宮城県議会の議会改革推進会議は、東日本大震災から3年間の活動内容をまとめた「県議会震災記録誌」を作成した。未曽有の大災害への議会としての対応を記録、検証し、今後の教訓とする狙いがある。災害時マニュアル策定の必要性など、安藤俊威議長に対する提言も盛り込んだ。
震災が発生した2011年3月11日、県議会は2月定例会の常任委員会開催日だった。畠山和純議長(当時)は地震発生から約20分後、議会庁舎玄関前で本会議を開き、「会議を開催できるときまでの会期延長」を決定。屋外で本会議を開いたのは県議会史上初だった。
屋外での本会議について、記録誌は「余震が頻発し、庁舎の安全確認ができない中、臨機応変の判断だった」と評価。
11年度当初予算案などを議決するため4日後の15日に本会議を開催した際、執行部の出席者を村井嘉浩知事ら3人に絞り込んだことを「負担軽減につながった」とした。
一方、一部議員には15日の本会議開催が伝わらなかったことを指摘。「ソーシャルネットワーキングサービスを使って情報共有を図った事例もあった」と紹介し、多様な連絡体制を構築する必要性に言及した。
提言は、夜間や閉会中の情報伝達方法などを盛り込んだ対応マニュアルをつくる必要があると明記。多くの議員から個別に被災地の要望が持ち込まれ、執行部側が混乱する場面があった点に触れ「要望などは、各会派代表者会議を通じ執行部に伝えるよう周知徹底を図る必要がある」と求めた。
記録誌はA4判、77ページ。県議会は300部程度を印刷し、県内の市町村議会、全国の都道府県議会に配布する予定。安藤議長は「議会改革推進会議で災害時マニュアル、初動期の議員活動に関するルール設定も引き続き検討する」と話している。
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