上越市議会が2018年8月21日に設置した定数と報酬などの見直しをする検討委員会。初回の会合は、議題の途中から非公開とされた。武藤正信議長は、理由について「その都度論議したことを即市民に報道されること自体好ましいことでない」などと発言。一部の議員は「議会は公開が原則」「議会制民主主義の根幹にかかわる」と反発している。
議会改革の一環
同市議会は若者や女性らが議員に立候補しやすい環境について検討するなど議会改革に取り組んでおり、今回、報酬や定数などの検討委を議長直属の組織として設置した。
初回の会合は、委員長、副委員長、名称を決めた後、非公開となった。
「決定した段階で公開」
委員会で武藤議長は「審議の内容を即公開するのか、結論が出てからか、事務局とも検討したが、議員の身分のに関することも出てくるので即公開ではなく、決定した段階で公開した方がいいという結論に達した」と非公開の理由について説明。「結論が出た段階ですべてのことを皆さんに出していくのが、こういったシビアな問題についてはいい」と話した。
大勢は議長に賛同
これに対して「結論に至る過程を含めて市民に知らせていくべきで、議会は公開が原則」(上野公悦議員)、「シビアな問題だからこそ公開すべき」(牧田正樹議員)など異論も出た。
しかし、「最初は腹を割って本音で話した方がいいし、最初は的はずれな意見が出るかもしれないので、一定の方向が出てから公開した方がいい」(田中聡議員)、「意思決定過程のさまざまな議論は整理してから公開する必要がある」(橋本洋一議員)、「議長の意見に賛成」(石田裕一議員)、「方向性が定まっていないので、整理された中で公開すればいい」(小林和孝議員)など、大方の議員が議長の考えに賛同し、報道陣は退席させられた。
「市民に先に走られても困る」
委員会終了後、報道陣の取材に武藤議長は「すべて非公開にするということではない。筋道がついてから公開する」と説明。その上で「あからさまに報道されると住民の方々がアクションを起こす」「市民に先に走られても困る」とも話した。
異例の非公開
同市議会では2008年にも定数の検討委を設置し、合併特例で48に増えた定数を現在の32に減らしている。その際、会議が今回のような理由で非公開にされることはなかった。
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