埼玉県所沢市にある航空自衛隊の基地周辺の小中学校に夏場の騒音対策としてエアコンを設置する計画を市長が中止した問題で、エアコン設置の是非を問う住民投票が行われることになりました。
所沢市は平成18年、航空自衛隊入間基地の夏場の騒音対策として、まず周辺の3つの小中学校にエアコンを設置する計画を定め、ほかの26の小中学校にも順次、設置する方針を決めていました。
この計画について、3年前に就任した所沢市の藤本正人市長は、震災と原発事故を受け、「便利で快適な生活を見直すべきだ」などとして、すでに設置を終えた1校を除き、残りの計画をすべて中止しました。
これに対して、地元の住民グループが、エアコンの設置は騒音対策が目的であり、計画どおり進めるべきだとして、設置の是非を住民投票で問うよう求めるおよそ8400人の署名を集め、住民投票の条例案が市議会に提出されていました。
条例案は18日に開かれた市議会の本会議で賛成多数で可決され、来年2月にも住民投票が行われる見通しとなりました。
住民グループ代表の大原隆広さんは「子どもたちのために活動してきた私たちの思いが届いた。すべての有権者に投票してもらい、市長は市民全体の声として重く受け止めてほしい」と話しました。
エアコン設置の是非を問う住民投票が行われることについて、所沢市の藤本正人市長は「エアコンの設置を中止した判断は間違っていないと思っている。住民投票にはそぐわないテーマだと思うが、中止した理由をきちんと説明し市民の審判を仰ぎたい」と話していました。
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