない。当然、重冨新議員としては、市民への報告会を開催するだろうが、普通に開催したのでは、議会報告会ではなく、議員報告会になってしまう。
個人であっても良い、議会報告会を開催すべきであろう。議員が自らの発言を中心に報告するのは「議員報告会」である。一方、議会の内容を何らかにまとめ、“市政の課題・論点・争点”を明らかにするのが「議会報告会」である。先ず、主要会派の代表質問、委員会審議の主要案件をまとめる必要がある。駅頭などで行っている議員報告とは、全く異なるものになるはずだ。
これは、ある点で行政報告の側面を持つ。しかし、それを議会での議論から導くことは、行政の説明を鵜呑みにするのではなく、施策における問題点を知ることが必要であるからだ。ここに市民にとっての議会、その存在価値があるのだ。
議員は、議会と住民を繋ぐ役割を担う。
一方では、代表性を有し、住民の意思を把握して討論によって議会の意思を動かす。議会の意思は議員によって、住民に知らされ、住民もまた、討論の中から議員へ意思表示を行う。
『ヘルメスとしての地方議員~票と利益の交換を超えて』
また、議会は決算から始まる。それは、後を向きで前へ歩く、ことに例えることができる。既に終わった仕事を検証することで次年度の予算に対して、何らかの形において、変更を加えることだ。
『地方議会における決算・予算・実算~後向きで前へ歩く』
上記の視点から、改めて地方議会像及びそれを動かす地方議員像を再構築することが必要ではないだろうか。
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