若い世代に市議会を身近に感じてほしい―。千歳市議会は21日、議員と千歳勇舞中学校の3年生による交流学習会を初開催した。市議会が議会改革の一環として位置付ける取り組み。同校を訪れた市議全員の23人が6学級の約230人と対話した。生徒たちは市議から直接、議会の仕組みの説明を受け、まちの課題についても活発に意見を交わした。市議と、あと3年で18歳を迎え、選挙権を得る生徒たちが一緒にまちづくりを考えた。
昨年5月、投票率が5割を切った千歳市議会議員選挙。若年層を対象に市議会への関心呼び起こしを図る議会改革の一環として、市議会議会運営委員会(松倉美加委員長)が中心となり、開催に向けた準備を進めてきた。
学習会は市議会の概要説明で始まった。市議が所属する産業建設、厚生環境、総務文教の各委員会別に6学級に分かれ、有権者が選挙を通して市議会議員と首長を別々に選ぶ「二元代表制」の仕組みのほか、市政のチェックや議決など市議会の仕事を伝えた。
実際の議会の様子もモニター画面に映し、行政からの議案説明と議員からの質問、理事者の答弁の流れも見せた。
その後、生徒たちは市議から聞いた▽中心商店街の活性化▽観光振興▽給食センターの在り方―といった市政課題について解決策を話し合った。
「中心商店街」をテーマにしたクラスでは活性化のために「無料の駐車場をつくる」「若者が好きな店をつくる」などの具体的な意見も上がった。「給食センター」がテーマのクラスでは、残食を減らす取り組みとして「バイキング方式にする」「食堂をつくればいい」などの提案もあった。
学習会を通して、生徒たちは今までより市政を身近に感じた様子。田中寛大君は「議員の皆さんが僕たちのことを考えてくれていると知って感謝。一つの議案を長い時間(の審議)で決めるのはすごい」と感想を話した。
学習会のきっかけは勇舞中生徒たちの取り組みが発端だ。昨年8月、同校3年1組の生徒7人が学校祭での研究発表向けの取材で、市議会を訪問した。「どうしたら自分たちが政治に興味を持てるか」をテーマに、公約や議会活動について市議6人に話を聴いた。
文化祭での発表を目指した取り組みが今回の「学習会」に発展した。当時のグループ代表だった猪俣晴生君は「このようになってうれしく思う。今年だけでなく、来年も取り組みを続けてもらえたらうれしい」と話していた。
市議も大いに刺激を受け止めていた。筋道立てた大人顔負けの意見を言う生徒に目を見開き、じっくりと耳を傾けるメンバーの様子が目立った。初の「学校出張」の取り組みが実り、松倉委員長は「学校に協力していただけたのは大きかった。市政に対して生徒の皆さんの興味を引く一端になったのではないか」と手応えを感じていた。
0 件のコメント:
コメントを投稿