2016年1月6日水曜日

ごあいさつ

<松坂市議のブログより>

松阪市議会議員の海住恒幸(かいじゅう・つねゆき)ブログにご訪問いただき、大変ありがとうございます。

当ブログでは、松阪市の市政や議会で起きていることや起きようとしていることを中心にえがいていくよう努めます。

それは、たんに、日々の出来事を記録するというよりは、事実と、調査研究に根拠を置く「わたし」の目線を入れた分析となるよう、心がけたいと思います。

その結果、地方自治に関する知識をお持ちではなかった方から、「新聞を読んでもわからなかったことがわかった」と言っていただけるようになればと思います。

また、地方自治に関する専門家(研究者)や実務者(自治体職員等)、ジャーナリストの皆さん、議員や首長におかれても必読記事が続出するような質の高さを確保したいと思います。

記事を通して、地方自治、特に松阪市政に、理解と関心を寄せていただくきっかけにしていただければと願います。

国の政治とは異なる、地方自治の意義について、お伝えしたいと思います。

最後になりましたが、地方自治を構成するものは、第一に、住民です。
「見えにくい」と言われる議会や議員の活動を、できるだけ、「見えやすい」ものとなるよう、努めたいと思います。

なお、お気づきの点がございましたら、当ブログのコメント欄やメールにて、お知らせいただければ幸いです。

メール kaiju_matsusaka@ybb.ne.jp

                                             201614日 海住恒幸
 http://blog.livedoor.jp/kaiju_matsusaka/archives/52245242.html

2016年1月5日火曜日

おけましておめでとうございます。

<会津若松市議のブログより>


あけましておめでとうございます。

今年のように雪の少ない正月は何年ぶりでしょうか?
除雪・排雪費が約9億円と今年度から倍以上に増えましたが、このままでいけば大幅に余るでしょう。
そのことはいいとしても、雪の少ない年は農業にとっては水不足になったり、只見川流域の水力発電に影響があったりしないかと、それはそれで心配です。

さて、政治の目的は住民(国民)の生命財産の安全・安心を保つことといっていいと思いますが、さらに言えば、今ある問題の解決のために手を打つこと、と考えます。

本市においていえば、除雪・排雪のことが市民生活にとって一番関心のある問題のようです。
それから、豪雨災害対策、公共交通の確保、防犯灯の整備、高齢者や生活困窮者対策などがあり、これらの施策をやって欲しいという要望が、年間数百件市に寄せられています。

また、産業の振興、少子化対策、さらに美術館などの文化施設の要望など市民の関心や要望は多岐に渡っています。

その解決のために、制度を作ったり予算配分したりするのが政治の仕事です。基本的には行政側が提案し、議会側はその提案が適正なものかどうか審議して議決するという言い方が正確です。
独人制の市長に対し、議会側は多くの議員がおりそれだけ多様でかつ広域的に市民意見を直接聞く聴機会が多いわけですから、それを政策に反映しなければならないと私は思っています。

昨年は、私にとって市議会議員として5回目の当選をさせていただきました。
2度目の議長にもならさせていただきました。
市議会議員の選挙の時も、議長選挙の時も「市民に役立つと実感してもらえる議会に」と訴えてきました。

平成20年より5月と9月の年2回、「議会と市民の意見交換会」を市内15カ所で始めて7年になりましたが、各常任委員会でも、政策別に所管の民間団体と意見交換会が始まりました。

例えば、建設委員会では除雪業者協力会の役員と効率的な除雪排雪について意見交換会がもたれました。また産業経済委員会では商工会議所やJAなどと話し合いが予定されています。文教厚生委員会では今までも幼稚園や保育園関係者、また障がい者団体や消防関係者との懇談会がありましたが、これからも折りにふれて行われると思います。

こうして、現場を知り現場から問題解決のヒントを得、政策に反映させ、市民生活の向上につながるり、結果として市民に信頼される議会を目指しています。
 


議長室は副議長と一緒で、よく今後の議会運営のありかたについても話しています。
ベクトルが同じと感じるのは、「主語を『市民』としてものごとを考える」ということです。

今年も衆知を集め「チーム議会」として頑張って参ります。
よろしくお願いいたします。
http://www.meguro.gr.jp/blog/?p=1303

2016年1月4日月曜日

参議院代表質問

2015 年末に思うことあれこれ・・・・ ④

<松坂市議のブログより>
 
だいたいどこもそうだと思いますが、松阪市議会の一般質問には通告制度というものがあり、毎回、あらかじめ決められた期日までに質問テーマを届けておかないと、質問の機会が得られません。この12月の場合は、締め切りは11月30日の正午でした。

その締め切りの15分前、携帯電話が鳴りました。

「白猪山の風力発電の記者発表が、午前10時からあったはずだ」。
という内容を、地元の方が、教えてくれるためでした。

すでに、3つの質問項目を入れていたので、質問の割り当て時間(一人50分間)からして4つの項目はきついのですが、風力発電は、前市長の山中光茂氏が就任する前から取り組んでいたテーマで、山中氏が就任した直後から連続4回、一般質問で取り上げたテーマであるだけに、はずすわけにはいきません。
時間的に難しいのは承知で、急きょ、テーマに加えることにしました。

白猪山の風力発電は、前市長の、地元の100%同意(関係する自治会すべての同意)がなければ市長として同意しない方針を打ち出したことから、6年前に計画が頓挫していました。
しかし、市長が交代したら再び動きだす、と言われていました。
市長交代から2か月で早くも動きだしました。

それにしても、突然のことでした。

地元では、市職員が「法律が変わって、市として何もできません。粛々と進めざるを得ません」と語ったそうです。

「法律が変わった?」
「粛々と?」

実は、以前は、風力発電は法律にありませんでした。
ところが全国各地であまりにもトラブルが発生するので、平成24年の改正・環境影響評価法(アセス法)の施行で、風力発電も国の環境アセスを義務付けるようになったのです。

国が作成した環境アセスの手続きを示すフローを見て、驚きました。

この法律のもとでは、地元の市長が、事業者にモノを言えない仕組みになっています。
意見を言えるのは、知事です。
市長は、知事の「照会」に対して、「意見」する権限しか付与されていないのです。

事業者は地元説明会を開きますが、手続き上の住民意見は市長ではなく、事業者に提出され、事業者は知事の意見とともに、「評価書」を作成して国に提出するというのがおおざっぱな流れです。

国というのは、環境省ではなく、経済産業省です。
ご存じの通り、経産省は、環境影響評価をする役所ではありません。経済活動を促進したり産業振興を進める役所です。
では、環境省はどうするかと言えば、何もしません。
事業者が作成した「評価書」を、経産省が「審査」し、その結果の「送付」を受けるだけです。
知事や地元市長は、経産省の「審査」で「確定」済みの「評価書」の送付を受けるだけです。

すると、事業者は、国から「評価書」(お墨付き)をもらったとして「住民への周知」し、工事計画を経産省に出し、審査にパスすれば工事着工です。

計画地は地元の山でありながら、地元の市、県が主導ではなく、事業者と経産省のキャッチボールをフェンスの外で見守っているだけの仕組みです。

環境省作成の「環境アセスメント制度のあらまし」には、こうも書かれています。
「地方公共団体の環境アセスメント制度は、地域の環境保全のためにとても重要な役割を果たしています。しかし、一つの事業について、環境影響評価法と地方公共団体の制度による手続きが重複して義務付けられることは、事業者にとって過度の負担となってしまいます。そこで、環境影響評価法では、地方公共団体の環境アセスメント条例との関係についての規定を置き、手続きが重複したり、法の手続きの進行が妨げられることのないように配慮しています。」

要するに、国がやるから地方は邪魔をするな、という内容です。


この法律以前も、実は、環境アセスが行われていました。しかし、当時は法律に基づくものではなく、事業者の自主的なアセスでした。
地元住民や地元自治体に、これだけ環境に配慮しているので、どうかご理解ください、というものでした。
しかし、当時も、地元自治体には強制力をもって計画をストップさせる権限などありませんでした。

では、当時は、なぜ、計画を止めることができたか。

当時は、環境省が関係する外郭団体が、新エネルギー事業に対する補助金を交付していて、事業費(100億円前後)の半額程度は税金でまかなわれていたため、事業者はその補助金を得ようと申請をするわけですが、環境省が申請書類に地元同意(住民+地元首長)が得られたことを示す文書の添付を義務付けていました。そこで、事業者は無理にでも地元の人や、地元市長の同意書を求め、必死になりました。ここで市長がノーと言えば、補助金は得られないので、事業化をあきらめました。

実は、松阪市の場合は、山中前市長の前の市長が「同意書」にハンコを突いて、その文書が補助金交付団体のほうに提出されていたため、補助金の交付が内定していました。
文書 004当時の下村猛市長が、条件付きの同意予定文書にハンコを突いたのは、平成20年7月23日のことでした。松阪市の環境保全審議会はその年の6月3日に初めて開催され、第二回目を7月24日に予定している、その前日のことでした。条件付きとはいえ、この文書で、事業者は、補助金の内定を得ました。

のちになって、この文書の存在に気づき、一般質問で、このような文書の存在を指摘。山中・前市長の就任後、この文書による補助金の決定は無かったものとするよう、環境省の外郭団体に求めてもらい、決定は白紙撤回されました。

もう一つは、松阪市の市有林の存在です。
計画地の多くは市有林のあるところで、地権者である市が了承しない限り、計画は実現しません。
逆に市が了承すれば計画がほぼ決まったということにもなります。


今回は、「粛々と」国への申請手続きは進められていくかもしれません。しかし、今回の計画の90%は市有地の上で進められます。
市長がノーと言えば計画は実現しません。

この年末、市役所では環境課以外の部署とも連携し、市としての対応方向を検討したということです。新年1月7日には事業者を呼んで聴き取りをするそうです。1月下旬には環境保全審議会を開くとともに、新年度予算には審議会委員の報酬・旅費などを盛り込んだ予算を計上する方向で検討に入りました。

10月5日に就任した竹上真人市長が、どう、舵を取っていくのか。
12月8日の一般質問では「関係自治会の同意が前提である方針は変えない」との方針を明確にしました。

急きょ用意せざるを得なかった一般質問でしたが、12月議会でおこなっていなければ、3月議会まで機会はありませんでした。
そういった意味では果たせた役割は大きかったと思います。

話は戻りますが、前回6~7年前とはもう一つ大きな違いがあります。

前回は、風力発電は良いことという前提から始まっていました。
この問題をめぐって初めて質問したときすでに、先に触れた、秘密の市長の同意文書が出た後だったのです。
その後、関係自治会でも議論をされ、いくつかの自治会から市長に反対を求める文書が提出され、初めは慎重だった山中・前市長も、「100%同意」が前提とする方針を明らかにし、その前の下村・元市長の同意を撤回することで環境省の外郭団体の補助金の交付内定を白紙に戻したわけで、流れを逆転するためにかなりのエネルギーを使いました。
それに対し、今回は、風力発電は良いことという前提からものごとは始まらないということです。

それと、前回、ほとんど議論の対象しなかった災害への懸念が地元の中には広がっている点です。
白猪山のふもとの集落は江戸時代以降でも頻繁に山津波による壊滅的被害を受けた史実が残され、人々に語り継がれています。ここ数年、全国各地で起きている自然災害を目の当たりにし、山のてっぺん(尾根づたい)に道を付け、高さ120メートルの巨大風車12基をむすぶ作業道を尾根づたいに造っていき、さらには麓から大型機材を山に運ぶトレーラーが通る道を通していく計画、そして、山のてっぺん付近に駐車場を造るような計画が、許されてよいものかどうかは、できるものなら山の神さまに聞いてみたほうがよい話かもしれません。

事業者は、作業道は林道として活用し、山の上のほうにある間伐材を搬出できるなど林業振興につながり、雇用へとつながる。はたまた、観光名所になると言います。
ほんとうかな?
でも、これって、経済産業省の「まち・しごと・総合戦略」(地方創生)にぴったり?

国は、ホイホイと事業を奨めても結果に対する責任はゼッタイにとりません。
原発がよい例です。

失敗で泣くのは地方や、その地域です。

地方を守っていくのは地方自治体しかありません。

1999年にかけて、地方分権が議論され、翌西暦2000年施行の新しい地方自治法で、国と地方は「上下・主従の関係」から「対等・並列な関係」に生まれ変わりました。

しかし、最近、どうも、為政者がそのことをわかってくれていないみたいな気がする。
何年か前に自民党が作成した憲法草案を一通り読ませていただいたが、そこにあったイズムは今の地方自治法とはどうも合わないみたい。

新しい年は、自治体議員は、もっと頑張らんといかんようですね。
  http://blog.livedoor.jp/kaiju_matsusaka/archives/52243593.html

2016年1月3日日曜日

2015 年末に思うことあれこれ・・・・ ②

<松坂市議のブログより>

山下祐介・金井利之著の『地方創生の正体ーなぜ地域政策は失敗するのか』(ちくま新書)に、こんなくだりがあります。

「まず計画づくりに失敗するパターンとして、誰も望んでいない計画が、どういうわけか全員一致で決まるというのが挙げられます。」

「ところが、後になって失敗すると、社員たちは『俺は内心はやりたくなかった』とか『私はあのとき、実は反対していた』とか、いろいろなことを無責任に言い出すのです。こういうことは失敗した企業の計画では実によくあることです」と続きます。

これは、企業に限らず、さまざまな団体や自治体、議会にもあり得ることです。

もしかしたら、東京オリンピックの新国立競技場問題にも共通点はあるのかもしれません。

必ずしも日本に限った話ではないそうですが、日本人に強い傾向であるようです。

おかしいと思いつつ、みんな賛成しそうだし、自分だけ反対するのもどうかという「場の空気」がそうさせているのかもしれません。

もう手もとにはありませんが、学生時代に読んだ、日本政治思想史の大家、丸山眞男さんの『現代日本の思想と行動』に収められたエッセーに、だれも責任をとらない大系が戦争に至ったとの記述がありました。

古くて新しい日本人気質かもしれません。
しかし、その部分が、フクシマ原発を機に変わってきたところかもしれません。

従来、地方の議会では、「異議な~し!」という大勢にかき消されそうにある中、「異議あ~り!」と叫べるかどうかが、大きな分岐点でした。
「異議」は議会内では「少数意見」かもしれませんが、世の中全体を見渡せば、実は、声なき声で本当は多数派であるのかもしれません。
議会というコップの中の世界と、外の世界ではズレがあることは往々にしてあることです。
http://blog.livedoor.jp/kaiju_matsusaka/archives/52243062.html

2016年1月2日土曜日

マニフェスト大賞こそ地方創生~10年のあゆみとこれから~

<議員NAVIより>

1 マニフェスト大賞はこうして始まった
アカデミー賞にしたい
 マニフェストとは、「数値目標などで『はっきり示す』公約」を意味している。このマニフェストを地方議員の選挙にも広げる(1)ことで、地盤・看板・カバンが必要といわれる地方議員の旧態依然とした選挙を政策本位で選ぶ選挙に変え、地方から政治改革を進めようと、2005年5月22日にローカル・マニフェスト推進地方議員連盟(以下「LM地議連」という)が結成された。
 マニフェストという言葉は、LM地議連の顧問でもある北川正恭早稲田大学名誉教授(元三重県知事)が提唱し国政選挙でも用いられたことから、2003年の流行語大賞に選ばれるなど世間からの関心は高く、LM地議連の発会式には約500名が参加するなど地方議員からの関心も高かった。
 そのLM地議連をどのように運営していくかを協議する運営委員会の場で、「地方議会・議員を表彰することをしたい。ゆくゆくはアカデミー賞のようになることを目指す『マニフェスト大賞』を実施したい」と伊藤悠さん(当時は都議会議員)から提案があった。そこからマニフェスト大賞はスタートした。
 当時は、マニフェストは注目されてはいたものの、住民の政治不信は強く、特に地方政治がマスコミに登場するのは地方議会や地方議員の不祥事のときばかりで、「地方議会や地方議員は必要ない」など、議会に対する評価はかなり低い状況にあった。「地方議員といえば何をしているか分からない、支援者への利益誘導ばかりをしている」と多くの人が思っていたに違いない。
 そのような状況でマニフェスト大賞をスタートすることは、「ローカル・マニフェストを掲げることや優れた政策を提案し、それらを実現している議会や議員を表彰することで、光を当て、さらに意欲を高め、結果として政治改革を進めよう、表彰により政治改革を目指そう」との目的を持つ提案だったのである。
 また、マニフェスト大賞を受賞した政策を他の自治体でも実施することで、結果として日本全体をよくしようとのねらいもあった。最近では“TPP”(徹底的にパクッってパクる)とも運営委員会では使われるが、よい政治の競争、善政競争を後押しできる賞にすることも目的となっている。そのために、優れた政策を集めた資料集となる冊子を毎年制作している。

本当にできるのか?
 この提案があった運営委員会に私も参加していたので、「本当にできるのか?」の議論があったことをよく覚えている。“表彰することで政治をよくしたい、褒めて育てたい”との思いは理解できるが、その政策が本当に応募した議員のものなのか、誰かのものマネであったり行政がやろうとしていることを質問して自らの手柄にする場合にも表彰できるのか、また本当によい政策か判断できるのか、表彰してしまって大丈夫だろうかなどの疑問が出されていたからだ。
 何よりも、応募する人がどれだけいるのか、不安が多かった。
 このときは、「世間に知られることになれば、偽りの政策では応募できないだろう。議事録や行政に確認すれば、すぐに分かることだ。調べる手間はかかるが、まずはやってみよう」との合意になった。
 ほかにも実行する費用をどうするかの課題も残されていた。全国の地方議会や地方議員への周知・応募・審査さらには表彰式も行うとなれば、それなりの費用が発生する。LM地議連は約500名の会員がいる組織だが、資金が豊富にあるわけではなかった。
 そのため、まずは協賛してくださる事業者を会員の議員自らが探して資金を調達することになった。財源もはっきり示すのがマニフェストだが、マニフェスト大賞の財源探しも行うことになり、結果がどうなるか見えない中でスタートしたのが第1回目のマニフェスト大賞だった。

第1回目のマニフェスト大賞は手探りで始まった第1回目のマニフェスト大賞は手探りで始まった

2 歴代マニフェスト大賞受賞者
第1回マニフェスト大賞
 第1回マニフェスト大賞では、221件の応募があった。現在に比べると10分の1程度と少ないが、それでもこれだけの応募数があることに驚いたことを昨日のことのように覚えている。
 また、心配されていた資金面については、潤沢とはいえないものの地方議会に理解を示してくださった複数の協賛企業のご協力により実現へとたどり着くことができた。地方政治への理解を続けてくださっている協賛企業へ、この場をお借りしてお礼を申し上げたい。
 さて、第1回目の授賞式は、現在とは異なり毎日ホールで行われた。受賞者は、公式サイト(
http://www.local-manifesto.jp/manifestoaward/award/award_1.html)をご覧になっていただければ分かるが、栗山町議会・福島町議会・四日市市議会・三重県議会など議会改革で名をはせた議会などが並ぶ。2回目以降も同じだが、「議会改革といえば○○」といった議会がずらりと並び、今も全国の議会改革の先頭を走る議会が浮き彫りになった。
第1回目の大賞授賞式には今も議会改革のトップランナーである議会が並んだ第1回目の大賞授賞式には今も議会改革のトップランナーである議会が並んだ

 また、受賞者に聞くと、「自分たちではなく、第三者が評価してくれたことで、胸を張って政策や改革をいえる」と口々に話している。これらを考えると、マニフェスト大賞が、議会を改革し政治を改革する力になっていることに改めて気がつく。見方を変えると、マニフェスト大賞を受賞できるかどうかが、改革の試金石ともいえそうだ。
 議会改革は、「議会の自己満足であり、住民にとっては関心がない、意味がない」といわれることがあるが、そんなときマニフェスト大賞は第三者からの評価として十分意味を持つことになる。先日、とある選挙で「マニフェスト大賞の受賞者」と大きな文字で書かれたポスターを見たとき、住民へのアピールにもなるのだなと再認識した。
 同じように地方議員にとっても、政策や活動が評価される場になる。検定試験のようなものがない現状では、マニフェスト大賞を受賞しているかどうかが、大きな判断基準となりそうだ。これは今後も変わりがないのだろう。

首長、市民も加わる
 第2回目からは、授賞式会場を六本木ヒルズ森タワー49階のアカデミーヒルズに移して、また応募対象に地方議会・地方議員だけではなく首長を加えての実施となった。さらに8回目からは、市民部門のグランプリも設けられ、現在では最上位の賞となるグランプリには、地方議会・地方議員、首長、市民部門が設けられている。
 マニフェスト大賞が「地方政治改革」として始まったことを考えると、市民を対象にすべきなのかの議論が運営委員会ではあった。ただ、政治をよくすることは市民にとっての政治をよくすることであり、議会・議員や首長だけでなく主権者である市民も担い手であっていい。こうして、結果として全体がよくなればいいとの考えから、市民部門が設けられた。政策の善政競争を市民も一緒に行うことになったのだ。

2015年の応募件数は第1回目の10倍を超えた2015年の応募件数は第1回目の10倍を超えた

 このこともあり、2015年に開催した第10回目のマニフェスト大賞は、総数2,467件の応募となり、受賞者はバラエティに富んだ。授賞式には、子ども連れの受賞者、ゆるキャラ、高校生が登壇し、さらに地方創生担当の石破茂大臣も駆けつけてきていただいたほどだ。
 受賞内容は公式サイトをご覧いただきたいが、地方創生の鍵を握るのは地方政治であることが、マニフェスト大賞で象徴されているのではないだろうか。

授賞式にはゆるキャラも登場授賞式にはゆるキャラも登場
第10回目を迎えるマニフェスト大賞授賞式会場はグランプリをたたえる熱気に包まれた第10回目を迎えるマニフェスト大賞授賞式会場はグランプリをたたえる熱気に包まれた

3 縁の下の力持ち、LM地議連の働き
手づくりの授賞式
 マニフェスト大賞は、受賞者を決める審査以外をLM地議連の運営委員で組織するマニフェスト大賞実行委員会が担っている。第1回目から続く協賛金の募集から応募者集めに加え、授賞式の運営も行っている。今年からは、授賞式の技術的なことも含めて司会やディレクション、受賞者をアテンドしたり、記念撮影の言葉をかけたりすることも議員が自ら中心となり行った。“手づくり”といえるような式でもある。
 これは費用面を抑える意味もあるが、議員が自ら行うことで、他人任せではなく自らのイベントであり、自らの力で地方政治を変えていく意気込みを表している、ということにしているが、それはそれで時間がとられることもあり、ひと苦労ともいえる。苦労をともにした分、実行委員同士の結束が高まっているのはマニフェスト大賞のひとつの効果といえそうだ。

2015年度マニフェスト大賞実行委員会メンバー2015年度マニフェスト大賞実行委員会メンバー

マニフェスト大賞の課題
 マニフェスト大賞の課題は、もちろんある。「毎年増えていく応募数をいったいどこまで伸ばせばいいのか」が、その最たるものだ。
 当初は全国で約1,800の自治体があるから、1自治体で優れた政策を1つと考えれば、1,800あれば十分と安易に考えたこともあった。だが、2,000を超えてしまうと、そうともいっていられない。毎年、“過去最高の応募数”という枕詞で授賞式が始まることを考えると、どこまで伸ばせばいいのかが最大の課題といえよう。
 現在の応募状況としては、自ら応募される方も多いが、運営委員や協賛している早稲田大学マニフェスト研究所が優れた政策などを人脈や各種調査から探し出し、応募してもらうよう連絡してというケースも少なくない。また毎年、応募は締切りである8月末に集中してしまうことから、“夏休みの宿題状態”ともいわれている。年間を通じての応募ができるようになるか、この実現可能性は大きな課題である。
 一方でマニフェスト大賞が世に広がることにより、負の効果も出ている。それは、「議会改革で有名なあの議会と比較されても、受賞できるわけがない」、「どうせ落選するのだから応募はしない」といった声をよく聞くことだ。応募へのハードルが上がってしまったことでの弊害だ。

第10回マニフェスト大賞応募数報告第10回マニフェスト大賞応募数報告

 マニフェスト大賞の水準が上がることはうれしいことでもあるのだが、よい政策を競い合うこと、応募することで自らの活動を振り返ることにつながっていることを考えると、上記のような声も今後のマニフェスト大賞の課題だろう。これまでもそうであったが、これからも、この対応を考えなくてはならない。

4 次の10年に向けて
マニフェスト型で実行委員長を選出
 2015年で10年目を迎え、質量とも大幅に拡大してきたマニフェスト大賞だが、運営方法に大きな変化があった。それは、実行委員長を選挙で選ぶことになったことだ。
 LM地議連の運営委員の中から、やってみたい人が立候補し、どのように運営をするかのマニフェストを示し、運営委員が投票して選ぶ、いわば選挙方式で決めることになった。マニフェスト大賞の実行委員会がマニフェスト型に進化したことになる。
 本来は全国組織であるため、全国で演説会を行い投票すればいいのかもしれないが、時間的な制約もあることから、マニフェストをプレゼンする様子をネットで配信し、投票した結果、子籠敏人実行委員長(あきる野市議会議員)、山中啓之副実行委員長(松戸市議会議員)、鈴木綾子副実行委員長(江東区議会議員)、草間剛副実行委員長(横浜市会議員)が選出された。
 このことは、委員長を担える人材の裾野が広がっているともいえる。自ら手を挙げて責任者に就き運営を行うことは、今後のさらなるパワーアップにつながっていくに違いない。

プレゼン研修会の意義
 本稿では書き切れないような手間と時間をかけて実現しているのがマニフェスト大賞だ。2015年で10回目を迎え今後をどうすべきだろうか。
 マニフェスト大賞には、今回書かせていただいた課題を含め実行委員会の中で様々な意見が出ている。それぞれの解決策を考えることは、LM地議連のあり方にもつながるため、毎年、議論が尽きない状況で、結果としてまとめ切れていないのが実情だ。
 だが、ひとつの方向性として大きな意義を持つ動きが出てきている。それは、マニフェスト大賞授賞式の前日に行う「プレゼン研修会」だ。
 マニフェスト大賞受賞者が自らの政策を会場参加者へプレゼンテーションを行い、書面では分かりにくいことを、ビジュアルや言葉でどのように伝えるかを競い合う内容になっている。参加者からは、いろいろなジャンルの政策を一度に聞くことができることや、政策のエッセンスがすぐに分かると好評で、授賞式に負けないほどの注目を集めるようになった。

政策のエッセンスがすぐに分かると好評の「プレゼン研修会」政策のエッセンスがすぐに分かると好評の「プレゼン研修会」

 受賞者によるプレゼンの時間は3分間。時間が短すぎるとの意見はあるが、多くの受賞者がプレゼンできるための時間配分であるというだけではない。民間では、数十秒で内容を伝えないとプロジェクトは動かせない、テレビのニュースは短時間で中身を伝えているなどの意見もあり、何よりも時間を長くすれば中身がよくなるものでもないとの考えから、この3分間は考えられている。
 これは、会議で要点をA4判1枚にまとめるのと同じ考えだ。何が問題で、どのように解決するかをまとめる力が必要になり、関心の低い人へも伝える力が必要となる。短くまとめることで、どこに本質があるのかを知ることにもつながっている。
 プレゼン研修会では、全てのプレゼンの中から最も印象に残ったものを参加者がその日に投票し上位3名を表彰している。この結果、マニフェスト大賞の最優秀賞とは別の人が受賞していることは非常に興味深い。優れた政策が優秀賞として毎年選ばれているが、その政策への光の当て方次第で、より意味が出てくるのかもしれない。今後に大きな可能性を持つ研修会だろう。

11回目がすでにスタート
 プレゼン研修会が好評であるため、授賞式でも同じようにできないか、応募がより手軽にできないかなど今後のマニフェスト大賞についての議論は、実行委員会では尽きていない。
 しかし、当初の目的のように、より多くの人に知られ、アカデミー賞のようになれるかの具体策は、現在のところ見えていないのが実情だ。
 その状況でも現在は11回目をどのようにしてすべきかの協議がすでに始まっている。2016年夏には11回目のマニフェスト大賞応募が始まり、授賞式は11月11日(金)にアカデミーヒルズで行い、前日にはプレゼン研修会を行うということもすでに予定されている。来年度への動きが始まっているのだ。
 地方政治、地方議会を大きく変えてきたマニフェスト大賞。今後もこれを続けていくことで政治改革の裾野を広げたい。そして、その結果が日本の政治を変えていくと信じている。
 今後もご期待ください。そして、応募もお願いします。

2016年1月1日金曜日

議会改革を議論しているはずなのに・・・これでは後退じゃん

明けましておめでとうございます。本年も何卒よろしくお願いいたします。

<八潮市議のブログより>

本日、14時から議会改革を議論している議会運営委員会を傍聴した。

 毎回、5項目ずつ議論しているが、このペースだと今年度中に終わるのか・・・これだけ見ても変えようという意気込みが感じられないのだが。

 今日は、意見書・陳情書と政務活動費に関する項目がテーマであった。

 ?意見書については、民政クラブ提案の「意見書における署名議員は、賛成討論を控える」が議論された。現在は、全会派一致の意見書の場合は、賛成討論はしないことに数年前に変えられてしまった。それをさらに、賛成者として名前を連ねている場合も討論を禁止しようという提案だ。「議会は議論の広場」ということを忘れた提案にビックリするのだが・・・

 結果は現状維持。つまり、全会派一致の場合は賛成討論はできないが、そうでない場合は賛成討論ができる。


 ?意見書・決議等の締切日を増やす。例えば、総括質疑の翌日までにもう一回、意見書等を出せるようにする。これは私の提案です。今は、議会開会日の翌日の一般質問の締切日に意見書等を提出しなければならない。しかし、議会会期約3週間の間には、どんな動きがあるかもしれないし、その時に意見書等を出したいと思っても、すでに締め切られている場合が往々にしてある。議会が世の中の動きにフレキシブルに対応できるように、東京小金井市議会で歯、意見書等の提出日を前半、後半と2回出せる機会を設けている。これを八潮市議会でもと思って提案しました。

 数年前、議会の途中で、緊急意見書を提案したいと思い、議運で協議してもらいましたが、全会派の賛同を得れば、締め切り日以降も出せるようにはなった。しかし、12月議会の際の児童虐待防止に向けた対策強化に関する意見書のように、提案者が気に入らないとか些末なことで賛成しない会派もある。だから、必ずしも緊急だからと全会派賛成とはならないケースもある。そこを懸念して提案したのだが

 結果は現状維持。つまり増やさない。



 ?陳情書を請願同様審査の対象とする。この提案は共産党と私ですが、これも現状維持。つまり審議の対象とせず議場で配布するのみ。

 ?議決事件の拡大 提案は共産党と私。現在は地方自治法第九十六条第一項の第1号から第15号で、普通地方公共団体の議会の議決事項が定められている。しかし、第二項で、議会が条例で定めればこれ以外のことも議決事項とすることができる。例えば、北海道栗山町議会で歯、町の総合計画なども議会の議決事項としています。他には介護保険事業計画なども議決事項としている自治体議会もあります。議会の議決事項とすることにより、議会もその計画等に責任を持つことが明白になるからだ。

 結果は現状維持。つまり、議決事件項目を増やさない。


 ?政務活動費については3項目 一つは活動費のネット公開。二つ目は活動費の増額。3つ目は活動費の事後清算。私は3つとも提案したが、公開については共産党からも提案があった。

 しかし、これは公開については現状維持。つまり、議員はいつでも事務局に言えばみられるが、市民は情報公開請求をしないとみられない。号泣議員以来、ネットでの公開が増えているというのに、自民クラブ、公明党、民政クラブは現状維持を主張。結果は、多数決で、現状維持。つまりネット公開はしない。本当に恥ずかしい!

 公開は拒んでいるのに、政務活動費の増額は、数年前に1年だけ20万円/年にしたことを持ち出し、元に戻すを主張。共産党が増額なら「公開とセットでなければ、市民の了解は得られない」と主張するも、賛成多数で年額20万円に決まった。この議論を聞いてて本当に恥ずかしいと思った。

 政務活動費の事後清算については、全会派「現状維持」。つまり、年度当初に一括で支給される方式を維持。本来、政務活動費は、余れば返還するものだが、一括で支給されるともらった感覚になって、返還するものだということを忘れてしまう場合がある。数年前のことだが、任期間際に、残った政務調査費でICレコーダーやUSBメモリーを沢山買った議員がいた。あれは返したくない一心で、あれもこれも買ったのではないかと思います。政務活動費はいつも言うことですが、市民の税金です。大切に使うためにも、事後清算方式の方が良いと、最近の進んだ議会では取り入れているところが多い。

 傍聴していると、本当に議会改革を議論しているの?と疑問に思います。これでは議会改革どころか、議会後退議論です。

 そもそも、議運は、全会派一致でなければならないはずなのに、多数決で決めるのはどうかと思う。どこの議会も議運は多数決でなく、全会派一致が原則のはず。議会事務局ももっと勉強して欲しいし、出してくる資料も古すぎます。今日の資料も、平成23年時のものがあったが、今は平成27年、もうすぐ28年になります。事務局だって、遅れた議会のままで良いとは思わないでしょうに! 

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