<琉球新報より>
高齢化や過疎化に伴う人口減対策として、定住・移住施策を掲げる自治体は多い。住宅や仕事、子育ての厚い支援などあの手この手。住み続ける決意をする側にも大切な情報だ
▼8年前の統一地方選が終わった直後、本紙に寄せられた電話を思い出す。「投票したくても情報がないので選べない。一体どうしろというんだ」。県外出身の男性は沖縄市議選で投票できなかったと訴えた
▼取材すると、立候補者の公約などをまとめた選挙公報を発行する県内自治体はゼロだと分かった。報道後、選挙公報を出す自治体が相次ぐ。今回の統一地方選までに沖縄市を含め14市町村が導入した
▼村議選が無投票とみられた伊江と宜野座。「議員を選び、投票できる機会をつくりたい」との理由で出馬した人もいて一転、選挙戦になった。議員のなり手不足が全国で深刻化する中、住民は選挙をどう見詰めたか
▼総務省の研究会は地方議会の今後の在り方として、兼業・兼職制限を緩和する「多数参画型」と少数の専業議員による「集中専門型」を提起した。一方、国による住民自治への介入だとの批判もある
▼選挙公報には、財源を示さず抽象的な公約も目に付く。議会改革の言葉も躍るが、なり手不足で議会が存続できない事態は目の前かもしれない。4年の新たな任期が始まる。見極める力と意識改革は有権者にも問われている。
https://ryukyushimpo.jp/column/entry-800259.html
0 件のコメント:
コメントを投稿