2018年9月14日金曜日

働き方改革 神奈川県内自治体、残業削減に効果 質問時間短縮…議会機能低下の懸念も

<産経新聞より>
政府が「働き方改革」を推し進める中、県内の自治体や議会ではさまざまな取り組みが進められている。残業時間の削減などが中心だが、一部議会では質問時間の削減が議論となるなど“行政のチェック機能”の低下を危惧する意見もあり、今後の動向に注目が集まりそうだ。
 働き方改革実施で、時間外勤務の1カ月当たりの平均時間が平成28年度の16・7時間から、29年度には14・9時間にまで減らすことができたのは、川崎市だ。
 ◆一斉消灯で促進
 川崎市役所では、午前11時半と午後4時50分の2回、定時退庁日を知らせる放送を館内に流し、定時が過ぎたあとは午後5時40分と同6時の2回にわたり、庁内の照明を一斉消灯する。業務を続けている職員はその都度、照明をつけ直さなければならず、帰宅へと心理が働く仕組みとなっている。
 地方議会でも改革が進む。議会開会時に、議員からの質問通告に伴う「答弁作り」は、質問通告が遅くなった場合、自治体職員の長時間労働につながりかねない。
 これらの悪循環を解消しようと、県議会は今年2月から各会派による県政全般に対する代表質問の通告締め切りを、これまでの「2日前」から「3日前の午後5時まで」に前倒しした。予算委員会での質問通告も同様の締め切りを設定しており、県議会局では「忙しい会期末は、残業削減につながる」とその成果を強調している。
 ◆4連休を取得
 議会と協力して連休取得を促しているのは海老名市だ。同市では昨年10月から、祝日とつなげて4連休以上が取れる平日を有給休暇取得推奨日と設定。今年3月の予算委員会の開催を1週間前倒しすることで、21日の「春分の日」を含めた4連休を取得しやすくした。市の担当者は「職員のワーク・ライフ・バランスを実現し、サービス向上につなげたい」と話している。
 ただ、議員や議会を補佐する自治体職員の勤務時間短縮のため、議会での質問時間を短縮することに伴う悪影響については、懸念も示されている。鎌倉市議会では、行政全般にわたる施策についてただす「一般質問」について、質問時間を現状の1人当たり2時間から1時間半程度に短縮を図るかどうかが議論となった。
 議会運営委員会では、提案した市議が「(質問時間の短縮は)効率的な議会運営のため」と主張する一方で、反対する市議からは「議会は真剣勝負。厳しい時間制限を行うと、職員の緊張感が薄れる。こうした時間制限は自殺行為だ」「(制限時間を厳しくして)枠をはめてしまうやり方は違う」と異論が噴出。結果として、現状維持の2時間に落ち着いたという。
 県議会局 県議会では平成18年4月1日、県議会事務局が議会の政策立案機能などを補佐する機関であることを明確に位置付けるため、事務局の呼称を議会局に改めた。

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