2016年7月31日日曜日

ミニ市政報告会開催いたしました(^^)/

<川口市議のブログより>


昨日は、ミニ市政報告会を開催させていただきました。
主催者様からクロストークできるようにとの事で、人数制限があっての開催でした。
大勢の方から、申し込みがあったようですが。お断りした方も多く居たと言うことで、大変ありがたいことですが、申し訳なくも思っております。
 
 
さて、クロストークは白熱いたしまして、準備の出来ていない質問も多くありましたが、自分なりの考えで応答いたしました。
 
報告の内容は、6月議会報告と市政についてお話させて頂きました。
・小規模デイサービスの県から市への業務移譲について
・ワンルームマンション条例について
・市民会館解体、火葬炉建築、消防車両購入の契約議案について
・市営住宅明け渡し請求について
・土地紛争の独立当事者参加の申出について
・市道の認定について
・人権擁護委員の任命について
・市の熊本地震の対応と防災施策について
・川口宿鳩ヶ谷宿日光御成道まつり秋絵巻2016について
・川口市産品フェア2016の開催
・3大プロジェクトについて
・地域医療について
・子育て・保育環境の充実について
・オートレース事業について
・川口市土地バンク事業について
・埼玉高速鉄道(SR)の延伸
・川口駅湘南新宿ラインの停車
・自民党入党のお願い
・子ども食堂PR
 
ディスカッションでは、
・SKIP未利用地について
・SRの経営について
・市内で税収を増やすことについて
・旧鳩ケ谷市の行政サービスの違いについて
・子供の貧困について
・政務活動費の使い方について
など、の質問が出ました。
勉強不足と言えば、SRについてと旧鳩ケ谷との行政サービスの違いについてですね。
川口市の事業は2,000程度あるそうです。全般について知っていることと言うのは、なかなか難しいですね(^^;)一つ一つ勉強です。
 
みっちり、2時間では足りないくらいの議論が白熱いたしました。
 
また、反省点も踏まえ次回も主催者様が開催して頂けたらなぁと思います(^^)/
 
このような機会を与えてくださりまして、心より感謝いたしますm(__)m

2016年7月30日土曜日

第48回 投票率と地域の未来~投票率最下位を脱出した青森県の事例から分かること

<政治山より>

早稲田大学マニフェスト研究所によるコラム「マニフェストで実現する『地方政府』のカタチ」の第47回です。地方行政、地方自治のあり方をマニフェストという切り口で見ていきます。今回は、「投票率と地域の未来~投票率最下位青森県の事例から分かること」をお届けします。

低調な参院選投票率 18歳選挙権は一定の成果


 参院選が終わりました。結果は、自民、公明の与党の大勝、改選過半数を獲得することになりました。注目された1人区における民進、共産、社民、生活の野党4党の統一候補は、東北、北海道では一定の成果があったものの、全国的には大きな流れにはなりませんでした。この結果、非改選も含めて、改憲に前向きな自民、おおさか維新などの政党と、公明の合計議席が、憲法改正発議に必要な3分の2に達しました。「アベノミクス」などの経済政策も争点でしたが、有権者の関心は高まらず、選挙区の投票率は、54.70%と前回参院選より2.09ポイント上昇したものの、過去4番目の低水準でした。

 この参院選から18歳選挙権がスタートしました。総務省がまとめた抽出調査によると、1819歳の投票率は45.45%(1851.17%、1939.66%)、全体の投票率より9.25ポイント下回っていますが、従来20歳代の投票率が20%台であることを考えると、善戦したと思います。特に18歳の投票率の結果は、高校における主権者教育の一定の効果があったことを示す数字だと思います。

啓発を行う学生団体「選挙へGO!!」のメンバー

啓発を行う学生団体「選挙へGO!!」のメンバー

青森県の投票率、最下位を脱出


 そんな中、筆者が暮らす青森県は、前回参院選、衆院選で投票率が全国最下位と不名誉な記録を更新していました。しかし、今回投票率が55.31%と全国平均を上回り、前回比9.06ポイントアップという全国一の伸び率となりました。今回は、青森県で筆者が関わった事例を中心に、選挙の投票率向上に向けた取り組みを考えたいと思います。

 前回のコラムでも紹介しましたが、アメリカの政治学者アンソニー・ダウンズによると有権者の投票参加に影響する要因は、次の4つであるといいます。「自分の投票の重要性」選挙が接戦になっているかどうか。「政党(候補者)間の期待効用差」主張や政策の違いが明確であるかどうか。「投票コスト」投票日の天候や、投票の利便性など。「長期的利益」選挙による民主主義のシステムが我々にとって価値のあるものだという意識、です。1番目、2番目の要因は、多分に政党や政治家に負うところが大きいと思います。今回の青森県選挙区では、1番目の要因、8000票差という大接戦だったことが、投票率アップに大きく影響したと思われますが、それ以外にも選挙管理委員会(以下選管)などの努力がありました。

投票事務を行う学生たち

投票事務を行う学生たち

期日前投票所の増設や共通投票所で有権者の利便性の向上を


 ダウンズが、3番目にあげるのが「投票コスト」です。投票日の天候や、投票のしやすさなど、有権者の投票への物理的、心理的な負担を取り除くことです。この役割は、各地域の選管が担うことになります。

 投票の利便性向上策として即効性が期待できるのは、期日前投票所の増設です。青森県内の期日前投票所の設置数は、前回参院選の69カ所から今回91カ所と、県内選管の頑張りで大幅に増えました。商業施設や18歳選挙権を見据えての大学への増設が中心でした。

青森中央学院大学の期日前投票所の様子

青森中央学院大学の期日前投票所の様子

 五所川原市では、津軽地方最大のショッピングセンター「ELMの街」に新設されました。また、青森市では、2015年の県知事選で、青森中央学院大学に設置した大学キャンパス内の期日前投票所を、市内の青森公立大学、青森大学、県立保健大学に広げました。選挙期間中、それぞれ1日ずつ各大学を巡回することと、投票事務従事者や立会人として学生にアルバイトで協力してもらうことで、選管の負担を抑えながら、若年層の有権者の利便性の向上を実現しました。青森県内を中心に若者の投票率向上のために活動する学生団体「選挙へGO!!」の学内啓発活動も一役を担いました。

キャンパス内期日前投票所のチラシ

キャンパス内期日前投票所のチラシ

 20164月の公職選挙法改正で、新しく「共通投票所」制度が創設されました。共通投票所とは、投票日に市区町村の住民ならば、指定された投票所以外で、誰でも投票できる投票所です。休日に人が集まりやすい駅やショッピングセンターが想定されています。

 投票率アップが期待されるものの、残念ながら今回設置されたのは、長野県高森町、函館市、熊本地震の被災地である南阿蘇村、そして、青森県の平川市の4自治体だけでした。投票所を通信回線で結ぶネットワークとシステムの整備が必要なことがネックのようですが、総務省は財政的な支援を表明していました。本音のところ、二重投票の防止や、システム障害への対応等のセキュリティー対策も取らなければならず、前例がなく、失敗が許されないことへの過剰な意識から、保守的な体質が強い選管の多くは一歩踏み出せなかったのだと思います。

平川市共通投票所(写真は期日前投票所の時のもの)

平川市共通投票所(写真は期日前投票所の時のもの)

 

平川市共通投票所の貼り紙

平川市共通投票所の貼り紙

 そうした中、今回チャレンジした平川市は評価できます。県内40市町村で30位前後の投票率であることに危機感を感じての取り組みでした。共通投票所が設けられたのは、市内の商業施設「イオンタウン平賀」。休日には約5千人が訪れ、若者も多い場所です。結果、平川市の投票率は前回に比べ10.67ポイント増の56.72%、県内10市で最も大きい伸び幅になりました。また、投票者総数の10.98%、1割がこの共通投票所を利用したことが分かりました。前例踏襲では、変化は起きません。できることは何でもやる、そんな選管の前向きな挑戦が、投票率向上には必要です。

「リアル模擬選挙」など主権者教育の充実と多様化を


 ダウンズが、有権者の投票参加に影響する要因の最後に挙げるのが、「長期的利益」、つまり選挙による民主主義のシステムが我々にとって価値のあるものだという意識です。選挙が大切だという意識を持つには、選挙時の啓発活動だけではなく、常時啓発、学校現場などでの主権者教育が重要になります。

 20159月、選挙権年齢の18歳への引き下げに対応し、学校現場における政治や選挙などに関する学習の内容の充実を図るため、総務省と文部科学省の連携により、主権者教育の副読本が作成されました。その中では、話し合い、討論の手法のほか、実践的な学びの場として、模擬選挙、模擬議会、模擬請願が紹介されています。こうした影響もあり、青森県も含め全国の学校現場で、仮の選挙を扱う模擬選挙の実施が増えています。

八戸工業大学第二高校での「リアル模擬選挙」

八戸工業大学第二高校での「リアル模擬選挙」

 しかし、より効果を上げるには、実際の選挙期間中にリアルな選挙を題材に行う模擬選挙が効果的です。臨場感もあり、生きた教材として現実の政治課題を考えることができるため、子どもたちの学びは深くなります。模擬選挙がきっかけになり、家庭で選挙の話題が取り上げられれば、親への啓発にもつながります。親が選挙に行かない家庭で育った子どもは、選挙に行かない傾向があるといわれています。青森県内でも今回の参院選で初めて、八戸工業大学第二高校で、「リアル模擬選挙」が行われました。

 また、模擬選挙や模擬議会だけが主権者教育ではありません。地域の課題を、高校生や大学生と、地域の政治家などの大人が一緒になって話し合う場を作ることも、主権者教育の一つの形です。コラムの第37で紹介した岐阜県立可児高校では、可児市議会の主催で、高校生と市議会議員、地域の大人が話し合う「地域課題懇談会」が開かれています。これまで医療、金融、経済の団体関係者との懇談のほか、18歳選挙権について考える懇談会も開催されています。

 地域の本気の大人と高校生が混ざり合って化学変化を起こすことで、高校生のやる気にスイッチが入る。地域への愛着が生まれ、将来Uターンで地元に帰ってくる、そんな地方創生の効果も期待できます。20165月、青森市でも、青森市選管が主催し、学生団体「選挙へGO!!」が企画、青森市議会が協力して、学生と市議会議員、市役所若手職員による、20年後の青森市を考えるワークショップが開催されました。こうした取り組みが全国に広がってほしいと思います。

青森市議会議員と学生のワークショップ

青森市議会議員と学生のワークショップ

 選挙の投票率向上への取り組みは、一朝一夕に成果が出るものではありません。地道な主権者教育の取り組みこそが本来王道です。時間は掛かりますが、将来的には、主権者教育に熱心だった地域とそうでない地域では、投票率、地域の発展に大きな違いが出てくると思います。日本の国には課題が山積です。正解が一つに定まらない問いに取り組んでいかなければならない今、多様な考え方やモノの見方に触れることができる主権者教育の場を提供していくことが、地域の未来を創っていきます。

                
佐藤淳氏


青森中央学院大学 経営法学部 准教授
早稲田大学マニフェスト研究所 招聘研究員
佐藤 淳
1968
年青森県十和田市生まれ。早稲田大学商学部卒業。三井住友銀行での12年間の銀行員生活後、早稲田大学大学院公共経営研究科修了。現在、青森中央学院大学 経営法学部 准教授(政治学・行政学・社会福祉論)。早稲田大学マニフェスト研究所招聘研究員として、マニフェスト型の選挙、政治、行政経営の定着のため活動中。


http://seijiyama.jp/article/columns/w_maniken/wmk03_48.html

2016年7月29日金曜日

批判より対話をしよう

<川崎市議のブログより>
      
20160722尊重しよう


最近気になること。
選挙などで、政敵をこき下ろすような言動をよく目にしますが、最近は少し度が過ぎていると感じます。
行為を批判したり意見に反論するのであれば理解できますが、人格否定するのはい見ていて気分の良いものではありません。
また相手を下げることで相対的に自分を上げるやりかたは止めてほしいです。
Aが駄目だからBという選び方はとっても危険
Bの悪いところは上手く隠されていて、ふたを開けてみたらAよりBの方が悪かった、ということだってあり得ます。
また、相手が議員であれば国民・市民から票を受けた彼らの代弁者なわけですから、考え方やイデオロギーが違っていたとしても尊重すべきだと思いますです。
ちょっと愚痴っぽくなっちゃいましたが、「批判より対話」を行うことがより良い政治を行うためには必要だと思っています。
自分の政策や考え方を中心に訴えてほしい、そう願います。


川崎市議会議員
小田理恵子
http://gikai.me/page_1784

2016年7月28日木曜日

議会改革白書について



我々が「みんなで創ろう身近な川口市議会」の市民活動を始めて早や8年目に入りました。
発足以来毎年購入して勉強しているのが「議会改革白書」(発行:廣瀬克哉・自治体議会改革フォーラム)です。
我が家の本棚には2009年版~2015年版まで7冊の白書が鎮座、2011年版には、テーマ「市民が進める議会改革」の事例として4ページの寄稿もしています。
2016年版では「議会基本条例10年」を特集する予定と聞いていますが、発行され次第ブログにてご報告いたします。
白書では毎年「全国自治体議会の運営に関する実態調査の詳細データが掲載されています。
自治体毎の「議会改革状況」「討議のあり方」「市民の参加」「公開・説明責任」「政策立案・立法活動」など28項目が記載されており、集計表を見れば自分の住む街の議会の位置付けが分かります。
私たち川口市民はもっと議会に関心を持ちたいものです。
川口市の最高規範である川口市自治基本条例の第15条、第16条に「議会及び議員の役割及び責務」「開かれた議会」が規定されていますのでご確認ください。


★議会改革白書 シリーズ(2009年~2015年)

★川口市自治基本条例


2016年7月27日水曜日

紙資料か、データ資料どちらが安い?

<敦賀市議のブログより>



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こんにちは!

役場からの資料は紙が多い!!

紙ばかり!!ということで、近年では紙ではなくデータで資料をもらいタブレットで見る自治体が増えてきました。

実際に、タブレットで資料を見ることでどれだけの費用の削減になるのか?

議会運営委員のメンバーと、オブザーバー参加で、議長、副議長、さらに議会事務局長、事務局員の大所帯で先進地に研究に行きました。


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紙資料から、データ資料に変えることで、

まず、タブレットの初期費用が発生します。
初期費用は、46万円


そして、年間の使用料が発生します。
これが、163万円


データ資料に変えると紙資料がなくなるので、今までの紙資料の印刷代をお金に換算すると、
213万円


ようするに、
紙資料では、年間213万円かかり、
データ資料では、年間163万円かかります。

差し引きは、50万円となり、

タブレットを使用してデータ資料を活用した方が50万円安くなって経済的という計算が成り立ちます。

金銭的以外のメリットは情報共有と伝達が早い、資料の持ち運びかないなど、たいしてメリットはありません。

情報共有などはスマホがあれば充分なので、メリットにはなりませんが、金銭的なメリットは大きいです。

なんせ、1年間で50万の削減効果ですから!

まずは、各議員がもっているスマホやタブレットで実験をして、情報共有や、資料の閲覧などやっていくと良い実験が出来ると感じました。


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それでは、また


http://azure2016.exblog.jp/26046918/





                  

2016年7月26日火曜日

議会が終わると何してるの③

<川崎市議のブログより>
      
20160715議会が終わると③
その①、その②の続きです。議会が終わると何しているの?その①
議会が終わると何しているの?その②
さて、議会のない時期の議員の過ごし方ですが「こうすべき」という基準は何もありません。
公務以外の時間の使い方は、議員が自分で決めるのです。
結果、何もしなかったとしても罰せられることもありません。
だから、常に自分を律していないと「怠惰の穴」に落ちてしまう可能性があります。
とはいえ、「一日何も予定が入っていないと落ち着かない」「空いているスケジュールを見ると自分は大丈夫なのかと心配になる」という議員は多いです。
これをやったら議員として成し遂げた、というゴールの無い仕事ですので、常に動いていないと不安になるのでしょう。
かくいう私もそうです(笑)



川崎市議会議員
小田理恵子



追伸:こうした「常に活動していないと気が気でない」心理は、地盤やしがらみの無い議員に多いです。
利権や組織繋がっている、しがらみのある議員さん達が普段何しているのは、私も良くわかりません。
付き合いの数はものすごく多そうなのでひたすら会合と地元回りなのではないかしら?と思っています。

http://gikai.me/page_1776

2016年7月25日月曜日

議会が終わると何してるの②

<川崎市議のブログより>
20160715議会が終わると②
会(定例会)が終わると、それを待っていたかのように地域行事の案内状がどっさり届きます。
付き合いが増えればその分誘ってくださる行事も増えるため、この数は年々増えていきます。
今は夏祭りのシーズンですが、各町会ごとに行われる祭りに顔出すために、一日に何カ所も祭りをハシゴする議員もおります。
逆に議会中はそうした案内はほとんど来ません
地域の人達は「地方議員は議会中は忙しいので地域行事に参加している暇はないだろう」と思ってくださっているのだろうと認識しています。
(また、そうした時期を避けてくれている側面もあります)
さて、さきほど申した通り、例年ですと議会が終わるとどっさり届く地域行事の案内が、参議院議員選挙期間中は、全く来なかったんですよね。

え?これって「地方議員は国政選挙期間中、地域行事に出ている暇はないだろう」と思われているという事ですよね。
地方議員って、何なんだろう?とちょっぴり考えちゃいました。

川崎市議会議員
小田理恵子

http://gikai.me/page_1770

2016年7月24日日曜日

マニフェスト大賞がもたらした功と罪~過去の10年を振り返り、新たな10年を見据えるために~

<政治山より>

政策立案を行う「政策型議員」を目指す地方議員らで構成される「ローカル・マニフェスト推進地方議員連盟」(略称:LM推進地議連)の連載・コラムです。

 地域主権、地方分権時代をリードし、真の地方自治を確立し実践するために設立された同団体は、地方自治体の首長、議員や地域主権を支える市民の活動実績を広く募って表彰する、「マニフェスト大賞」の運営に携わっています。今年で11回を数える同賞は、71日から応募が始まり、1111日の表彰式で大賞と各賞の最優秀賞を発表。応募開始にあたって実行委員の皆さんに、マニフェスト大賞に寄せる思いや、これまでの成果を綴っていただきます。今回は、マニフェスト大賞副実行委員長の山中啓之 松戸市議会議員にご寄稿いただきました。

 地方政治に光をあてる「マニフェスト大賞」が創設されて早10年が経過した。この間、議員・議会や首長に加えて市民の応募が可能になり、3.11以降に震災復興賞が増設されるなどして裾野を広げたこの取り組みの知名度は、応募総数(第1221102467件)から見ても確実に上がったと思われる。

 くしくも私の議員生活とほぼ同期間を共にしてきたこのマニフェスト大賞節目の年に、自戒を含めつつ運営側の視点からこの10年間を厳しく考察してみたい。

意義と価値


 北川正恭早稲田大学名誉教授が提唱した「マニフェスト」という概念は、それまでの曖昧模糊としていた政治家の公約というものに期限・財源・手法・数値などを盛り込み、事後に検証を可能にした意義が大きい。無論、有権者の政治不信からの脱却と民意の確実な反映をもくろむことも大前提に据えられている。

 地方議会ではいわゆる正論よりも数の力が左右することもしばしばあり、価値前提とした議論が行われにくい現状を変えるには外部からの評価の視点が必要不可欠である。議員が最低限必要とする知識を知る目安として今では『議員力検定』という検定まであるくらいだが、ムラ社会と揶揄(やゆ)されることの多い地方議会が、このマニフェスト大賞を通じて全国から集めた政策や取り組みの中で比較され、外側から評価を与えられることの意義は大きい。

第7回マニフェスト大賞受賞式「優秀コミュニケーション賞」

目を背けてはいけない課題


 一方、10年も関わっているとおのずとその抱える課題も浮き彫りになる。今回はその中でも特に大きな2点を挙げたい。それは、1つに応募総数と質であり、もう1つには二極化の問題である。

 マニフェスト大賞の応募総数だけ見れば、確かにこの10年、減ることなく右肩上がりで増え続けている。これ自体は世間の関心が高まってきたことの証拠であり、喜ばしいと言えよう。しかし、内情を見ると諸手を挙げて喜んでばかりもいられない。現実には応募は一部の熱心な議員(議会・首長・市民団体等含む)が複数の応募をしているケースも多々あるし、協賛しているマニフェスト研究所や運営委員の紹介による応募も多いのだ(やはり、優れた政策を追い求める人は探求心豊かで、他人の優れた政策にも敏感だともいえる)。そして例年、応募締め切りの8月末には競うように応募が殺到している。

 しかしその一方で、応募初心者からは戸惑いの声も漏れ聞こえてくる――「議会改革といえば○○議会が有名だから、どうせウチは応募するだけムダでしょ?」――といった声である。授賞者がさらに発奮して取り組みを練磨させ、翌年再び授賞するケースも珍しくない今、応募のハードルが上がったと感じる初心者も出てくるのは当初から当然の懸念事項であった。運営委員は公正中立を保つために審査に関わっていないので何とも言えないが、応募すること自体の意義がまだ充分に理解されているとは言い難い。

 かくいう私自身、先進事例を目の当たりにするたびに自分の議会の現状と比較してしまい、羨望を通り越して途方に暮れることが毎年のようにある。しかし、その感覚を覚える行為自体にも様々な意義があり、同時に新たな創造意欲の一助ともなる。進んだ世の中を知らない井の中の蛙でいるよりは、あらゆる可能性のスタート地点に立つことができるだけ、よっぽどいい。

 これらの課題は、この大賞が10年の歴史をかけて作り上げた功績と罪のいわば表裏一体の産物と考える。ここから我々は決して目を背けてはならず、心して次の10年に臨まねばならない。

これからの役割


 とはいえ、マニフェスト大賞が持つ役割は非常に大きく、未来に向けてその大きさをより増していくだろう。

 特に意義深いと感じているのは、数年前から始まった「プレゼン研修会」である。授賞式前日に行われるこの研修会では、授賞者から先進事例の内容がお披露目されるのだ。授賞者は3分という短い時間で取り組みを発表せねばならない。私が授賞した年はこの研修会の取り組みが始まったばかりで、何もかもが手探りであったのを覚えている。内容をまとめるのに非常に苦労したが、今ではそれも含めて授賞者も参加者も同時に研鑽(さん)できる貴重な場として確立されている。

 特別審査委員の箭内道彦氏が「(授賞式は)1年の中であの1日が象徴的な日だけど、他の364日の中でいろんな交流が行われていると思う」(月刊ガバナンス・20159月号)と語っている通りで、授賞するまでの方が遥かに長い準備研究の期間を要し、また、授賞後のさらなる展開への期間こそが重要で、そこまで含めてどれだけしゃぶり尽くせるかがこの賞の恩恵であり、本質であると考えている。

 それは同時に、不断の努力を必要とする民主主義社会の成熟とも不可分である。つまり、重要なのは一過性で終わらせないことだ。最初は政治や地方自治に対する興味本位からでもいい。応募するのがまず第一歩である。中には自分が授賞しただけでは飽き足らず、さらにその先の展開(より広いマニフェスト運動の普及や、さらに進んだ政策を全国から募集する活動等)を求めて実行委員になる者が増えたのも自然な流れと言える。

 マニフェスト大賞を「知る」「応募する」(「授賞する」)「実行委員になる」というサイクルが確立されたのは、このマニフェスト運動が一部の熱心な人たちだけのものでなく、時には市民や政治家といった枠すらも越えて我々が手を携え、日本全国によりよい取り組みを展開することと密接に繋がっている。

 これらを含めて、次の10年間でここから更にマニフェスト大賞がどれほど深化するのかが問われているのだ。

終わりに~まだ見ぬ未来に会いに行く~


 冒頭の北川名誉教授によると『管理あって経営なし』の中央集権時代はもはや終焉(えん)を迎えたという。これからの住民自治には、市民も政治家もやらされ感ではなくボランタリー精神(自発性)を持って社会へ意見を届けることが重要になる。その表明方法の最も分かりやすいものが選挙(投票)なのは間違いない。折しも選挙権が18歳に引き下げられた初の参議院選挙も終わったが、投票ほど格式張っていない分、平素から自分の関心に従って、楽しみながら応募できる「マニフェスト大賞」は、気軽な政治参加のツールの一つともいえる。しかしこれが時には社会の大きなムーブメントにまで広がる可能性も秘めている点は非常にエキサイティングだ。社会にモノ申す選択肢が増えるという意味ではこのマニフェスト大賞もまた新しい参政権といったら言いすぎであろうか。

 次はどんな新しい取り組みが出てくるのだろうか――期待を隠せない第11回マニフェスト大賞は、831日まであなたの応募を待っている。
山中啓之(やまなかけいじ)
者プロフィール
山中啓之(やまなかけいじ):1979528日生まれ。千葉県松戸市出身。二三ヶ丘幼稚園、横須賀小学校、小金中学校、早稲田大学高等学院(在学中に1年間スコットランドに留学)、早稲田大学政治経済学部卒。サラリーマンを経て、松下政経塾(第26期生)卒。
現在、松戸市議会議員(3期目・無所属)。会派「市民力」代表
特に行財政改革、議会改革、情報公開などに力を入れて取り組む。第7回マニフェスト大賞「優秀コミュニケーション賞」受賞。
松戸市議会議員 山中けいじ ホームページ
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