2017年9月25日月曜日

「自民意識で“背骨”がない」都民ファースト議会改革、本格始動で公約検証


THE PAGE より>

7月の選挙で当選した新議員が本格始動する東京都議会初めての定例会が20日から始まります。注目は議会改革を掲げて圧勝し、第1党となった都民ファーストの会です。

 都民ファーストは、議会改革で何を目指すと公約に掲げたのでしょうか。項目のおさらいと検証のため、議会改革についての調査などに取り組む早稲田大学マニフェスト研究所の中村健事務局長に話を聞きました。

 中村事務局長は、議会改革項目の中身について「都議会透明化」の意欲は評価していますが、対自民を意識してまとめられたため、どのような改革をしていくという最も重要な「基本姿勢や背骨のところをつくる作業がない」と指摘しています。

対自民を意識した項目ずらり



 都民ファーストの会が掲げる「議会改革」=政策パンフレットより作成

 都民ファーストは都議選前につくった政策パンフレットの中で「議会改革」14項目を挙げています。

 まず中村事務局長が指摘するのは、「書いてあることが当たり前で、都民にはわかりにくいものがある」点です。

 例えば「議会棟での禁煙実施」。「住民代表という考えからすれば、議員特権として都議会棟だけ禁煙になっていないというのは浮世離れしている。体質変えるひとつの切り口として取り上げているのでしょう」

 同じく「金品授受を禁止」、「不当な口利き禁止」と「不当な都庁人事」「外郭団体職員採用」への「介入禁止」。これらは、選挙前に最大勢力だった「対自民を意識して掲げたものでは」といいます。

「自民のときはそんなことがあったのか、ということを印象付ける内容で、むしろほかの議会のように政治倫理条例や口利き斡旋禁止条例をつくれば済むこと」と異なる表現の方が適当だったとみています。

◆政務活動費はまずは規模が問題

「ここまで縛らなくてもいいのでは」と指摘するのは「政務活動費による飲食禁止」です。

「政務活動費の高額な飲食代が問題になったことで盛り込んだのでしょう。しかし、視察や打ち合わせでコーヒーを飲むぐらいの費用は堂々と使ってもいいのでは」

 飲食禁止を掲げるよりも、本年度から10万円減とはなりましたが、政務活動費50万円が適正な額かどうかが問題、とみます。

「政務活動費が問題になるのは、神戸市議会など規模が大きな議会で、使い切れないような政務活動費を払っているところが問題。ルールの厳格化と、金額の見直しをした方がいい。お茶代まで禁止するのは不自然な感じです」

 同様に「秘密会だった理事会など議会の会議内容を全て公開」も疑問符をつけました。

「基本的には公開ですが、オフィシャルの会議とは別に協議部分も必要だと思います。今までクローズドが多かったからでしょうが、形だけの公開にならないよう、議会の運営上のルールをまずきちんと決めることが大切では」と述べています。

 情報公開に関しては、「議長交際費や政務活動費のネット公開」も挙げていますが、「項目だけでは何に使ったかわからないので、領収証まで公開するようにしてほしい。黒塗りだらけ、のり弁をなくすというのなら、まずは原則公開とした上で、個人名などの取り扱いで注意が必要なものがあるかもしれないので、きちんとルールをつくって」と注文します。

◆都民モニター制導入などさらに工夫を
 
 「専門家など、参考人の活用」「公聴会の実施」といった住民参加を意識した内容が加わっていますが、さらに工夫を求めます。

「町田市議会のように請願陳情者が発言できるようにしたり、公募して議会や議論の中身をみてもらう都民モニター制を導入してもいいのでは」

 日本で最も予算的にも恵まれた都議会だからこそ、充実を期待したい項目としては「常任委員会のインターネット中継」と「電子議会化し、議会をペーパレス化」を挙げました。

「ネット中継のとき、議会で話し合われている内容の資料が、すぐ取り出せるシステムを取り入れてほしい。これはまだほとんどの議会が導入できていないので、ぜひ一番予算がある東京都議会で実現して」

「電子議会化も、実現できた場合は、印刷代や職員人件費などどんな効果があったか見せることが大事。そしてそのときに、離れたところからも会議に参加できる、万一被災したときに携帯電話とは異なる連絡手段として発揮できる、といったペーパレス化以外の効果も示してほしいです」と期待します。

◆ベースとなる議会改革の基本姿勢が欠如

 最後に、中村事務局長は14項目全体の評価として「今まで都民が多く持っていた不満のところ、都議会を透明化したいというところはわかる」。 ただし「そもそも都議会をどんな風にしたいという背骨のところ、基本姿勢をつくる作業が必要で、それがないと前の議会の不満を並べただけになってしまう」と、肝心の議会改革で目指すベースとなるものが書かれていないことを問題視しています。

 また、透明化のためにも「都民や専門家、さまざまなメディアが都議会に入りやすい環境に議会運営の規則を変えること」を重視。「都民ファーストは、運営規則など要綱を修正改正できる人数を確保できたのですから、具体的に変えていってほしい」と第1党として、掲げた議会改革を可能なことから実現していくことを求めています。

 もうひとつ不安視するのが、小池知事との「距離感をどう担保していくか」です。

「選挙前、都議会は、都政をチェックできていない、知事と仲よしこよしだった点と、都民に向いていないという二つの批判があった」と指摘。新たに「知事の反問権」が項目に入れていましたが、「執行部への対案を出せるような議会をどうつくるかが、盛り込まれていない」。

「議会が独自の調査研究環境を整え、知事の監視機能と、都民の意見を議案に吸い上げる政策立案をしなければ、石原都政や舛添都政のときと何ら変わらない」と話しています。

https://thepage.jp/tokyo/detail/20170919-00000004-wordleaf?page=1

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