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「視察考」と銘打ちながら、「視察」以外のお話を交えて書いてきた。
松阪市議会の建設水道委員会は、1月18日~20日までの3日間、戸田市(埼玉県)、府中市(東京都)、相模原市(神奈川県)の3市を訪れたわけであるが、公式のルートとしては1日2時間、3日間で6時間の視察になっている現状がある。遠隔地移動が伴うことと、自治体ごとの受け入れ可能な時間の設定も原因であろう。しかし、より根本的には、松阪市議会にとって参考にすべき必要が生じて設定した視察ではないという、10年前に問題提起した根本的問題が解消されないまま、予算を使っているところに一番の問題があるためだろう。

大まかな行程を記す。
1月18日 午前7時50分松阪出発、午前11時3分東京着、午前11時54分戸田着
       戸田市視察(テーマ・景観計画) 午後1時30分~午後3時30分 戸田市役所
       午後5時28分、新宿、調布経由で東府中着

1月19日 午前9時ごろ~正午 府中市議会事務局の案内で府中市の市街地を案内いただいた。
       府中市視察(テーマ・インフラマネジメント) 午後1時30分~午後3時30分 府中市役所
       午後4時43分、立川、八王子経由で相模原着

1月20日 相模原市視察(テーマ・道路維持管理) 午前10時~正午
       午後5時17分 新横浜から新幹線で名古屋経て松阪着

それぞれの自治体では丁寧に説明をいただいた。特に府中市では、視察日程を確保できない午前中の空白を埋めるため、市街地の概要をクルマの移動で見せてもらい、府中市郷土の森博物館では同市内から移築し、森の中に昔の街並みとして配置されているた町屋や農家、旧町役場などの復元建築物と、古代からの都市形成を理解する復元模型を含む史料を見て解説を聴くことができるなど個人的にはきわめて有意義だった。
とはいえ、これでよいのか、という問題は残す。

やはり、過去にも最近にも書いて、議会の中でも問題提起を行ってきたように、委員会で議論をしつつあるテーマで、現地現場に学んだり調査、聴き取りを必要とする事案が発生したときに限って実施するものとの定義づけをしなければいけない。

現在の委員会の構成は8月~7月までの1年間を基本としている。
当該年度の予算上、3月末までの使い切り型としているため、2月からの新年度予算案の審議までの遅くとも1月には実施しないと日程的に確保できないことから、8月に委員会構成が決まったあと、秋には日程と行先の決定しなければというスケジュール感が優先されている。
しかし、このスケジュールの中で、委員会として視察しておかなければならない必要性が生まれるかというと疑問である。
たとえば、委員会の所属期間が2年あって、1年目を折り返す余裕があるとき、1年目を振り返り、2年目を展望して他の自治体の事例についての視察の必要が生じたということであれば話は違う。

現状、もしくは2年任期の委員会となっても、多くの必要は、市内・県内、もしくは日帰りが可能な範囲の県外で、特定のテーマを一つに絞った調査(「視察」というよりは・・・・)で満たされると考えられる。しかも、事前に十分な資料の読み込みと聴き取り課題の設定をおこなったうえで現地に出向くこととする。
委員会の活動能力を高めていくためにも、こうした方向性に立つことが求められると思う。

7月には市議選もあって、議員構成も変わる中で、新たな議会として再出発する際に取り組むべき課題となる。      (とりあえず終了)
http://blog.livedoor.jp/kaiju_matsusaka/archives/52270606.html