2018年12月21日金曜日

地方議員のなり手不足「議会に魅力ないから」

<神戸新聞より>

なり手不足が深刻化する地方議会。議員の相次ぐ不祥事や議会に対する不信が拍車を掛ける。住民を巻き込んだ改革を進め、全国から注目を集める長野県飯綱(いいづな)町議会を主導してきた前議長寺島渉(わたる)さん(69)に、その要因を聞いた。人口減少や議員報酬の低さが理由によく挙がるが、「最大の要因は議会の魅力のなさ」と断じる。
 -飯綱町議会で改革が始まったきっかけは。
 「12年前、町内のスキー場を経営する第三セクターが破綻。町が結果的に8億円の負担を抱え、チェック機能が果たせなかった議会も批判にさらされた。ただ、問題が起きた時こそ改革のチャンスだと思った」
 -何を始めたのか。
 「行政の追認機関から脱し、議会がチームとなって政策力を向上させ、住民参加を広げて活動の『見える化』をしようとした。一つが政策サポーター制度。住民の知恵を借りて議員も一緒に政策を考えた。すると議会では出ないアイデアや発見があった。人口増加対策を考えた際、30代女性が『子育て世代は移住して来ない』と言いだした。隣接する長野市は夕方からの延長保育料が無料で、飯綱は有料だからだという。問題提起を受けて議会は無料化を提案し、翌年度から420万円の予算が付いた」
 -議員のなり手不足が深刻化している。
 「背景には複合的な要因がある。長年、首長の追認機関になっており、独自の役割が果たせていなかった。住民は議会の存在を実感できずにいる。もう一つは、自治を担う集落機能が弱くなり、団体や組織が小規模化した結果、人材を育成する力も弱くなった。平成の大合併で町村が消滅し定数を減らしたため、地域から議員がいなくなった。もちろん、なり手不足の直接的な要因は議会の魅力のなさだが、地域社会の変貌によるものも大きい」
 -飯綱ではどうか。
 「過去3回募集した政策サポーターの経験者は計43人。議会広報モニターにも延べ178人が参加した。この中から昨年の町議選で15人中5人が当選した。議員と共に政策作りをしたからこそ、立候補へのハードルが低くなる。議会の応援団をつくることにもつながり、財産になった。地道な活動がなり手不足の解消につながる。法律で議会の形や制度を変えるだけでは、問題の解決にはならない」
 -議員報酬の低さを嘆く議会も多い。
 「議員報酬を上げることは難しい。議会の役割が住民には全く見えておらず、納得してもらえない。信頼されることが大前提で、まずは議会改革を頑張っている姿を見せることから始まる。飯綱では成果と前進があったから昨年、わずかだが報酬を上げ、政務活動費の支給が実現した」
 -現在の活動は。
 「昨年11月に議員を辞めて地域政策塾を始めた。3回勉強会を開いたが、議論の機会を設け、なり手を育てたい。『議員になってもいい』と思っている人が既に2、3人いるらしい」
(聞き手・井関 徹)

2018年12月20日木曜日

他人に厳しく、自分に甘い改革案

<上尾市民のブログより>

こんな連中の言うこと聞くなよ、上尾市職員さん。
追記12/8 より詳しくは秋山議員ブログへ。公明、共産、政策フは政治倫理条例に前向きだが、新政クラブは後ろ向き、おまけに職員には条例制定だってさ。こんなホンネの姿を29人いても一人しか伝えない上呆市議会、ますます面白い。なお悪事に巻き込まれた職員は司法取引でゲロすることを勧めたい。市はその後の処分をしないことだ。

別の良いことを書きたかったのですが、リクエストされて・・・
6回西貝塚環境センターの入札に係る調査特別委員会を開催します。
 平成30126日(木曜日)午後3時から、全員協議会室
 協議事項(1)調査報告書(案)について、(2)その他 
一年前からの議会側が行った経過報告と議員から質問や意見を募る場のようでした(市の第三者委員会も別にやっていますがそちらはまだ)。明るみになっている以外に、裁判記録を取り寄せて膨らむかと思いきや、違いました。
3月、判決日の帰り、せっかくだからと隣の検察庁舎へ行き殺風景な部屋に通されたことを思い出しました。
「あの証言録みたい」
「あんたじゃだめ」
「じゃあ誰さ?」
公的な者が厳格な申請で許される場合もあるとか、曖昧でした。結局、彼らが閲覧したのか知りませんが、参考人の証言調書はプライバシーが絡み非公開ですから、閲覧して中身にコーフンしてもお口にチャックです。
市長室でのカネの授受やわび状印刷したりとかがあっても、内部通報制度が機能していなかったわけですが、報告案のキモは「6調査事項に対する指摘・改善意見」らしいです。その内容は、(1)上尾市が行うべき事がア~コまで10個、(2)議会が行うべき事はア~ウの3個です。
職員が読んだら怒るわな。汚職したのは政治屋二人、一人は人事権を持っていたから逆らえなかったというわけでしょう。
しかし、ア~コの末尾は「・・・を検討すべきである」ばかり。例えば、「・・・制度の創設を検討すべきである」とありますが、これでは検討会を開けば終わりです。チェック機関としての議会ならば「・・・制度を作るべき」と歯切れよく書けばよいのに、腰が引けています。厳しいんだか、優しいんだか分かりませんね。もしも骨のある職員がいたら、議会向けに10個、市向けに3個で他人に厳しい提案をしましょう。 
(2)の自分達がやることは3つ。
ア. 正副議長室や応接室への入室・面会記録などの基準を設けること。公用車の利用にも適正な使用に努めること。
イ. 今回の事件を受け、あっせん利得処罰法を議員が十分理解し、議員の行動規範を定める事を引き続き議会特別委員会で進めること。またコンプライアンス研修を定期的に実施すること。
ウ. 議決…に該当しない契約を…検討すること(意味不明のため省略)
 誤解無きよう書くと、イについて意見が割れています。”この機会に自ら厳しく律するものを作ろう VS ”いやいや今後別な場で検討しようというせめぎ合い。(見かけが)若い議員はナニ考えているかな、先輩や年寄りの顔色しか伺えない風ですね。
 折しも、悲劇の貴ノ岩が加害者になった暴力問題が起きました。小手先の制度や意識啓発で直るものではなく、相撲界に根深い暴力体質があるということ位、世間は分かっています。
 政治の汚職も似たようなもの。他人のカネを(自分のカネのような顔をして)配る力がありますから、人が群がり、当人も慢心します。
最後に「私議会」が彼らに書けないことを書きます。 
(3)上尾市民のしてはいけない事
.自分より能力の劣るものを選んではいけない。
.自分よりずる賢いものを選んではいけない。
ウ.選挙が近づくと現れてくるようなものを選んではいけない。
エ.図書館の評価表を借りないまま選んではいけない。
オ.市政に無関心なまま行政サービスを求めてはいけない。
 
 
 

2018年12月19日水曜日

美術館新設計画を巡り、川口市議会一般質問が紛糾

<埼玉新聞より>

12月13日の川口市議会で碇康雄市議(川口新風会)が市立美術館構想について、市民の意向調査実施を提案した一般質問を巡り、議事録からの一部削除を求めた動議が自民、公明の賛成で可決されたが、動議に反対した共産市議の発言にも自民市議が削除動議を出し、同様に可決された。13日は一般質問の最終日で午後に終了する予定だったが、終了は14日午前1時17分だった。「議論することを否定する動議」、「発言取り消し動議の乱発」等々川口市議会の議会運営は課題山積です。

2018年12月18日火曜日

美術館新設計画を巡り、川口市議会が紛糾

<埼玉新聞より>

川口市議会で13日、一般質問が行われ、市が進める美術館新設計画について、紛糾した。

2018年12月17日月曜日

【近づく統一選 地方議会は今】無投票急増、募る危機感

<中国新聞より>

地域住民の代表であるはずの地方議会が、住民から厳しいまなざしを向けられている。政策立案を含めて仕事ぶりが見えづらいとの不満は強く、政務活動費を巡る不正も絶えない。担い手が減り、女性の参画も進まないという課題も浮かぶ。2019年4月の統一地方選は中国地方で5県議選と20市町村議選が予定される。議会と住民の意識にずれはないか、点検する。
 府中市議会(定数20)が11月上旬に市生涯学習センターで開いた議会報告会で、住民の男性が声を荒らげた。「地域が安全で豊かになるような議論を、もっとしてくださいよ」。市議会への苦言だった。
 ことし4月の市議選は初めて無投票だった。改選後初となる議会報告会では、テーマの一つに、議員のなり手不足の解消に向けた「議会改革」を据えた。会場を昨年の倍の8カ所に増やし、幅広く住民の意見を吸い上げる計画だった。
 しかし質疑は、7月の西日本豪雨を踏まえたもう一つのテーマの「防災」に集中した。加藤吉秀議長(69)も、議会改革への意見は「甚だ低調だった」と認める。わずかに寄せられた声は、議員の仕事ぶりへの手厳しい指摘ばかりだった。
 市議会は定数割れも一時ささやかれたほどだった改選を受け、6月に特別委員会を設置。定数や報酬、政務活動費の在り方について、20年春をめどに方向性を示そうと議論を始めた。危機感は募るが、住民の関心との隔たりは大きい。
 議員のなり手不足は各地に広がる。中国地方ではこの1、2年で議員選の無投票が急増し、市議選でも続出した。各議会は対策を練るが、多くは、候補者の減少をにらんで定数を減らしたり、候補者を増やすために報酬や政務活動費を引き上げたり、といった従来の議論にとどまる。
 11年に廃止された地方議員の年金を、自治体職員の厚生年金に組み込む形で復活させる動きもある。改革なしに待遇改善だけを先行させた「お手盛り」に映れば、「住民感覚とのずれがさらに広がる」との冷ややかな見方もつきまとう。
 総務省の有識者研究会が3月にまとめた報告書によると、一般議員の平均報酬月額は市議会が40万6千円、町村議会が21万3千円。報告書は「小規模市町村では議員報酬だけで生計を立てられない」と指摘しつつも、抜本的な議会改革が要ると提言する。報酬を副収入的な水準に抑えて兼業議員を増やすか、報酬を上げて少数の専業議員で運営するか―。ただ、小規模な市町村議会を中心に現実的でないと異論が相次ぐ。
 山口県の上関町議会(定数10)は7月、夜間や休日に一般質問や委員会を開いている長野県喬木(たかぎ)村の議会を視察した。平日昼間が中心の議会運営を見直し、兼業でも活動しやすい環境にする試みだ。離島もある町では容易ではないが、導入の道を模索するという。
 国立社会保障・人口問題研究所の推計で、町は45年までの人口減少率が中国地方の市町村で最大だった。2月の町議選は土壇場で11人の候補者がそろい、無投票こそ避けられた。それでも、地元での原発建設計画を巡り賛否の議論で活気に満ちていた選挙戦は、様相を異にしている。
 40年以上前は20人以上だった定数は今や、1桁目前となった。西哲夫議長(71)は「これ以上減らせば議会の体をなさなくなる」。来年2月には地元の中学生を招く模擬議会を初めて開く。地域で後進を育てる機運につながればと願う。(松本大典、山崎雄一)

2018年12月16日日曜日

鰺ケ沢町議会が「日曜議会」、傍聴者3倍に

<朝日新聞より>

青森県鰺ケ沢町議会は9日、傍聴者を増やす試みとして初めて「日曜議会」を開き、12月定例会の一般質問を行った。従来の平日の一般質問は町民の傍聴者が10人前後のことが多いが、この日は約30人が傍聴席で熱心に耳を傾けた。

 県町村議会議長会によると、県内の町村議会が日曜議会を開いたのは初めて。市部では十和田市議会などで行われたことがある。

 鰺ケ沢町議会は2015年から取り組んでいる議会改革で「開かれた議会、分かりやすい議会」の実現を目指しており、15年と16年の9月定例会では平日午後6時から「夜間議会」を開いて一般質問を行った。

 日曜議会もその一環で、9日は午前10時に開会。中学生から高齢者まで31人が傍聴した。長谷川統一議長が冒頭で「多数の皆様に傍聴していただき感謝致します」と述べ、日曜議会開催の経緯を説明。一般質問は4人の議員が行い、傍聴席ではメモをとりながらやり取りを聴く人もいた。

 小学校教員で傍聴は夜間議会以来という神ルミ子さん(51)は「自分が選んだ議員が私たちの思いをちゃんと伝えてくれているのかは、議場のやり取りを見ないとよくわからない。平日の昼は傍聴に来られないので、こうした機会があった方がいい」と話していた。

 長谷川議長は閉会後の取材に「これまで傍聴席で見なかった町民も結構来てくれて、予想以上の成果だった。質問も答弁もいつもより緊張感があると感じた。今後の開催についても前向きに検討していきたい」と語った。(佐藤孝之)
https://digital.asahi.com/articles/ASLDB3CCSLDBUBNB005.html?rm=266

2018年12月15日土曜日

東京都多摩市議・岩永ひさか

<毎日新聞より>

議会活性化に欠かせない事務局の風土と意識改革

 私は25歳で議員になった。収賄事件で市長逮捕という事態により行われた市長選と同日の市議補選に初めて立候補して当選した。周りからは「マサカのヒサカ」と可愛がられたものだ。
     議員になって、学生時代に学んだ「地方議会」や「地方議員」とはかなり隔たりある実態に日々がくぜんとした。古びた先例や慣習が重んじられ、年功序列のタテ社会における〝実力〟は必ずしも政策立案能力や提言力とは結びついていなかった。そして、不思議なことに「力のある議員はわざわざ質問や質疑はしない」らしかった。
     しかし、今は違う。「地方議会」と十把一からげに語ることはできないが、いずれの地方議会でも「変わらねばならない」との危機感が生まれている。そして、「議員定数の削減」や「議員報酬の削減」は有権者受けのする公約かもしれないが、地方議会をまっとうに機能させ、行政とまっとうに対置できる〝活性化した状態〟にするには、安易に掲げてはならないと気づく議員も増えている。議会基本条例制定ブームはまさにそうした地方議員の意識改革に裏打ちされてきたものだ。
     昨年5月、議長に就任してから「議会事務局活性化」が取り組むべき優先課題であると痛感している。今の議会事務局職員大半の意識は「議員のお世話役」の域にとどまっている。それこそ、市民感覚からは既に時代遅れに思える先例や慣習に固執するのが仕事のようだ。「おかしい」と感じても、議員に進言することを避けるのは「余計な口出し」をするとで〝返り血〟を浴びることを恐れる気持ちがあるからだろう。
     このような事務局風土の中で、職員はいつのまにか「企画力」と「発想力」を喪失してしまっているように見える。先ごろ私は議会事務局に「まずは、Plan―Doからスタートしてほしい!」と申し伝えた。議会事務局の仕事は議会運営をより良くしていくための縁の下の力持ちであり、議会がより良くなれば結果的に市民福祉が向上する。この極めて当然の目標を議会事務局で再確認することが重要だ。「思考停止」を美徳とするかのような議会事務局風土を変えて、議員とともに積極的により良い議会づくりの提案をしてほしいとお願いしたのだ。
     私は毎日、議長室に出勤している。職員にはうっとうしい存在かもしれないが、だからこそ見えてきたのは議会事務局に必要な意識改革である。議会活性化論で議会事務局の充実強化が語られることが多い。そこには職員不足も指摘されているが、頭数の問題だけではなさそうだ。
     そしてもう一つ。行政職員の異動先として位置付けられている議会事務局で「議会の利益」につながることをし過ぎると、それが首長部局には面白くない結果をもたらすこともあるだろう。首長部局に異動することを思えば、なるべく「余計なことはしない」意識になりがちだろう。しかし、議会のために大暴れした職員こそ評価されなければならない。その土壌づくりにこそ議長が汗をかきたいものだ。
     いわなが・ひさか 1977年神戸市生まれ。99年中央大法学部卒。中小企業金融公庫(現日本政策金融公庫)勤務。2002年4月多摩市議。現在5期目。06年明治大公共政策大学院修了。17年5月から議長。