本来、最も身近なはずの川崎市政を透明性のある”目に見える政治”に変えたいとの想いから、この紙面において、およそ月1度以上のペースで掲載を続け、4年間でNo.59まで報告を続けて参りました。今回は、なかでも”改革”に対する思い入れが強い『議員特権』について取り上げます。この間、特権の象徴とされたのが、『議員年金』です。これは、25年以上納付する国民年金に比べ、3期12年で支給される制度設計となっており、3期以上のベテラン議員の中には、現在も受給資格を持つ方もいますが、国民的な議論の末、不要の産物である事は明らかで、ようやく廃止することが出来ました。
残された議員特権とされているのが『海外視察』です。この任期においても震災復興等の影響も考慮されましたが、自民・民主(私は、凍結・廃止を訴え辞退)・みんなの3会派の議員が欧州・欧米組に分かれ視察。その予算は、議員1人当たり80万円が上限と設定され、仮に60人全員が視察に行くと最大で4800万円もの血税が投入される計算です。帰国後、速やかに報告書が作成されますが、その視察内容がどのように市政に反映され、活かされたのか検証するような機会はこれまで乏しく、各会派の議場での質疑などに任されているのが現状です。昨年、号泣会見を皮切りに、自民党都議による”セクハラヤジ”や県下では、同党県議による”危険ドラッグ使用”など、地方議員の不祥事が相次ぎ、海外視察においても同党北海道議が視察先へ向かう旅客機内で飲酒の末、席を倒す角度をめぐり前後の乗客と口論になった上で、客室乗務員に対しても罵声を浴びせトラブルになり責任をとって辞職するなど、そのネタに尽きません。
例の号泣会見でクローズアップされる事になった『政務活動費』についても、より透明性が求められています。川崎市議会では、領収証の添付はもちろん1円から必要である上に公開もしていますが、情報公開の利便性向上と市民監視による議員意識の醸成のためにも議会局ホームページなどへの公開も必要と考えます。
最後に、「政治家の常識は、世の中の非常識」と言われています。政務活動費を略すと”政活費”になりますが、議員の第2の給料…”生活費”とならぬよう地方議会改革は、まずもって議員自ら襟を正す姿勢が求められていることは、言うまでもありません。
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